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営業マンがスランプに陥った時、真っ先に確認すること

自分で言うのもなんだけど、明るく真面目で人から好かれるタイプなんだけど、なぜか営業成績が伸びない…。そんな悩みをお持ちの方、もしかしてそれはあなたの「思い込み」に問題があるのかもしれません。戦略コンサルタントの中久保浩平さんが無料メルマガ『ビジネス真実践』の中で、思い込みの弊害とその壊し方を解説しています。

思い込みによる弊害は、質問によって自ら脱却

以前、とある販売会社の営業マンへコーチングさせてもらった時のことです。

とっても真面目で勉強熱心、しかも性格も明るく、人なつっこい感じで誰からも好かれるタイプ、いわゆるクラスの人気者、といった1人の営業マンがいました。

しかし、その営業マンは、成果が思うように上がらないということで随分と悩んでいました。

そこで彼に色々な話を聞いてみることにしました。

「いつもどのような感じでお客様の前で話しをしているのですか?」

すると、

「アポの取れたお客様にとにかく商品の説明をしています。もちろん、先方にとってベネフィットがあることもきちんと説明しています。」

と、応えてくれましたので、

「では、実際に私が取引先だとして営業してみて下さい。」

と実際にやってもらうことにしたのです。

「本日は、お時間いただき、ありがとうございます。早速ですが、今回ご案内させて頂くのは、Aという商品でございまして、○○の部分が非常に優れていて、御社にとっては…」

などと、彼は一生懸命に話してくれました。

ですが、聞いている私には何も響いてきませんでした。

そこで彼に尋ねてみました。

「いつもそのような感じでお客様の前で話しをするんですよね? それはいつ頃からですか?」と。

すると、

「いやっ、入社した時から…というか、お客様にはきちんと商品の説明をして納得してもらうのが営業マンの仕事であるべきだと思いますし…。そう教えられてきました。」

売れない原因は、ここにありました。

彼は「営業マンの仕事は、商品の説明を正確にし、納得してもらうのが仕事。」と思っていたのです。

つまり、自分自身の中で「営業はこうあるべき」というものを知らず知らずのうちに築いてしまっていたのです。

いわゆる「思い込み」というものです。

確かに商品説明をきちんとして相手に納得してもらって成約して頂く、というのは正しいことです。

ですが、それが必ずしも「正解」ということではないのです。

>>次ページ 正しいことがなぜ「正解」ではないのか?

どういうことかというと、「思い込み」によって彼は、一方的に商品を説明し納得してもらうことだけに力を注いできました。そのため、先方の聞きたいこと知りたいことに対して十分耳を傾けられていなかったのです。自分の伝えなければならないことだけを伝えていたのです。

そして、そのことによって、典型的な売り込みスタイルの営業マンになってしまっていたのです。

ですから、いくら商品が素晴らしいものであったとしても相手には伝わらない、響かないでいたのです。

この営業マンのように「○○はこうあるべき」というような思い込みによって本来得られるはずの好結果を得られないというケースは多々あります。

例えば、最も多いのが、

「うちは今までこのやり方でやってきた。」

という経営者。

確かに今まではそのやり方で上手くやってきたのかも知れないけど実際にはそのやり方が、足かせになって業績が悪化しているというケースです。

いわゆる過去の成功法にしがみつく、パターン。

気持ちは分からなくもないですが、業績が悪化している事実を真正面から受け止めなければ、改善や工夫なんかをいくら提言したところで、現状のままで何も変わらなかったりします。

あとよくあるのが、

「自分はおとなしい性格だし、トークも上手くないので営業に向いていない。」

という思い込み。

トークが苦手、性格がおとなしいというのは、営業マンに向いてる、向いていない、になんら因果関係はありません

おとなしくても、トークが下手でも「営業が楽しい。」という人はたくさんいます。

では、こうした「思い込み」というものは壊すことは出来ないものなのでしょうか?

そのヒントとなるのが「質問」にあります。

たとえば、部下や同僚、後輩に

「僕はトップ営業マンになんてなれっこない。」

というような「~できない。」という思い込みがあったとします。

こうした思い込みを持っているということは、自分で自分のことを制限してしまっているのです。

ですので、こうした場合には、

「でも、もしトップ営業マンになれたとしたら?」

イメージを沸かせるような質問をし、さらに

「どうすれば実現可能かな?」

と、さらに質問を追加します。

達成された未来をイメージしてもらい、その可能性が1%でもある、ということを認識させ、さらにそのことについて考えてもらうのです。

そのほかには、思い込み以外にも例外や選択肢が色々あるということ、そこには可能性があるということ、そのことについて考えてもらう質問をすることです。

「たとえば君の言っているA以外にもBというやり方があったとしたらどうかな?」

「結果を出すことだけを考えてみた場合、他にも何かアイデアがありそうな気がするんだけど君はどう思う?」

というような質問です。

>>次ページ では、最初に登場したタイプの営業マンにはどう質問する?

前出の営業マンの場合だと、

「営業マンってほんとに商品説明をし納得してもらうことだけが正しい営業スタイルなのかな? 他にもお客さんが納得したり、商品に価値を感じてもらえることってあると思うんだけどどうかな?」

と質問をする。

すると、

「営業マンはお客さんに対して納得してもらうために商品説明することだけが仕事ではない。」

ということを理解することができ、商品説明をじっくりする以外に出来る工夫や改善を自分で見つけることができるのです。

誰でも知りえた情報や学んだことなどに対して、「思い込み」というフィルターを通し、その知識を取捨選択します。

ですが、そのフィルターのおかげで、自分で自分に制限をかけ、成果に繋がらないということもあるのです。

「勉強しても身につかない。」
「いくら努力しても成果が出ない。」

と悩んでいる人の多くは、潜在意識にある「思い込み」によって成長や成果に繋がる情報が遮断されているのです。また本来もっている発想力なんかも押し殺されてしまいます。

こうした弊害を取り除くことによって成長や成果へ繋げていくことが可能になります。

今日のまとめ

『思い込みは時として成長や成果の弊害となる。』

image by: Shutterstock

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