MAG2 NEWS MENU

旧ガリバー「月額5万でクルマ乗り換え放題」は儲からないと思う理由

人気コンサルの永江一石さんが、さまざまな質問に答えてくれる人気メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』。今回は旧ガリバー(現IDOM)が始めた「月額定額の車乗り換えサービス」について。まだ100名限定のサービスですが、90日間で別の車に乗り換えが可能という画期的な定額レンタカーサービスは成功するのでしょうか? 永江さんは率直な意見でズバッ!と回答しています。

月額定額の車乗り換えサービスは成功するか

Question

リクルートのカーセンサー出身で、中古車業界に詳しい永江さんにズバリ質問です。

最近、IDOM(旧ガリバー)がリリースした月額定額クルマ乗り換え放題サービス『NOREL(ノレル)』はうまくいくでしょうか?

● ご好評をいただき、NOREL(ノレル)の予約締め切りました

月額約5万円で先着100名の予約は締め切り好調なスタートとのことです。

質問の「うまくいく」の定義が曖昧ですが、自動車の所有やカーシェアとの競争の中で、どこまでインパクトのあるサービスなのか? 会員数を現在の100名からどこまで伸ばすことができるのか?

永江さんの考え、意見について教えて頂ければと思います。

永江さんの回答

率直に意見を言いますと「手間がかかるわりにあまり儲からないサービスではないか」と思います。

というのも、「3年乗ったら下取りして乗り換え、中古車として販売する」というようなビジネスモデルは特に目新しいものではなく、ずっと以前からあるんです

それよりも今最大の問題なのは、そもそも車自体が売れていないということです。以前と違い3年ごとに新車を買い換えるような車好きの人は減っていますし、中古車販売会社の売上もそれほど伸びていないのではないでしょうか。

またサイトを拝見し、貸し手と借り手両者の負担が非常に大きいという印象を受けました。貸し手側から見れば、受け渡し時に傷がないか細かくチェックしたり、不備があれば修理を依頼したり、希望の車がない場合のクレーム対応を受けたりと、一連の流れの中で様々な手間が発生するでしょう。これがリースなら数年ごとで済みますが、今回の場合は最短で3ヶ月ごとに対処しなければなりません。

借り手側から見ても、トランクに積んだ荷物を乗り換えごとに積み降ろししなければいけないことや、チャイルドシートなどその車に合わせて購入するものをどうするかなど不都合が多いのではないでしょうか。冬タイヤとか装備品も自分で付けられません。

まとめると、月額5万円で3ヶ月ごとに車を乗り換えたい人なんてかなりのマニア以外なかなかいないと思いますよ。つまり、マーケットはそこまで大きくないだろうというのがわたしの感想です。

image by: NOREL公式HP

 

永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ
著者:永江 一石
商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。
≪初月無料/購読はこちらから≫

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け