MAG2 NEWS MENU

身内以外は全員敵? 中国人に日本の「おもてなし」が通じぬワケ

中国でビジネスを展開する日本人が、中国人に違和感を抱くことが度々あるというのはよく聞く話。それも国民性だと頭ではわかっていても、物事をズバズバ言う彼らに辟易している日本人は少なくありません。しかし、メルマガ『中国大連ビジネスリポート』の著者・高瀬正博さんは、中国人も日本人の美学である「大人な態度」を快く思っていないと指摘。むしろ、気を遣うほど中国人は遠ざかっていくという驚きの事実を明かしています。

大連から感じる日本の引っ込み思案的な態度

大連の今日は、時々小雨が降り車のフロントガラスを少々濡らすけれど、すぐそれは乾いてしまう。大連は、もともと乾燥度の高い地域だからかも知れない。洗濯ものなどは夏よりも早く乾くのでとても便利に思う。でも、風邪を引きやすくするので要注意だ。何でもそうだろうが、一長一短ある。

11月に入ってすぐ、各家庭に備え付けのスチームに暖気が入り、室内温度は24℃で外気との差は12℃以上はある。だから室内での服装といえば、Tシャツ一枚なんていう人もいる。でもさすがに外出ともなると、その3倍以上の衣服を纏って出かけるのだ。

こういう生活をしていると、おのずと気性も激しさを増してくるらしい。

己中心こそが中国人の考え方だということがよく言われている。自我を通すことで生きる道標を見出していくのだ。自我の中には、家族や親戚も含まれている。それ以外はいずれも関係なく、利害関係が起きた場合、それを自我の範疇に入れるためには、すべてが敵となるのだ。

日本人の言う「まあ、まあ、そこのところは…」なんていう曖昧な言い回しは決して通用しないし、そんな悠長なことを言っていれば、相手にその隙を突かれて横取りされかねない。どのような時代になろうとも、この気質は絶対に変わらないだろう。

反面、日本人は? と考えると、まず最初に弱さを感じる。突っ込まれたら、突っ込み返す、そういう強さがまったくない。大人的な思考を巡らして、大人的な対応を、なんて言っている、考えている、そんな時間の間に次から次と、ひたすら突っ込まれてくるだけ。

中国人に対する言葉の使い方をまず知らないから、ただただ責められるだけ。中国人をねじ伏せることができる理論を、中国人が納得する言葉を添えて面と向かって堂々と言論闘争すればいいのだ。

一党独裁の国であれ、不安材料は公私にわたって山積されている。政権維持だとか政権奪還だとかでくだらない問題を国会で論じているような時間があるのなら、もっと中国の根底を揺るがすような論点を研究すべきだろう。国籍問題にしてもそうだ。きちんと戸籍謄本を提出させればいいこと。国内において、こんな軟弱な対応をしていれば、誰だって甘く見るだろう。

大連でビジネスを展開する場合も同じで、イエスノーをはっきりと明言しなければいけない。このスタイルこそ、中国スタイルなのだから。相手の言いなりで事を進めることこそ、一番危険な爆弾を抱えることに繋がっていく。

相手の気持ちを重んじることが大事、「日本のおもてなし通じると過信してはいけない。最低でも5年以上滞在し現地中国人と付き合いがなければ本音を引き出すことは難しい。日系企業が失敗する要因の一つと言える。

世界情勢が揺らぐこの時勢には、独断専行は良くないと言うけれども、言うだけでそれに対するものは何もないのであれば、それは意味を持たないだろう。日本人ももっと我を通していいのではないだろうか。そうしたからと言って、中国人から嫌われることは一切ないのだ。

気を遣うほど中国人は遠ざかっていくものだ。

 

中国大連ビジネスリポート
中国大連在住15年目の私が大連市における日系企業の現況、進出企業へのアドバイス、現在から今後起こりうる法務一般、人材育成及び派遣、教育(日本人駐在社員、中国人社員)等について基本的な内容をお届けします。
<<登録はこちら>>

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け