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トランプ新政権の国務長官から見えた、日本が中国に売られる日

徐々に明らかになってきたトランプ政権の閣僚人事。世界情勢に精通した高城剛さんは自身のメルマガ『高城未来研究所「Future Report」』で、新国務長官に選ばれた石油会社エクソン・モービルのCEO「レックス・ティラーソン」氏に注目しているそうです。高城さんは「米国経済界きっての親ロシア派の人物」「ロシアからの推挙があったのでは?」と、米露の急接近を予測。さらに、米国は今後「反グローバリズムの自国優先主義」に舵をきり、日本を含む東アジア諸国の「利権」は、中国に売り飛ばされる可能性がある、と大胆な持論を展開しています。

米国は、日本や東アジアの利権をロシア経由で中国に売り飛ばすのか?

今週は、そろそろ見えてきたドナルド・トランプ新政権の閣僚の顔ぶれから予測される世界情勢につきまして、私見たっぷりにお話しいたします。

端的に言えば、トランプ新政権は反エリート、反ネオコン、反グローバリズムの人たちが選ばれており、エリートなマスメディアは、そのような人選を面白おかしく、「狂犬」だとかなんだとかと掻き立てますが、実際は反軍産複合体&反グローバリズム政権と考えて間違いありません。

なかでも注目は、今週ついに決まった国務長官である、巨大石油会社エクソン・モービルCEOのレックス・ティラーソンです。

ティラーソンは、長年ロシアと近しい関係を築き、米国経済界でも、きっての親ロシア派の人物で、ロシア政府から友好勲章を授与されるほどの人物です。

その上、トランプとティラーソンは親交どころか、最近までロクに面識さえなかったと言われておりますので、ロシア側から推挙があったと見られてもおかしくありません。

どちらにしろ、このティラーソンを国務長官にしたということは、米露の関係が極めて近しくなることを意味し、またエネルギー政策において、米国は中東から手を引くことを暗に指し示しています。

それは、中東の覇権をロシアに委ねる可能性が高く、さらに、その後ろには中国がいるのかもしれません。

日本の北方領土返還問題を見てもわかるように、たとえ二島返還になったとしても、そこが日米安保条約適用外になってしまうと、日本中日米安保適用外になってしまう可能性も否めません。

なぜなら、日米安保条約は「日本全土」という規定があるからで、このロシアの裏にいるのは、中国だと言われています。

同じように、米国が去ることにより、ロシア利権となった中東の後ろには中国がいるかもしれませんし、中国製品に高い関税を課すと話すトランプ政権は、一方で日本を含む東アジアの利権を、ロシア経由で中国に高値で渡す算段をしているかもしれません。これが、国際政治です。

中国は、米国に労働力を戻すかわりに、中東と東アジアの市場を手にいれる。

ロシアは、イスラエルと結託して、イランを封じ込めることを約束し、中東覇権を手にいれ、世界のエネルギーをコントロールする力を得る。

巨大石油企業のトップというビジネスマンを国務長官に指名したということは、採算が悪い地域はクローズし、できれば、居抜きで他社に高額に買ってもらうようなことは常套手段で、いままでのルール、例えば世界情勢の安定などを無視する可能性が高まります。

なにしろ米国は、もう世界の警察であることを降りる、とハッキリ名言しているからです。

米国がロシアと近しくなる可能性は高まるのでしょうが、表面的に仲違いするそぶりを見せる米中関係は、実は水面下で双方納得するディールを結んでいる可能性もあります。

片手で殴り合うポーズをとりながら、もう片手ではガッチリと握手を交わす。これが、世界ビジネスです。

あたらしく国務長官になるレックス・ティラーソンの動きに、注意を払う必要があります。それは、その先に世界の大きな曲がり角が潜んでいるからです。

 

 『高城未来研究所「Future Report」』
著者:高城 剛
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。
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