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電力会社は過去のものに? 電気「自炊」の未来までそう遠くはない

あなたは、8年後の2025年に欧州ではガソリン車やディーゼル車が販売禁止になるという話をご存知でしょうか? メルマガ『高城未来研究所「Future Report」』の著者・高城剛さんは、先日米ラスベガスで行われた世界最大の家電ショー「CES」に多くの自動車メーカーが参入している動向から、「100年続いてきた動力の革命が起きる」と断言。さらに「既得権益が強く残る国はガラパゴス化する」とまで語り、そう遠くない「エネルギーのパラダイムシフト」の時期を予想しています。

電力会社は過去のものになるのか? 次のパラダイムシフトまで、そう遠くはない

さて、多くのご質問をいただいております世界最大の家電ショーCESの今年の傾向は、いまや「家電」の枠組みを大きく超えて、電気自動車から巨大ソーラーシステムまで、「電気関係全般」を取り扱う他にはない展示会へと生まれ変わったように見えます。個人と企業の持つ力が狭まった昨今、「コンシューマー」の意味合いも、年々幅広くなってきた背景もあります。

なかでも自動車メーカーの進出は凄まじく、かつてCESといえば、ソニーやパナソニックなど、いわゆる家電メーカーが注目を集めていましたが、今年はトヨタやBMW、そしてフェデラーなどの数年前までは聞いたこともない新興自動車メーカーが話題になりました。

というのも、欧州では8年後から、ガソリン車やディーゼル車の販売が全面的に禁止になるからです。

日本は国内に自動車メーカーが多く、最大の広告費を握っているためか、あまり電気自動車動向が大きなニュースにならない現状がありまして、しかし、100年続いてきた動力の革命が、もう目前に迫っており、当然自動車メーカーならずとも世界はあたらしいエネルギーへの変換を即されることになります。それが電気であり、その展示会がCESなのです。

また、僕は以前からお話ししていますように、動力が変わるだけでなく、自ら作る時代へと変わると考えています。

インターネットの変遷をみればわかるように、ダウンロードだけでなく、エネルギーを個人で製作し、アップロードまでする時代へと変わるのです。

現在は、自然代替エネルギーへのシフトが世界中で進んでいますが(一部、既得権の強い国は除く)、その先にあるのは、電気の「自炊」です。

まるで家庭菜園を営むように郊外に太陽パネルを設置する人も増えるでしょうし、共同住宅では、共有エネルギーシステムの設置も進むでしょう。

小型高性能のパネルも登場することから、街中で日常的にエネルギーを作る人も増えると考えます。

ただし、その前に時代の変化に伴う軋轢が生じるのは歴史の教えです。

大規模な家庭用蓄電システムが年々安価になり、緊急時のためだったバッテリーが各家庭に常設されるようになって、ガソリンどころか、電力会社も過去のものとなるまで、どれくらいかかるのでしょうか?

少なくとも、自炊&買電がハーフ&ハーフになるのは、欧州などを見ると2020年代後半に思え、もうあと十年で様変わりすることになるのです。

スマートフォンが登場して10年。

気がつくと、世の中様変わりしたように、動力革命もあっという間に社会を変え、ただし、一部の国はガラパゴス化する可能性も否めません。

さて、冬の福岡といえば鍋ですが、気がつくと電気で煮込む店も増えてきました。

もはやガスは、存在自体が情緒的な感じもしますが、暖炉からストーブ、そしてエアコンに変わったように、生活環境全般を取り巻くエネルギーシフトがはじまります。

次のパラダイムシフトは、そう遠くないのかもしれません。

image by: Shutterstock

 

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高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けするメルマガ「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

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【著者】 高城剛 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 毎週 金曜日(年末年始を除く)予定

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