昨今、「ノー残業デー」なるものが話題となり導入する企業も増えてきているとは言うものの、未だに「残業をやめられるわけがない」と考えているサラリーマンが多いのも事実ですよね。しかし、無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者・弘中勝さんは「そのような人は家畜以下」とバッサリ。さらに、「残業をなくすために一人ひとりがすべきこと」を記しています。
残業をやめられない人
「残業なんて長くやっても意味ないから、さっさと帰ればいいのに」という話をすると、残業体質が身についたサラリーマンは決まって、「でも、会社から早く帰って、仕事を家に持ち帰っても、家ではなかなか集中できないんですよ」などと言います。
いや、なんで持ち帰ること前提なの?
つまり、残業体質が身についている人は、残業というのは、就業時間外も帰らず会社にいることと思っていて、家に仕事を持ち帰るのは残業ではない、と考えているのです。この意識が、いつまでもその人のレベルを低いままに留めている原因であり、残業問題がいまだに解決しない理由です。
残業とは、その文字の通り、「業務を残す」という意味です。だから、残業を削減する、廃止するという問題は、ただ単純に帰るとか帰れないとかいう話ではなく、「業務を残すか、残さないか」です。
就業時間が18時半までなのだとしたら、18時半に仕事が残らなかったら成功、残ってしまったら失敗であり即改善です。「でも、18時半で仕事は終わらないんです!」と口角泡を飛ばして反論する人は、そこで思考が終わっているから、解決しません。
解決させようと思ったら、2通りしかありません。仕事の圧縮か、仕事の削減です。
9時間の業務が終わらず残ってしまうとしたら、今9時間かかっている仕事を9時間未満にできるように圧縮するか、今はどうしても9時間以上かかってしまうのを9時間分に切ってしまうかのどちらかです。そして、その方法を自分で考えるか、もしくは会社側に提言していくかしかありません。
そのどちらもやらないで、「自分が残業すればいいだけの話」と考えているから、いつまでも解決しないし、会社側も「本人たちもそれでいいと思ってるんだな」と勘違いをするのです。
18時半が仕事終わりであれば18時半でとにかく仕事を終わらせるために何が何でもその方法を考える、というデッドラインがない限り、絶対に改善は無理です。残業の余地があれば誰だって、その余地を前提に仕事を長引かせます。
現に、「いつも残業ばかりで」などと忙しさをアピールする人に、2時間早く出社をさせてみるといいでしょう。いつもより2時間早く会社に来たのに、結局はいつもの残業の帰る時間と同じぐらいの時間まで仕事をしています。つまり、その人は仕事が多いのではなくて、仕事の要領が悪くて、目一杯残業の余地も使う人、というだけです。
1時間早く来たら少なくとも1時間早く帰れる、という仕事になっていない人は、今のまま何をやってもダメです。いくらお金を与えても与えた分だけパチンコに注ぎ込んでしまいいつも「お金がない」と言っている人と同じレベルです。
いくら会社が早く帰ることを推奨しようがノー残業デーなどを作ろうが、使える時間だけいっぱいに仕事を薄めていつも「時間がない」と言っているだけなのです。
しかも、そういう低レベルなサラリーマンが「残業して頑張っているから」などと評価されて出世した時には、もう地獄です。「上が残業を頑張るから、下も残業を頑張れ」というような雰囲気を社内に作り出し、「昔はもっと残業してた」などと自慢をします。悪循環この上ない話です。
それでも仕事が終わらない、というのであれば、現在の仕事が全部で100あるのだとしたら、「これを70にして下さい。そうすれば18時半に終わります!」ということを、会社に提言すればいいだけです。
「会社が100やれっていうので、仕方なくいつも残業するしかないんです」などと言っているのは、何も考えない家畜と同じです。いや、家畜だってオーバーワークなら座り込んで意地でも仕事をしません。
結局は、何も考えずに何か考えてるっぽく仕事っぽいことをやってるっぽくしているだけでまともに仕事をしていないのです。
さっさと帰りましょう。さっさと帰るのが、当たり前なのです。当たり前のことさえできないのは、仕事ができないのと同じことです。さっさと帰るというその当たり前のことを実現するためにはどうするべきなのか、それを徹底的に考えましょう。
できないんだもん、じゃない。やるんです。それがこれからの働き方です。
【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)
- 自社にとって「残業」とは何か。ノートにまとめる。
- 今の「残業」を4分の1に減らすとしたら、どのような改善が必要か。来月からでもできる改善案をノートにまとめる。
- 社内で発表する。
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