高齢ドライバーによる事故報道の過熱ぶりに疑問を持った、メルマガ『ジャンクハンター吉田の疑問だらけの道路交通法』の著者で交通ジャーナリストでもある吉田武さんが、現役の警察官僚からその裏側を徹底的に聞きだす人気シリーズ。第1回の「警察官僚が暴露。高齢ドライバーの事故報道が突然激増した裏事情」、第2回の「高齢者の運転事故、実は減っている。事故多発に見せたい政府の思惑」の両記事ともに信じ難い情報のリークがありました。第3弾の今回は、高齢者が事故を起こすそもそもの原因、そして加害者となった高齢ドライバーの呆れた言い分が暴露されています。
高齢ドライバーはこうして事故を起こす
吉田「アクセルとブレーキを間違える、前進と後進のギアを間違えるのも高齢ドライバー特有のミスじゃないですか? あれって具体的にどのような状況下で発生しているんですか?」
匿名X氏「具体的に説明しますと、まずアクセルとブレーキの踏み間違えに関してですが、恐らくお察しだと思いますが、右足をアクセルペダル、左足をブレーキペダルの上に置いたまま運転している高齢ドライバーが実際多くいるんですね。つまり両足を使ってペダルを踏む方が合理的と考える高齢ドライバーが存在しているということです」
吉田「高齢ドライバーはF1ドライバーのつもりなんですか(笑)」
匿名X氏「恐らくF1ドライバーが両足使っていることも知らないと思いますが、両足をペダルに置いて運転するということは、ドライバー本人も自身の反射神経が衰えている部分を自覚していると思うんですね。そうでなかったらそんな器用な運転できませんよ(苦笑)」
吉田「オートマチック車限定免許の弊害な気もしますがどうなんでしょうか?」
匿名X氏「1991年に創設された当時のクルマ事情では、マニュアル車はスポーツカーやトラック、タクシーなどで活用されていましたが、オートマチック車を自動車メーカーがスタンダードな形で販売していく方法を取り、政府もそこに呼応した状態で普通自動車免許を2種類にして分けることになりました。それによってクラッチ操作を苦手とするドライバーがオートマチック限定免許へドンドン移行するようになり、免許取得が容易になったのも事実です。それが弊害になったのかどうかは分かりませんが、マニュアル車を運転できなくなったドライバーは確実に運転技能自体が未熟になったのも事実だったりします。坂道発進など少々コツのいる運転技術をクラッチ操作で経験できないのは大いにマイナスな気がするんですね。あくまでも個人的な見解ですが」
吉田「オートマチック車は今では当たり前になってますし、クラッチ操作なんて過去の遺物になってもいるってわけですかぁ。ですが、昔から運転している高齢ドライバーはオートマチック限定免許ではないはずですので、考えてみればその弊害には当たらないような気もしてきました」
匿名X氏「そうですね。弊害までには行かないと思いますが、高齢ドライバーにクラッチ操作のマニュアル車を運転させるほうが危険かもしれません。むしろ急発進率が高いですからね」
吉田「実際事故が発生して、加害者の高齢ドライバーの方は正直にアクセルとブレーキの踏み間違えで起こったとか言うもんなんですか?」
匿名X氏「えー、これが難しい部分なんですが、高齢者の方は恥ずかしいのか中々正直におっしゃってくれないんですよね。現場検証してもあきらかにブレーキ痕がないのでアクセルと間違えているのがほぼ分かるんですけども、本人たちは勝手に急発進したとか、ブレーキが効かなかったとかクルマのせいにしたがるんです。最終的に運転ミスですよねと追及しまくって間違えを認めるケースも多かったりします」
吉田「めんどくさい高齢ドライバーもいるんですねぇ」
匿名X氏「まぁ、保険会社との問題もあるでしょうし、自分のミスで自爆したとは言いたくないのかもしれません。面倒なのは理解したうえで、運転ミスではありませんかと追及していきます」
吉田「ギアに関してですがドライブな前進、バックな後進の入れ間違えで発生する事故がここ最近増えてきているそうですが、これってもしかしてあのクルマ……が原因なんですか?」
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