「勝負は時の運」「運も実力のうち」などという言葉がありますが、そもそも「運」とはどういうものなのでしょうか。今回の無料メルマガ『音多秀茂の【富と成功の5つのタネ】』では、野球にまつわる2冊の書籍を紹介しつつ、「データと運の関係」についてが解説されています。
ビッグデータと人が持つ運のセンス
さて今回は最近立て続け読んだ2冊が運の要素を理解するのにとても良くリンクしていたのでお伝えします。まずは紹介から。
●『ビッグデータ・ベースボール』
トラヴィス・ソーチック 著/KADOKAWA
●『ダメなときほど運はたまる』
萩本欽一 著/廣済堂出版
「運」というと不確実性が高く、あまり可視化出来ないものと思うかもしれませんが、2010年以降に流行的なワードとなっている「ビッグデータ」や「量子論」という観点から見るとリアルに存在するものとして認識できるようになります。
ビッグデータとは大なり小なり集めた膨大なデータ同士を比較検証することで、人の動きや思考の傾向が見えてくるもの。例えば集めたデータから人が「こう言えばこう動く」という結果がわかればそれは「ついてる人とついていない人」の言動パターンがわかってしまうということに繋がります。
で、そんなデータと運の関係を繋げるのに役立つのが冒頭の2冊。この2冊はどちらも「野球」というテーマで繋がっているんですが、それぞれビッグデータと運を使って、うまく結果を出す方法が書かれています。
前者はアメリカ大リーグの「ピッツバーグパイレーツ」というチームの物語。このチームは万年弱小チームだったんですが、革命的な監督が採用したビッグデータの力で奇跡的な大躍進を遂げていきます。
例えば投手に何イニング投げさせたら肘が壊れるか、守備ではボールがどの条件下でどの場所へ飛ぶか、という事をデータから割り出しローテーションや人の配置を決めます。さらには通常は気付かない部分にデータを使った仕組みを使い、失点を減らし加点していきます。するとシーズンを通して確実に勝ち星が増え、さらには少ない戦力ながらビッグチームをも倒して行く、という実話に基づいたストーリーです。
一方後者はあの欽ちゃん(萩本欽一氏)率いる茨城ゴールデンゴールスの話。こちらは上記パイレーツが使っているような戦略を、データではなく欽ちゃん独自の「運の感覚」を使って行います。
例えば絶好調な打者がいて、その人が練習中から好調過ぎたらあえて本番前に休ませる。すると本番では貯めた力(運)があるから打つ。あるメンバーに彼女が出来たら、その人は彼女を作ることに運を使ったからきっと打てないだろうと欽ちゃんは思う(笑)。だからその打者が打席に入る前に「恋人を押しのける仕草」をアドバイスすることでいつも通りの力を発揮させる。などなど、欽ちゃん感覚でクラブを強くして行く話が詰まっています。
で、この2冊を読むとビッグデータと人が本来持つ運の感覚をなんとなく対比できて面白いんですよ。運は雲をつかむような物と思いがちですが、段々そうではない気がしてきます。それは確かにコントロールできるものです。
恐らく誰もが自分なりに「運ってこういうものだよね」という感覚があると思うのですが、その感覚を活字を読むことでハッキリと浮き上がらせることができるんですね。
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