小耳に挟んだ噂話を、面白半分で別の人に話してしまった―。誰しも一度や二度、そんな経験がありますよね。このような「風説の流布」について、無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』の著者・須田將昭さんは、矢野顕子さんのヒット曲『春咲小紅』のデマを例にわかりやすく解説するとともに、「風説はなかなか消えないものであり、かつ人を深く傷つける可能性もあるため、軽々しく広めることは禁物」と警告しています。
風説は簡単には消えない
このところ、季節柄でしょうか、矢野顕子の『春咲小紅』が数日おきにラジオから流れくるのを聞きました。この歌は1981年、化粧品のCMで使われてヒットしました。つい先月のことだと思いますが、KISS FM KOBEのとある番組で
この曲は,「小紅」のところが「神戸に~」って聞こえるでしょ? 実は「神戸に、見に見にきてね」というのもかけてあるんですよ。
と紹介されました。初めて聞いた時には、「うわー、今まで知らんかった!」と大変驚きました。神戸のラジオならではの情報だなあとまで思いました。
ところが…、あらためて調べてみると、どうやらこれは当時流れた「デマ」の一つで、公式には否定されているという情報を複数見つけました。「当時、そのような風説が流れたことがある」という記述もありました。
つまり『春咲小紅』の歌と「神戸」は、何も関係がないということなのですが、その風説が公式に否定されていても、何かの拍子に広まりかねないということを感じました。ラジオを聞いた人の中には、私のように「初めて知った」という方が「知ってる? 知ってる?」と広めることは容易に想像できます。
風説が流れて、それを公式に否定しても、否定されたということが広がらないと風説の方だけがいつまでも残る。
今回取り上げた話は他愛もないことではありますが、これが深刻な内容を伴うものだと、迷惑する方、被害を受ける方,苦しむ方も出てきます。いつまでもその風説に苦しむことになるのです。
すべての情報に裏をとることは難しいことですが、少し敏感になって、広める前に今一度確認をしてみる、というのは大事なことですね。
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