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なぜ東京・町田の小さな電気店は安売りせずとも20年以上黒字なのか

価格や品揃えではなかなか大型店に太刀打ちできない小売店。「時代の流れで仕方ない」などと諦めてしまったら、そこで終わりです。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では、著者で現役コンサルタントの梅本泰則さんが、今注目の電気店「でんかのヤマグチ」が続けている、お客様に愛されるための努力を紹介しつつ、地域に愛される店づくりについて考察しています。

「でんかのヤマグチ」から学ぶ

あるスポーツショップの経営者は、勉強熱心な方です。経営セミナーによく顔を出します。普段から、ビジネス書もたくさん読んでいます。ですから、ビジネス理論やノウハウの知識は豊富です。ところが、残念ながら、そのお店の業績はそれほど伸びてはいません。どうしてなのでしょう。そのお店のことをよく知っている人に、事情を聞いてみました。

どうも、その経営者は、セミナーやビジネス書から学んだことをお店の経営に活かしていない、というのです。もしかしたら、知識や情報を得るだけで満足しているのかもしれません。そういえば、私に「セミナーに参加するのが趣味だ」と言っておられたのを思い出しました。やはり、学んだことは実行に移してこそ、ですね。

そして、先日、別の経営者のことを聞きました。業界は違いますが、小売店の店主です。私の知人が、その店主に「でんかのヤマグチ」の商売について詳しく説明しました。そこからヒントをつかむようにアドバイスをしたそうです。ところが、その店主は、「私には関係ないことだ」と言って無視をされたとのこと。残念ですね。

ところで、あなたも「でんかのヤマグチ」さんのことは、よくご存じでしょう。このお店のノウハウはどんな業種の小売店にも応用できます。そこで、「でんかのヤマグチ」さんが行っている方法を、少し紹介してみます。きっと活用できることがありますので、参考にしてください。

経営者の決断

「でんかのヤマグチ」さんは、東京都町田市にある大きくはない電気店です。創業は1965年なので、50年以上の歴史があります。従業員は40人で、年商は11億円ほど。粗利は39%、20年以上連続で黒字だとのこと。すごいですね。

データによれば、平成26年の従業員4人以下の電気店の数は、約2万1,600店。7年間で3割減っています(商業統計より)。家電量販店の影響でしょう。そんな中で、「でんかのヤマグチ」さんの業績は、目を見張るものがあります。

かつて、このお店も、周りを6店の家電量販店に囲まれ大打撃をうけたそうです。その時、「でんかのヤマグチ」の山口社長は、量販店と戦うために「安売りをやめて高売りをする」という発想に変えました。しかし、それだけでは業績は良くなりません。このお店は、徹底的に地域に密着して、お客に愛され繰り返し買っていただくための戦法をとりました。その結果、今や押しも押されぬ、小売店のモデルとなったのです。

では、具体的には、どんな戦法をとったのでしょうか。

でんかのヤマグチさんの戦法

実は、その戦法を数え上げたら、紙面が足りません。そこで、少しだけピックアップしてみます。

いかがでしょうか。ひとつづつ詳しく説明するのは大変ですので、このお店のことが書かれた本を読んでみてください。簡単に言えば、このお店の戦法のポイントは、「面倒なことをやり続ける、ということです。

例えば、礼状のはがきです。1万円以上お買い上げのお客様全員に出し続けておられます。もちろん、礼状の効果は、誰もがわかっていることです。しかし、一度や二度はできても、毎日続けているお店はそんなにはありません。

そして、お客様にDMを出すには、顧客台帳が必要です。その顧客台帳を整備し続けるのは根気が要ります。だから「でんかのヤマグチ」さんは、量販店をものともしないのです。これが小規模店の生きる道だと、信じます。

ぜひ、「でんかのヤマグチ」さんに学び、実行をしていきましょう。

■今日のツボ■

image by: でんかのヤマグチHP

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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