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「よそはよそ、うちはうち」はOK。親のシツケが「洗脳」でも許される訳

親の責任として、子供にしっかり施さなければならないのが躾。とは言えその基準の置き方や手法はいつの時代も難しいもので、書店にはたくさんの関連書籍が並んでいます。そんな中、無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』の著者・真井花さんは、炎上覚悟で「子への躾は洗脳である」と断言、その理由と躾の際に基準となる考え方を紹介してくださっています。

親のツトメ

さて、本日は炎上覚悟(?)のお話。

子供のころ、近所にリカちゃん人形をたくさん持っている友達がいました。リカちゃんだけでなく、ママとかパパとかリカちゃんハウスとかも持っていて、子供心に実に「羨ましい・・・( ̄p ̄)」だったんですよ。で、親にねだってみるわけですが決め台詞で返り討ちに遭っていました。曰く「ヨソはヨソウチはウチ」。

もう、ピシャ~! ってシャッターが閉まっちゃう感じがしませんか。それを言われちゃおしめえよってことで子供ながら諦めたんです。友達の家に入り浸って、しょっちゅうリカちゃんで遊ばせてもらったことは言うまでもありません( ̄∇ ̄)

後から聞いたところによると、我が親にとっての望ましいおもちゃとは「シンプルで昔からあって子供自身が工夫して遊べるものという定義だったそうです。積み木とかお絵描きとか楽器とか人形とかボールとかですね。で、リカちゃんはこの定義からハズレていたと考えていたそうです。言われてみれば、リカちゃん本体はヒトツだけ買ってもらえました。リカちゃんといえど、人形はこの定義に当てはまっていたからでしょう。しかし、リカちゃんハウスなどは当てはまらないと。むむう。

大人になった今になって、親の振る舞いにはいろいろ考えさせられます。そもそもその定義は親がかってに決めて私に押しつけたものです。ですが、親はそんな押しつけがましさに微塵もたじろいでいませんでした。

もともと、教育や躾とは、本質的には上位者が下位者に「一定の価値観を押しつける」ことです。この場合、「親が子に」押しつけるのです。いやいや、反論される方もいるかもしれませんがこれが真実です。言葉を良く言えば「教育」ですが、ワルく言えば「洗脳」です。いやいや、そうですから( ̄∇ ̄)。

で、親たる者、この押しつけるってのにビビッちゃダメです。教育や躾に内在する、洗脳の側面や押しつけがましさが、個性偏重主義の中ではほとんど暴力的(◆3☆)だと受け止められます。このため、優しい人ほど価値観を押しつけることにビビる結果になるんですね。

ですが、人は善悪の軸を持って初めて、その軸に照らしてものごとを判断するのです。初めから、すなわち人生の早い段階から、自分と他者の違いを考慮し、ある時は毅然とある時は程良く判断するだなんてことは絶対できない(×へ×)のです。なんらかの基準をインストールして初めて、その基準に照らしてものごとを判断するだけです。それが良かったかどうかは正直にいえば、インストールされてちゃんとワークしたあとの話なんです。

なので、強制的にインストールすることは、親や周囲の大人のツトメなのだと受け入れましょう。誰かが引き受けなくちゃならないんですよ、その暴力ぶりはね。

私の親が「子供にふさわしいおもちゃ」を「シンプルで昔からあって子供が工夫して遊べるもの」と勝手に定義しそれに沿ったおもちゃしか与えてくれなかったように。

これに私の意志や好みは全く反映されておらず、完全に押しつけでしたが、親たちはビクともせずに押しつけてきましたね( ̄∇ ̄)。親は教育の持つ暴力的な面をちゃんと引き受けてくれていたのです。

ここまで、つまり押しつけるのは仕方ないとして、むしろ大問題なのは「一定の価値観」というところだと思います。価値観自体が狂っていたり反社会的だったり非社会的だったりすると、子供の未来は間違いなく暗いモノになってしまうでしょう。そりゃそーよね。

…まあ、極端な例を挙げましたけど。なので、いうまでもなく「一定の価値観」とは「より良い価値観であるべきなのです。

では、何が「より良い価値観」なんでしょうか。これこそが教育や躾の核心!! なんだと思います。これを求めて教育論の本を読んだりしてみました。もちろんいろいろなことが書いてあるんですが、「良さ」の内容が

などの影響は逃れられません。こう書くと、「な~んだ結局、古くさいハナシ!?」と言われるかもしれませんね。

子供の養育は、もともと「その社会で健全な成人構成員になることを究極の目的としていると言えます。そうだとすると、その社会が要求する常識や道徳を身に付けておくことは不可欠となるのです。この点で、教育方針だけでなく私たち大人の社会常識や振る舞いも社会からの影響や圧力を多大に受けるのは同じなのです。

でね(◆_◆)この社会的な常識や道徳は、教育される前の子供には全く備わっていないのですよ。考えてみりゃ当たり前ですよね。だって、当該社会が要求する常識や道徳が要求水準に達していないため、教育中である存在が「子供」の定義なんですから。つまり、子供に意見を聞く必要はナイ(××)んです。知らないんだから、自分の欲望と感情に従ってテキトーなことを言うだけです。「リカちゃんはみんなが持ってる」とか「絶対絶対欲しい」とか。いや、かつて言ってみたんですがソッコー却下でしたから( ̄∇ ̄)

そして、子供に意見を聞く必要がない以上、拠り所となるのは「親自身の社会常識や道徳観」なのです。これがグラついていると、子供に阿(おもね)る…キゲンを取ってヘンに下手にでることになるんです。

教育とは本質的に洗脳です。価値観を押しつけること、そのものです。大人なら、コレにビビらず、堂々と良き価値観を押しつけてくださいね。

image by: Shutterstock.com

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食べるのは大好きだけど、作るのは超苦手。棚拭きとアイロンがけが何より嫌い。そんな家事オンチだった私がソレナリに家事をこなせるようになったワケ。家事全体を見渡して、最小の手間で最大のリターンを得る、具体的なシステムをお知らせするメールマガジンです。

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【著者】 真井花(まないはな) 【発行周期】 週3回(月水金)刊

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