外国への修学旅行先、1位は台湾。若者に引き継がれる日台の絆

 

台湾で刺し身を常食するようになったのも日本統治時代以後ですが、その際に必要なのがワサビです。台湾でワサビの栽培が始まったのは日本統治時代からです。阿里山の気候を利用して、宮城県から持ち込まれたワサビから栽培が始まりました。

栽培の担い手となったのは原住民です。戦中、戦後を通してずっと続けられてきた阿里山ワサビの栽培ですが、もともと国有林である場所での栽培であるということと、山林の荒廃を招くという理由で、近年は栽培を禁止され、原住民は退去を迫られている状況です。

台湾産ワサビ存続ピンチ 林野当局、「治山」で先住民栽培地に退去要求

紹興酒といえば中国ですが、台湾産の紹興酒も人気です。台湾屈指の紹興酒の名産地は南投県にある埔里という町です。日本統治時代、埔里の水がおいしいことに目をつけた民間酒造業者が1917年、ここに酒造工場を建設したのです。そして日本時代は、天皇陛下御用達の日本酒を製造したり、国宴で使用された介寿紹興酒」などを製造していました。

戦後も、紹興酒工場として生き残り、今では観光客向けの見学コースや紹興酒アイスなどを販売する売店が揃う観光地として有名です。

臺灣菸酒股有限公司

台湾を修学旅行で訪れる高校生も、グルメという分かりやすい視点で日台関係を知っていけば、その興味は戦前戦中戦後の日台間に起こった数々のドラマにも必然的に広がっていき、日台の絆はもとより、戦争という言葉が抱える重さやそれにまつわる様々な事象にまで目を向けることができるでしょう。

若者たちにそうしたことを知ってもらうことは、戦後を生き抜いてきた我々の使命でもあります。

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