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なぜ日清のラーメン記念館は、客に唯一無二のマイ・カップ麺を作らせるのか?

近年、工場見学など企業の「裏側」が見られるサービスやイベントが人気を集めています。このような試み、個人経営の店舗でも実現可能なのでしょうか。無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんが、実例とともにその実践方法をレクチャーしてくださっています。

お金をかけなくても出来ること

商品開発やサービス誕生に至るまでの紆余曲折や試行錯誤、あるいは、会社やお店を作っていく上で纏わる苦労話。こういったある種、その会社やお店、商品やサービスまたは、人そのものの歴史。表には見えない裏側というものを見せていく。

裏側の情報を発信(形はどんなものでも良い)それを受け取った人達の何割かの人というのは、応援してくださる人になってきます。いわゆるファン層になるかと思います。

このようなPR活動をwebサイトやブログ、SNSなどの媒体を活用して行っている方は結構いらっしゃるのではないか? と思います。ですが、それとは別に…、そういった裏側をお客さんが実際に体験・体感できる、というサービスやイベントを実施されているお店や会社というのはまだまだ少ないのではないでしょうか?

ご存知の方も多いと思いますが、大阪池田市にある日清食品のインスタントラーメン発明記念館では、カップヌードルの乾麺をカップに入れる工程、台形となって1塊になっている乾麺をカップに効率よく入れる為に様々な試行錯誤があった話から、実際にその方法を見つけ、採用している…というようなことを学び、お客さんが実際にそれを体験できます(訪れた人には共感してもらえると思いますが、これがなかなか面白い。こうやってカップの中に麺が入るのか! という発見があります)。

その後、スープの味を4つの中(しょうゆ・塩・シーフード・カレー)から1つ選び、カップに入った麺の上に、スープの粉を入れ、さらに好みの具材を4つ選んで入れ、高熱150度のプレス機で、容器にアルミのフタをします。そして、最後の仕上げに、パッケージに思い思いの絵を描いてオリジナルカップヌードルが出来上がるのです。非常に単純な工程なのですが、子供から大人までみんな夢中で、世界に1つのマイカップヌードルを作ります。

このような体験は、理屈抜きで楽しいもので、印象に深く残ります。そして、恐らくではありますが、スーパーでカップヌードルを見る度に、あるいは、カップヌードルのCMを見る度にしばらくはその体験を思い出すはずです。

つまり、モノを作る体験、実際に経験した体感というのは、あれこれ理屈でなく、感情として印象に根強く残っていくことになるのです。

そのような体験や体感というのをお客さんに楽しんでもらう

そんな発想を持って、普段お客さんには見せていない部分をあえて見せて実際に体験してもらえるようなちょっとした企画を立て、実行するのも面白いんじゃないでしょうか。

例えば…、お鮨屋さんなら、カウンターに立ってもらって実際に寿司を握ってもらう、とかラーメン屋さんやうどん屋さんなら、麺打ちを実際に体験してもらう、とか建築屋さんなら、実際に親子で一緒に現場でカンナ削りを体験してもらう、とかちょっと考えれば、いくらでも楽しんでもらえるイベントができるはずです。

お客さんも普段なかなか触れることがなかったり、知る事がなかったりするでしょうから、そういった機会を用意するときっと楽しんでくれると思いますよ。

商品やサービスの裏側を体験・体感してもらう、今年の夏休みイベントとして、ぜひ、あなたの会社やお店でも考えてみてはいかがでしょう?

■今日のまとめ

『裏側をお客さんに体験・体感してもらう。』

 

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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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