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なぜ日本の客は店に不満でも無言で去り、二度と来ないのか?

料理が出てくるのが遅い、メニューの種類が少ない、いつも従業員が奥にいて注文がしにくい等々、味にこそ大きな不満はないものの「もう二度と利用したくない店」というのは意外と多いものですよね。無料メルマガ『飲食店経営塾』では著者で若手飲食店コンサルタントとして活躍中の中西敏弘さんが、プロの目線で「リピートされない店の共通点」について記しています。

現状維持は、「退化」!

「最近、金曜のフリー客単価が低下気味だから、提供時間が遅くなっている可能性あるんじゃない?」

店長「それは大丈夫だと思います」

「なんで?」

店長「お客様から『催促』されることが最近はないので…」

こんな会話をご支援先ではよく行っています。毎月の数字を細かく分析し、現状店舗でオペレーション上、何か問題がないか、お客様に満足頂いているかを、様々な視点から、ご支援先のみんなと分析を行っています。

そんな中で、よく上記のような会話があるのですが、飲食店にとって「提供時間売上や顧客満足に大きく関わってきます。なのに、上記のように「お客様から催促されないので…」と店長が口にするようでは、その店の現状の顧客満足度は決して高くないでしょうし、今後の売上低下も懸念されます。

そもそも「お客様から催促される」ということは、めちゃめちゃ提供時間が遅いということ。「気が長~い」僕でも、居酒屋でひとつの商品が40~50分近く提供されないと、お店の人に「催促」します。20~30分ぐらいだったら、「催促」はしませんが、「まだかな」「遅いな」と気にはなっています。

でも、お店が忙しそうだから、「気を遣ってお店の人に声をかけないだけ。なので、心のどこかで「こんなに遅いなら、次行こうかなあ~」とか、「もうこの店は、次は使わないかなあ」と思っています。このお客様心理を飲食店のスタッフは理解しなければいけません

よく昔から言われることですが、「わざわざ」お客様がお店に対してクレームなどを言うのは、その店に期待しているからだと。よく店を使っているし、店を気に入っているから、店をどうにか改善して欲しいという思いがあるからこそ、クレームや苦言を言ってくださる。だからこそ、「お客様の声には耳を傾けましょう」と。

でも、多くのお客様は、店に対して「不満」があっても口に出すことはマレで、何か「不満」があれば、「その店を利用しなければいいだけ」としか思っていません。なぜなら、わざわざそんなお店(不満があるお店)に行かなくても、「他の店」に行けばいいだけだからです。

お客様が無意識に「不満」に思う、

などなど、「直接お客様から言われないことをどれだけお店の人が汲み取れるかが、売上が向上するかどうかのキーポイントになるのです。

「何も言われないからいい」

「お客様は、美味しいと言っているからいい」

「頼んでくれてるからいい」

と現状に満足するのではなく、本当にお客様が満足するようなオペレーションができているのか、お客様が喜ぶ(「そうそう、こういう料理食べたかったんだ」「さすが、●●は、楽しい料理出してくれるね」など)ようなことを、考え、行動するからこそ、店は存続・発展できるのです。

あなたは、現状に満足していませんか? 現状維持は退化です!

image by: Shutterstock.com

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若手飲食店コンサルタントとして、人気急上昇中の飲食店経営コンサルタント、中西敏弘が「売れる」飲食店作りの秘訣を論理的に、そして分かりやすく解説します。

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【著者】 中西敏弘 【発行周期】 毎週2回

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