公園の「禁止事項」はもうやめよう。武田教授が指摘する日本人の病

 

都市公園法により今後どのように公園が変わっていくのか

この仕事で著者が新しく発見したことは、第一に「動物園とは子供連れがくるだけではなく、恋人、家族連れ、級友のグループなど多様だ」ということがわかり、ターゲットを変えました。また植物園を楽しくすることも難しく、結婚式場ができました。豊かで綺麗なお花の中での結婚式ですから、とても素晴らしいのです。

もう一つ、新しい発見がありました。それは、現代の人は、口では「自然が良いと言っているが、実は自然らしいところ、動物の臭い、時にはケガをする場所などの「自然は嫌いだということです。つまり、頭で考えている「自然」と現実の自然との間の差が大きいのです。おそらくは、雑誌やテレビで見るような、加工され特殊な才能をもつ人が撮った写真などに惑わされてありもしない自然にあこがれているのです。

植物園に人が来ない理由は、第一に「人が来なくても良い植物園が思っていること(これまでの公園と同じ)、第二に「自然がよいというから自然の草木をそろえる」ということでした。多くの人は、特殊な塗料を吸わせて作る青や黄色のバラを好み、季節に関係なく繁る樹木が好きなのです。商売ならそういうものをそろえるのですが、公共の仕事はそんなことを無視するのです。

でも、自然を見せながら楽しい植物園というのはできるので、それは植物園を経営する人がその気にならないとダメという精神的なものでもありました。

image by: Shutterstock

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中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。

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