実力は同程度でも、信頼されている上司、されていない上司…どこにその差があるのでしょうか。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者の坂本りゅういちさんが、数々の店舗を見て回り確信を得た「信頼される上司」の条件を紹介しています。
信頼されている上司
いろんなお店を見て回ってきて、たまに、信頼されている上司に出会うことがあります。スタッフからの信頼が厚く、多少厳しいことを言っていたとしても、周囲の人たちがついてきているような人たちです。
そうなっている理由にはいろんなものがあるのですが、ひとつ、これは大事だよなぁと思うことがあります。悩みへの寄り添い方が上手なのです。
実際、スタッフと上司(店長など)が話している様子を見ることはまずできません。しかし、仕事上、スタッフの人からどういう風に上司と接しているか、話を聞きます。その際に出てくるのが、先ほどの悩みへの寄り添い方なんですね。
「私、今の店長でよかったです!」と言ってくれているスタッフの方々の話を聞くと、こんな話が挙がってきます。
- 普段から会話をしてくれるから、悩みがあっても相談しやすい
- 飲みに行ったりはしないけど、必ず元気がないときに声をかけてくれる
- 仕事で困っているときに、じっくり時間をとってできるようになるのを手伝ってくれる
- 叱られることも多いけど、その後には一緒に解決策を探してくれる
こんな声が少なくないのです。スタッフを気にかけているのが伝わってきますよね。
そして、悩みへの寄り添い方に共通しているのが、一緒になって解決しようとしてくれることです。「こうしなさい」「ああしなさい」ではなくて、お互いに話をしてから、どうすればいいのか、一緒になって考えてくれる。
さらに、解決するまで面倒を見てくれています。実は、これがすごく難しいことなんです。なぜなら、上司はすでに答えを知っています。過去に自分が経験してきた道で悩んでいることが少なくなかったり、他のスタッフなどが同じ悩みを持っていたりすることもあります。
今までの経験上、すでに一言で解決できるような答えを持っていたりするのは珍しくないのです。だから、簡単に一言で解決しようとしてしまいがちです。それが影響してしまって、「それならこうして」「悩むことじゃないから、言われた通りにして」なんて言ってしまうと、スタッフはかなり辛くなります。
自分の悩みを聞いてくれない、と感じてしまえば、もはや信頼どころの話ではなくなりますよね。信頼される上司は、(わかっているのかどうなのかは不明ですが)その辺をうまくやっています。すでに答えを持っていることでも、一緒に寄り添いながら解決に導く。悩んでいることも理解して、きちんと話を聞いてあげる。そうして、自然と信頼を受けています。
トップ販売員にもありがちですが、答えを持っているからと言って、それを提示して終了になってしまうと、下のスタッフはついてこれません。それは、経験や実力が同じレベルにないと、理解が追いつかなかったり、技術が不足してしまったりしてしまうからです。
このことを理解した悩みへの寄り添い方が求められるのではないでしょうか?
今日のおさらいです。
- 信頼を受けるためには、寄り添うことが求められる。
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