いつも読者からの質問に回答してくれる、メルマガ『『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』』の著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は「団塊世代の富裕層をターゲットにしたコンシェルジュの仕事に需要はあるか?」という質問です。同様の質問が過去にも寄せられたという永江さんですが、一体どのように回答したのでしょうか?
団塊の世代向け新規ビジネスの可能性
Question
女性の便利屋とコンシェルジュを掛け合わせて、団塊の世代に合わせた富裕層と準富裕層ターゲットに、従来の女性便利屋とはちょっと違うコンセプトで、スポーツや音楽鑑賞、映画鑑賞や旅行などのアクティビティを重視した、パートナーコンシェルジュのようなビジネスを考えています。
詳しくは口外できないので恐縮ですが、ただ、団塊の世代というと永江さんも仰っているようにあと7~8年がピークだと思います。それ以降は次世代の需要へとシフトした金額設定ダウン、ビジネスのほうがいいでしょうか。
ざっくりで申しわけありませんが需要はあるでしょうか。
永江さんからの回答
コンシェルジュをやりたいという相談は、過去にもメルマガに何回かいただきましたが、すごく儲かってるという話は聞いたことがありませんね。実際の内容が便利屋業なのか同行ビジネスなのかはわかりませんが、ぶっちゃけて言うと、この手のマーケットはほとんどないと思います。
便利屋業に一番頼依頼するのは、高齢者や団地にいる、どちらかというとお金や身よりがない人。高齢者が多く住む団地近くに店舗を置いてチラシを撒き、スマフォの使い方がわからない、テレビの電源が入らない、荷物が受け取れないなどといった小さめの依頼を1回1,000円くらいで受けている業者をテレビで見ましたが、確かに食うに困らない程度は稼げますが、これでは大儲けできるとは思えません。
あなたが設定しているターゲットイメージにはズレを感じます。急にお金持ちになった人はさておき、いわゆる富裕層は、自分の趣味をすでに持っているのではないでしょうか。音楽鑑賞は自分でやるでしょうし、一緒に映画鑑賞というのも需要がないように思います。知人もたくさんいるでしょうし、富裕層はネットリテラシーも高めですので、ソーシャルで質問すればわかること、食べログで調べれば解決することを、見ず知らずの人に頼む人がいるのでしょうか?
それよりそもそも、高所得者層には高所得者の友人がたくさんいて、遊び相手には事欠きません。資産家の老女が孤独死みたいな話はたまにありますが、こういう人はネットもやってない高齢者ですしね。
そうではなくて、検索しない、ソーシャルもやっていない人をイメージしているのなら、集客はどうするのという問題が生じます。もともと、この手のサービスが存在するということすら普通の人には思いもよらないわけであって、ネットで探すとなると、かなりリテラシーが高くないと探せないはず。そこにあるから気軽に尋ねるホテルのコンシェルジュとはワケが違うのです。
仮にネットでこういうサービスをやるとして、検索しない、ソーシャルもやっていない人に、この手のサービスを認知させるのは不可能です。
どちらかというと同行が主となるパートナービジネスの可能性もありますが、便利屋業以上に「ない」でしょうね。お金持ちほど友達はいるもの。お金持ちの人がどこかに行きたいと言ったら、みんな誘うと思いますよ。自分の周囲を思い返してみても、お金のない人は何となく気を遣って誘いにくいけれど、お金持ちの人は気軽に誘いやすいということがあるはず。
結論でいうとけっこう難しいと思われます・・・。
高齢者向けのスマホの家庭教師みたいなのはあり得ますが、この場合もネットからの集客では無くて紹介がメインになりそうです。
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