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【書評】今こそ恩を返すとき。苦境のイギリスを日英再同盟で救え

ほぼ日刊という驚異的なペースで書評を届けている無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』の編集長・柴田忠男さん。今回取り上げているのは、歯に衣着せぬ物言いが人気の高山正之氏による週刊新潮のコラムをまとめた『変見自在』シリーズの最新刊ですが…、柴田さんは同書内の英国に関する記述を紹介しつつ、今こそ日英再同盟を結ぶべきではとの論を展開しています。

変見自在 トランプ、ウソつかない
高山正之・著 新潮社

高山正之『変見自在 トランプ、ウソつかない』を読んだ。「週刊新潮」連載の超辛口名物コラムの第12弾。おなじみネタはいくつもあるが、何度読んでも面白い。惜しげもなく提供されるスゴネタの数々。今回は、本のあちこちに散らばる英国ネタを集め、日英再同盟のススメをまとめてみた。

実際、日本は過去、ずいぶん英国に助けられた。日本は日英同盟を結んでロシアと戦った。英国はロシアを孤立させ、米国の反日宣伝を抑えた。日本はロシアを倒し、国際社会に不動の地位を得た。あの勝利もいくばくかは英国のおかげだ。しかし、先の大戦で英国は戦勝国になったものの、日本のせいで中国に持っていた権益はもとより、マレーシア、シンガポール、ビルマを失った。

インドやセイロンまで失った。英国がいまも日本にひねた嫌味を言うのは、植民地という財産を奪われ貧乏国に突き落とされた深~い恨みがあるからだ。だが、戦後日本が米国に抑え込まれ、自動車も航空機も一切の研究開発を禁じられたとき、英国は日本の願いを快諾し、ヒルマンやオースチンのノックダウンが日産などで始まった。おかげで日本の自動車産業は息を吹き返した

米国は原子力研究もすべて禁じた。原発の導入すら禁じた。なぜなら、日本は米国に対し「二発の核の報復権」を持っているからだ。いくら懇願しても米国は拒否し続けた。このときも英国に頼んで、英国製原子炉を入れてもらった。結果、米国は軽水炉を日本に解禁せざるを得なくなったのである。

日本はまだ英国に学ぶことも多い。英国は戦勝国なのに、実は日本以上の酷い自虐史観で潰れかけていたのだ。そして、天井知らずの手厚い福祉が財政を破綻させていた。今の日本と似たような状態だった。それをサッチャーの時代にほぼ10年で克服してしまった。日本はそれを学び、自虐の枷を外すべきだ。

英国は日本と同じ、大陸が大嫌いだった。それでEUを出てしまった。当初は、なんてバカをやったんだと、英国民自身の反省する声ばかり出た。時が経つに連れて彼らは、辛気くさい独仏と縁が切れて清々している実態が現れてくる。EU離脱直後に、天を仰いだ嘆きもよくできた演出のようにさえみえる。

その証拠に、ティム・ヒッチンズ駐日英大使は「日本は一度もEUの中の英国とみたことはない」と昔からの誼を語り、日本の対英投資を期待すると語った。英国はEUからの自立に成功し、大陸にからめとられてきた日本の歩む道筋を示して見せる。すごくいいお手本ではないか。今、英国が苦境にある。今まで助けてもらったお礼に日英再同盟はどうか。いや、ほんと、これはいい話。

ドイツにヨーロッパで初めて慰安婦像が建った。この国民が持つ狭量さと韓国人のそれは、色違いながらとてもよく似ている。ドイツ信仰はもうやめよう。エドワード・スノーデンが日本でやった極秘任務は、「日本が米国に逆らったとき一瞬で日本中の電力を停める仕掛けをした」と、自身の証言のなかでハッキリ言っている。彼は日本で2年間暮らしていた。ほんと、こわい話。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

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