今まで、店員の商品知識について口をすっぱくするほどお話ししてきた、無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさん。今回のメルマガでは、お客様から信用される販売員は何をどう工夫しているか、そのワザについて紹介しています。
ポイントを一言で伝える
最近、商品知識に関する話題をよく書いていたので、ついでにもうひとつお伝えしておきたいことがあります。みなさんの扱っている商品を選ぶ際に、何を見ればいいか、ポイントを一言で言えますか? これ、すっごく大事です。
お客様にしても、販売員にしても、常に良い商品はないかと探しています。「これは良さそう」「これはそうでもないな」と、商品を観察して、少しでも良い買い物をしたり、少しでもお客様に喜んでもらおうと、商品選びをします。
しかし、商品を選ぶためには、何かしらの基準が要ります。商品のどこかしらを見たり、試したりしてから、良い商品かどうかを判断するための基準です。これが一言で言える販売員は、かなり信用に値する販売員だと私は思っています。
例えばですが、革財布を選ぶときに、良い商品かどうかをみなさんは何を見て選びますか? デザインとか価格とかブランドとかは当然として、もっと別のポイントの話です。
こんなとき、私の場合は、財布の角(かど)の縫製をチェックします。財布の角の縫製は簡単な作業ではなく、質の悪い商品は、雑に縫い込まれているのがすぐにわかります。逆に質の良い商品だと、縫い目が綺麗で、均等になっており、革のシワも美しく仕上がっています。コバと呼ばれる、革の切断面の仕上げを見る人などもいますね。
良い商品かどうかを判断するための基準となる一言で言えるポイントを知っていると、自分も良い商品を選びやすくなりますし、何よりお客様にその基準をお伝えすることができます。それができると、お客様は買い物で失敗する確率を減らすことができます。「買ったはいいものの、思ってたのと違った」なんて経験を限りなく失くすお手伝いができるんです。
これがどれだけ大事なことかは、わざわざ言わなくてもお分かりの通りです。
「ジャケット選びは何を見て選べばいいですか?」と聞かれれば、どう答えるか? 「時計選びは何を見て選べばいいですか?」と聞かれれば、どう答えるか? ネクタイ選びなら? 家具(テーブルや本棚など)選びなら? 美味しい中華料理屋さん選びなら?
「何を見て選べばいいですか?」と聞かれて答えられる基準があるかどうかは、レベルの高い販売員かどうかを見極める基準にもなります。ぜひ自店の商品だけでも、何を見て選べばいいのか、判断基準となるポイントを一言で伝えられるようにしてみてください。
今日のおさらいです。
・商品選びのポイントを一言で伝えられるようになる。
image by: Shutterstock.com