MAG2 NEWS MENU

金足農業で注目の「農業高校」に今なぜ女子生徒が増えているのか

秋田県勢として103年ぶりに夏の甲子園決勝に進出、惜しくも優勝は逃しましたが、ネット上にはのちに「単なる噂」と判明したものの「おかしな校則」まで拡散するなど、日本中を沸かせた金足農業(かなあしのうぎょう)。その農業高校、全国に350校あまりが存在しますが、女子生徒の割合が年々増加しているというデータを示すのは、健康社会学者の河合薫さん。河合さんは自身のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』の中で、その背景を紹介しています。

※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2018年8月22日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

金足農業と豚と農業女子と。

ヘリコプターから落とされる始球式のボールが球場にちゃんと届くかハラハラし、金足農業の決勝戦進出に熱狂し大阪桐蔭の強さが圧巻だった、高校野球100回記念大会が終わりました。

日本中が熱狂しましたが、秋田県勢として103年ぶりの決勝進出が決まった8月20日の月曜日は、レギュラーで出演している「サキドリ」(文化放送)でも、大々的に特集しました。

番組では金足農業の選手たちが通う、学校すぐ近くの鉄板焼き屋さん「大雅」のご主人や、JA秋田なまはげ農業協同組合営農センターの方に電話をつないだり。秋田出身の文化放送のアナウンサーが「秋田愛」を込めて、秋田こまちやいぶりがっこの美味しい食べ方を教えてくれたり…。

政治や事件ネタが多い報道番組で、こんなにみんながニコニコする放送は滅多にありません。秋田とは全く関係ない私までもが「郷土愛」漂うオンエアに、ワクワクしてしまいました。

純粋さや必死さというのは、こんなにも人間の心を動かすのか、と。夏の終わりに心地よい時間を日本中に提供してくれた金足農業の選手たちに心から感謝! と同時に、圧巻の試合を展開した大阪桐蔭の選手たちにも心から拍手を送りたいです。

で、今回の「裏返しめがね」では、農業高校についてお話ししようと思います。

みなさんご存知のとおり、農業にたずさわる人は年々減少し、歯止めがかからない状況が続いています。

農業就業人口は1985年には542万人いましたが、30年間で6割減少。2015年に農林水産省が行なった調査では209万人。2016年には遂に200万人を割り、192万人まで減少しました。

年齢別では、65歳以上が64%と半数強を占める一方で、39歳以下は7%未満。15~29歳の農業就業人口は6万3,000人で、若い人を増やさないと荒廃農地が増え続けてしまうと懸念されています。

また、農業高校も2006年度に全国に353校生徒数は約9万4,000人でしたが、少子化とともに生徒数は年々減少しています。卒業後、農業従事者となる割合も、全体の約5%程度で、とっても少ないのです。

ですから、金足農業の活躍は全国の農業従事者の大きな希望となりました。日本農業新聞では連日とりあげ、昨日の決勝戦の結果は、号外を出すほど熱狂したのです(号外はこちら)。

そんな中、あまり知られていないのが農業高校に女性が増えているというリアルです。

農業高校の総生徒数自体は、1992年度の14万2,645人から2015年度の8万3,040人と約6割に落ち込んでいるのですが、全国的に女子生徒は増加。2015年度には女子生徒が占める割合は48.8%を記録。1992年度の31.8%から17ポイントも増え、年々伸び続けています。

例えば、東京都の農業高校の都立園芸高校では、1994年度から女子生徒が男子生徒を上回るようになり、2016年度は143人のうち88人が女子生徒でした。

女子生徒が増えた背景には、学習内容に「農業」だけでなく、フラワーアレンジメントやバイオテクノロジーが加わったこと。さらにはペットに関する科目も加わったことがあるとされています。

数々のメディアが取り上げた「農業女子プロジェクト」の発足も、農業高校を選ぶ女性を後押ししているようです。

いずれにせよ、農業関係者に「光」をもたらした金足農の選手たちって、すっごいですよね。

ちなみ、鉄板焼き屋さん「大雅」のご主人によると、選手たちの好物は「豚タン」。週に一回は食べているとのこと。豚人気も今後、高まるかもしれませんね。

image by: 秋田魁新報電子版 - Home | Facebook

※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2018年8月22日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

初月無料購読ですぐ読める! 8月配信済みバックナンバー

※2018年8月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。

いますぐ初月無料購読

こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー

初月無料の定期購読手続きを完了後、各月バックナンバーをお求めください。

2018年7月分

※1ヶ月分540円(税込)で購入できます。

※『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』(2018年8月22日号)より一部抜粋

河合 薫この著者の記事一覧

米国育ち、ANA国際線CA、「ニュースステーション」初代気象予報士、その後一念発起し、東大大学院に進学し博士号を取得(健康社会学者 Ph.D)という異色のキャリアを重ねたから書ける“とっておきの情報”をアナタだけにお教えします。
「自信はあるが、外からはどう見られているのか?」「自分の価値を上げたい」「心も体もコントロールしたい」「自己分析したい」「ニューストッピクスに反応できるスキルが欲しい」「とにかくモテたい」という方の参考になればと考えています。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』 』

【著者】 河合 薫 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 水曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け