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遂に判明した、満たせば誰もが幸福になれる4つの因子―慶大研究

今でも歌われる名曲「幸せなら手をたたこう」が世に出たのは、ちょうど東京オリンピックの頃。「幸せはみんなの願い、幸せなら態度で示さなきゃだめ」、そんなメッセージに多くの人が共感したからこそ、大ヒットしたのでしょう。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、慶應義塾大学大学院の前野隆司教授の研究で明らかになった「幸せになる」ために必要な「4つの因子」を紹介しています。

幸せを総合的に捉えてみました

人間はどうすれば本当の幸せ、争いのない幸福な社会を実現することができるのか。この問いに、一つの明確な答えを出したのが、前野隆司さんです。

幸せになる4つの因子 前野隆司(慶應義塾大学大学院教授)

まず取り掛かったのは、世界中の幸せに関する研究を調べることでした。すると、「自己肯定感が高い人は幸せ」「感謝する人は幸せ」など、膨大な研究結果を得ることができました。

しかし、「感謝する人は幸せ」の研究であれば、「感謝」という観点でしか幸せを捉えておらず、幸せを総合的に捉えた研究は少なくとも日本では行われていないことに気づいたのです。

一つのテーマを掘り下げていくことはもちろん大切ですが、バラバラに研究したままでは、その成果を社会で生かすことは容易ではありません。

それなら、自分が過去の幸せ研究を体系化しようと思い、そのために活用したのが因子分析という手法でした。因子分析は、多変量解析の一つで、多くのデータを解析し、その構造を明らかにするための手法です。

そう言うと難しそうに聞こえますが、統計ソフトを用いれば因子分析は簡単に行えます。具体的には、幸せに関する過去の研究やアンケート結果をコンピュータにかけ、専用ソフトで計算するということを行いました。

学生たちとともに因子分析を行った結果、2012年頃、この要因を満たせば誰もが幸せになれるという因子が得られました。それは次の四つの因子です。

第一因子の『「やってみよう!因子』は、人生の大きな目標や日々の目標を持ち、それを実現していくための自分の強みが分かっている、また、強みを生かすために学習・成長しようとしている人は幸せであることを示しています。

第二因子の『「ありがとう!因子』は、人に感謝して、人のために何かをしたい、誰かを喜ばせたいという気持ちが強く、様々な人と交流を持っている人は幸せであるということです。第一因子が自己実現や成長といった自分に向かう幸せだったのに対して、第二因子は感謝と利他他人に向かう幸せだといってよいでしょう。

第三因子の『「なんとかなる!因子』は、幸せには前向きさや楽観性が必要だということを示しています。自己実現や成長、他者との繋がりを育む場合にも、「よし、何とかなる!」と、前向きで楽観的にチャレンジしていけることが必要です。そういう意味では、第三因子は幸せになるためのスパイスのようなものだと言えます。

最後の第四因子『「ありのままに!因子』は、周りの目を気にせず、自分らしく生きることが幸せに繋がることを示しています。

例えば、第二因子の実現のために周囲の人と仲良くすることはよいのですが、それが人のペースに合わせてばかりになっては幸せになれないでしょう。人と仲良くしつつも、同時に自分らしさも持つことで幸せになれるのです。

【参考資料】● 佐伯政男,蓮沼理佳,前野隆司,主観的well-beingとその心理的要因の関係,日本心理学会第76回大会発表論文集,2012年9月(PDF)

 

image by: Shutterstock.com

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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