様々な経験をしてきていながら、「とは言え今の仕事に関係ないから」などと思っている方がいたとしたら、それはまさに「宝の持ち腐れ」状態です。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、自身の経験も交えながら、重要なのは経験と仕事を「つなぐ意識」であるとし、その理由を記しています。
経験をつなぐ
いろんなことを経験しておくということは、人生の幅を広げると言われますが、仕事においても同じことが言えます。その場では、一見、何も関係がなさそうな経験だったとしても、後に、思わぬ形で役に立ったりすることが少なくないからです。
私の知っている人の話ですが、ある不動産関係の営業マンがいました。その人は、個人住宅の営業マンなのですが、元々は観光産業に興味があって、学生時代にバッグパッカーをやって、一人で世界中いろんな場所を旅していたのですね。旅をしていた当時は、観光産業の分野に活かすつもりだったはずが、結局は不動産関係に就職したわけです。
しかし、バッグバッカー時代に、世界中の建築や、インテリアなんかを見て回っているので、個人住宅営業をする時に、「こんなインテリアの使い方ができますよ」「こういう建築の仕方もありますよ」と、話すことができたのです。結果、例えば、ヨーロッパの国に憧れを持っているお客様にとても賞賛を受けたりして、営業成績が上がったという話。
この話で言えば、私も同じような経験を持っています。ストレッチトレーナーとして、お客様の身体のメンテナンスをしていた時代のことです。私は、実家が日本料理屋ということもあって、調理師免許を持っています。なので、栄養学についての話もできるわけです。
その経験が、ストレッチトレーナーとしてお客様と関わる時に活きて、ダイエット指導をしたり、食事管理の話をしたりすることができました。一部のお客様からはそれがかなり喜ばれて、完全に顧客として通ってくれるようになったのです。
こういうことがあるから、進んでいろんな経験をすることはとても大事だと思っています。
実は、どんな人でも、その人しかしていないような経験はある程度持っています。人生それなりの年数を生きていれば、何かしらの経験は積んでいるはずなのです。でも、それらの経験をつなぐことに意識が向いている人はあまり多くはありません。
例えば、何年も新体操を頑張ってきた人が、洋服の販売員をやっていたとしたら、コーディネートの話だけでなく、美しく見える姿勢の作り方の話もできるでしょう。例えば、旅行が好きで旅をしまくっている靴の販売員がいたとしたら、土地によって歩きやすい靴の選び方の話ができるかもしれません。
どんな経験も、つなぐ意識さえあれば、意外とお客様のメリットになる情報として、お伝えできることがあるのです。
あなたがこれまでに経験してきたことを思い返してみてください。それらを、今の仕事や、お客様のメリットになる情報につなぐとしたら、どんなことができるでしょうか。
今日の質問です。
- これまで、長年努力を続けてきたことや、好きで進んで経験してきたことは何ですか?
- その経験を、今販売している商品や、お客様のメリットにつなぐとしたら、どんなことができますか?
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