「人は、月になぜ行けたのでしょうか」という問いに対しては、いろいろな角度からの回答が出てくることでしょう。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを! 』では著者で長く人材育成に関わってきた石丸智信さんが、そんなテーマでおこなわれた、製造現場のリーダーを対象とした研修での学びを下敷きに、物事を進め、成し遂げる要因を解説しています。
物事を進め、成し遂げる要因とは
先日、「アポロ計画のもと、人類は月に行ったのだろうか?」というテーマのTV番組を観ました。それを観て、以前聴講した製造現場のリーダーを対象とした研修の中で、「人は、なぜ月に行くことができたのか」というテーマがあったことを思い出しました。そこで本号では、本研修で学んだ事を踏まえて、本テーマについて考察していきたいと思います。
本研修において、登壇講師は、受講者の皆さんに対して、「人は何故、月に行けたのでしょうか?」という質問が投げかけられました。皆さんは、この質問に対してどのようにお答えになりますか。
講師が質問をした時に、私は「月に行くためのロケットの技術開発などが進んだから」と思いました。受講者の皆さんからは「科学が発達したから」「月に行きたいと思ったから」「地球を知りたいと思ったから」などといった意見が挙げられていました。
講師は、月に行けた要因として3つ挙げていました。
- 月に行こうという「明確な目標」を持った
- 月に行くための「方法論の具体化」ができた
- 到達過程での「軌道修正が的確」であった
ここからは、この3つの要因について、それぞれに考察していきます。
1.月に行こうという「明確な目標」を持った
たしかに、まずはじめに「月に行こう!」と誰かが思ったり、言わなければ、月に行くこと自体考えられませんね。「月に行く」とまず言ったのは、その当時の米国大統領であったケネディー大統領だと言われています。
その当時は、ソ連が宇宙開発において先行していて、米国は、大統領の決意表明のもと、「宇宙開発の覇権を握る」という目的と、そのために「月に行く」という目標を持ったのではないかと思います。まさに、目的と目標を明確にし、決意表明することからスタートしたと言えるでしょうね。
2.月に行くための「方法論の具体化」ができた
「月に行こう」という目標が定まったら、次は、「どうしたら月にいけるか」という具体的な行き方、方法を考えることになりますね。
例えば、月に行くためのロケットの開発であったり、月に降りるための方法など、数多くの方法を考えていったのだと思います。この方法論の具体化の段階に入ると、正解と言われるものは、1つではないでしょうね。
ロケットの開発でも、色々な形状のロケットなどがアイデアとして出たでしょうし、その中で、最適なものを選択し、意思決定していくことになります。この段階では、まさに、行動力、実行力、実践力が問われますね。
3.到達過程での「軌道修正が的確」であった
この段階は、地球から月に向けてロケットが発射された後の段階になります。地球から月に行って、地球に帰ってくるのですから事前に綿密な計画があったでしょうね。
しかし、いくら緻密に計画されたものであっても、事前には予期できなかったことが起きるので、計画通りにはなかなかいきませんね。地球から月に行くまでには、色々なことが起きたと思うので、様々な軌道修正が求められたことでしょう。
映画にもなったアポロ13号のトラブルの時には、まさに、この的確な軌道修正がなされなかったら、地球に戻ってくることは難しかったかもしれませんね。方法論の具体化の段階で綿密に練られた計画であっても、その時の状況や環境の変化によって計画を見直すことが必要で、そのためには、柔軟に考えるような柔軟性が求められてくるでしょうね。
研修の中で講師が挙げた
- 明確な目的・目標を持つ
- 方法論の具体化
- 的確な軌道修正
という3つの要因は、何らかの物事を進め、成し遂げるために、必要となるひとつの目安になるのではないでしょうか。その物事の継続を考えるのであれば、この3つの要因に加えて、
- 次の挑戦に向けての振り返り
という要因が挙げられるのではないかと思います。これからの自立・自律型人財やリーダー、そして子どもたちにとっても、この要因に基づいて考えて、行動、実践していくことも大切になるでしょうか。
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