MAG2 NEWS MENU

【書評】データで見る「世界には親日国が何カ国ほどあるのか」

現在、世界にはどのくらいの親日国があって、どれくらい日本は信用されているのか。それを知ることは今後の日本が平和に進んでいくために必要なものであると考えて「親日国をデータで実証した本」があります。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』で、編集長の柴田忠男さんがそんな一冊をご紹介しています。

偏屈BOOK案内:佐藤拓『親日国の世界地図 236のデータで実証』

親日国の世界地図 236のデータで実証

佐藤拓 著・祥伝社

まことに世界は不安定である。日本が戦争やテロに巻き込まれず、平和で繁栄するには、どのような外交政策をとればいいのか。様々な問題があり、方策は多岐にわたるが、要は国同士が互いに信頼できる関係を構築するのが第一で、そのためには世界中に「親日国」を増やしていくことが必須だろう。

現在、世界にはどれくらいの親日国があって、どの程度の信頼感を持ってくれているのか、多くのデータを分析し明らかにしているのがこの本だ。日本及び日本人に対して、親近感、信頼感を持っている人を「親日家(または親日派)と呼び、親日家が多数を占めている国を「親日国」と定義する。その逆は「反日国」とする。親日・反日の感情を持つ要因は9件提示されている(略す)。

徹底的にデータにこだわり「親日指数」を表した。しかし、それは現時点に限った一過性のものである。また政府の対日姿勢と、国民の意識は別物であるという認識も必要だ。中韓は政府が政権安定のため国民を反日に誘導してきたが、若い世代はかなりの親日感情を持っていることもデータから明らかだ。

日本のことが大好きな国「絶対的親日国」はアジアに集中している。インドネシアベトナムフィリピンタイ台湾マレーシアである。各国の親日の理由が示されており、非常に興味深い。外務省が毎年行うASEAN 10か国の対日観の世論調査では、「信頼できる」の割合は73%で、「できない」は6%だ。

先の大戦で日本軍の被害を受けたのに、なぜ親日なのか。第一に良好な経済関係、世界経済への貢献と開発協力、そして価値観の共有である。「かなりの親日国」は、ミャンマー、シンガポール、インド、オーストラリア、ニュージーランド、フランス、カナダ、ブラジル、コロンビア。アメリカはすぐ下のランク「親日国」だ。ロシアはさらにその下のランク「友好国」である。

明かな「反日国」は中国韓国である。北朝鮮は対日観の世論調査データが皆無のため、この本では取り上げていない。中国は90年代半ばまで日本肯定派のほうが多数だったが、天安門事件以降、愛国主義教育によって民主化から国民の目を逸らすために、国家が反日を誘導したからで、2016年の言論NPOの調査結果では、中国人が日本によくない印象を持つ割合は76.7%である。

一方、中国に良くない印象を持つ日本人は91.6%に達している。ただし、ここ数年中国の反日感情に改善の兆しも見える。その理由は訪日中国人が増えたことで、政府やメディアの伝えるものとは違う日本・日本人に触れ、対日意識が変わったという人が多い。そして、その経験をSNSで拡散しているからだ。

そして今、韓国は日本に対して敵意満々、世界一の大反日国になった。今までは失政に対する国民からの批判の矛先を変えるのに、政府が反日を利用してきたが、今は挙国一致の反日の様相である。この本のデータでは、日本に好感がもてる割合が30%で、10代ではじつに78.6%が「かなりの親日」だったのに。

2017年に中央日報とキヨンヒ大学が実施した世論調査では、「世界で最も魅力的な国民」で1位がドイツ(23.6%)、第2位が日本(13.3%)だったのに。その根拠は「遵法精神・配慮文化」であった。また、二大反日国が二大訪日国であるという面白いデータもある(3位は台湾)。親日国を増やそう!

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

日刊デジタルクリエイターズこの著者の記事一覧

デジタルメディアで活躍する現役クリエイターたちのコラムで構成されている本格派。総発行部数約16000! 真のクリエイターを目指している方からデジタルに関わる方まで、すべてに向けて発行中!

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】 』

【著者】 日刊デジタルクリエイターズ 【発行周期】 ほぼ日刊

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け