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飛行機が4時間遅れても、気の短いニューヨーカーが怒らないワケ

遅い正月休みを初めてのハワイで過ごすことになったのは、メルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』の著者で、米国の邦字紙「WEEKLY Biz」CEOの高橋克明さんです。そのハワイ行きの飛行機がなかなか飛ばず結局4時間遅れに。それでもスタッフは悪びれることなく、乗客も誰も怒らない。なぜなのでしょうか?高橋さんによれば、慣れっこになっているという理由以外に、最近わかってきたことがあるそうです。

ニューヨーク在住18年、45歳にして初のハワイへ!

ALOHA!調子に乗って今、ハワイです。ワイキキビーチが望める部屋から書いてます。

かなり遅めの恒例のお正月旅行。この仕事をしてると、年末年始がどうしても潰れてしまうので、毎年この時期になってしまいます。経営者というものにまったく憧れていたわけでなく、15年前、当時勤めていた出版社を退職し、同時についてきてくれた数名の流浪の身になった社員のステータスを確保するために、半分嫌イヤ就いた社長業。なりたくてなったわけではありません。(そのあたりは、今春発刊の書籍に詳しいので是非購入してください・笑)それでも、この時期の長期休暇はいちサラリーマンだと確かに無理だったかと思うと「あ。社長でもいいことあるんだな」とは思います。

どちらにしろ、ここ数年のお正月旅行は毎回、家族優先。妻の希望のまま、自分ひとりだけでは絶対行かないリゾート観光地に行きました。ここでも、どこでもよく書くのは、リゾート地が苦手だということ。どうしても性に合いません。青い海も砂浜も苦手なのかもしれません。でも、結局、苦手なのは、後述しますが、まったく別のことだと今回気がつくことになります。

どちらにしろ、ここ例年の、プエルトリコも、ドミニカも、キューバも、バハマ諸島も、カンクーンも、マイアミも、キーウエストも、すべて暖かいところ好きの家族の希望。家族と言っても3歳児の我が双子に意思があるわけもなく、嫁の希望です。極寒のニューヨークで1年の残りを頑張ってるのだから、お正月くらい暖かいところに連れて行け、ということらしいです。確かにお正月以外は、好きな国に好きなだけ出張も含め、ひとりで行ってる僕としては、この時くらいは彼女の希望通りにしようと決めました。それにしても!ハワイって…。

実は僕は人生で今までハワイに来たことはありませんでした。45歳にして初ハワイ。趣味がひとり旅の僕は、北米の都市も含めれば、世界100都市以上に行ってます。主要都市から、割と日本人観光客の少ない街もひととおりは制覇しました。「でも、ハワイだけはまだなんですよ」って言い続けてきました。「ちょっとそれってカッコよくない?」この意見には、妻も、社員も、友人も、誰一人賛同してくれませんでした。キョトンとした顔はされるけど。

僕の中では、老後の楽しみにとっておこうと思っていた場所でした。還暦過ぎてからの方が楽しいんじゃない?と。えらい偏見だと、ハワイ在住の人に怒られたりもしました。それでも、なかなかアメリカ在住者、特にニューヨーク在住の僕にとっては、同じ国内でも、近くて遠いハワイでした。だって飛行機で11時間も要するから!日本からだと8時間くらいなのに!

11時間、飛行機に乗せられるくらいなら、大好きなNIPPON!に帰るっつーの。ハワイに今まで足を運ばなかった理由は、これがいちばん大きかったかもしれません。いや、いちばん大きな理由は、今現在、僕が国外には出られないステータス中であるということでした。渡米して18年。やっとグリーンカードを申請しています。グリーンカードの申請期間中には、一定期間、OVERSEA(海外への渡航)が出来ない期間があります。そこにちょうど当たってしまった。

どうあれ、最初から、メキシコやカリブ諸国など、例年のリゾート地には行ける身分ではありませんでした。であれば、フロリダに行けばいいじゃないか!同じ国内のあったかリゾート地であれば、マイアミでも、タンパでも、オーランドでも、デイトナでも、キーウエストでもいい。フロリダには、数々の避暑地が点在します。事実、2000年代は、毎年お正月といえば、これらに行っていました。それも、もちろん彼女の希望。まだ子供がいない時から、ディズニーランドだの、マイアミビーチだのに何年も通っていた時期もあります。

実際、この国に来てから僕の中の「お正月」のイメージは、これらフロリダ州にあるリゾート地でした。同じ国内。グリーンカードも問題ない。事実、ニューヨーカー他、東海岸に住む人間の避暑地はフロリダと相場は決まっている。飛行機で5時間くらいで到着するしね。ちなみに、日本だと端から端まで行ける飛行時間5時間は、この国では「近所」です。

なにが悲しくて3歳児の言葉の通じないチンパンジーとオランウータンみたいな双子を連れて、11時間も飛行機に乗らなきゃいけないのか。わざわざ大陸を横断して、どっちかというと日本の方が近い離れ小島に行かなきゃいけないのか。フロリダにしよう。3時間弱で行ける。そう変わらないって。どうせ海だよ。同じ砂浜に同じ太陽。そう説得する僕に、いや、ハワイじゃなきゃダメなんだと頑なな妻。

理由は出発直前に知ることになりました。そう日本から近い。今回、妻はサプライズで、僕の実家の父、妻の実家の父母を招待していたとのこと。すでに80手前の死にかけの3人なので、いまさら14時間のエコノミーニューヨーク行きは厳しい。なので、ハワイで合流することになりました。お義父さんも、うちの両親もこれ以上ないくらい喜んでたよ!と報告された後ではもうフロリダに変更させるわけにはいきません。

ここまで読んで頂いたら、「なんていい奥さんなんだ!」と思われるかもしれませんが、お金払うのは僕です(涙)。双子も合わせて7人の10泊の滞在。ハワイ―日本と、日本─ニューヨークの往復航空券。一体いくらかかったんだよ。

僕の母はもう17年前に他界しているのですが、父にしても、義理の両親にしても、おそらくは孫たちに会えるのはもう数えるほど。すでにカウントダウンは始まっています。もし、僕たちが日本に住んでいれば週末ごとに、孫たちに会わせることもできた。なので、これくらいの親孝行はしておこうかなと思い直しました。二人でフロリダにふらっと行っていた時代に比べ、とてつもない予算超過のバケーションになったけど。

特に、故郷の親父は70過ぎるまで国内線の飛行機すら乗ったことがなかった田舎者。僕がニューヨークに来ていなければ、生涯、外国とは無縁の瀬戸内海の人間でした。過去、親父は僕の結婚式も含め2度、ニューヨークに来たことがあります。もう8年前と、10年前です。体も強い方ではなく、今年80になる親父は「もう、ニューヨークには行きたいけど、無理かな」と以前、つぶやきました。

おそらくかなりの確率で、生涯最後の海外旅行。ひょっとすると、孫たちに会うのも最後かもしれません。日本で生まれたからには、人生一度くらいはハワイに連れて行ってやりたくなりました。ニューヨークから孫を連れ、関西国際空港から呼びよせる合流地点がハワイ。考えてみるとこれ以上のわかりやすい親孝行はないかもしれません。

東海岸のスポーツイベントは時差のため終了が深夜

僕としては、初ハワイと言っても国内なので、いつもの海外旅行に比べて、まったく構えず前日までブルックリンの格闘技イベントにプライベートで楽しんでいました。東海岸でのスポーツイベントは北米全土のテレビ中継を考慮して、かなり夜遅くから始まります。時差があるので10時から。西海岸だと7時。中西部だと8時。確かにニューヨークでは10時スタートがいちばんスマートです。

なので、大会メインイベントが終わるのは深夜1時。そこから数万人が一斉にタクシーを取り合うので、まずつかまりません。仕方なく雨の中地下鉄の入り口まで歩くと、週末のブルックリンのサブウェイなんて、まず運行臨時ストップだらけ。はて、どうやって帰宅しよう。

日本の人によく、ニューヨークの地下鉄は24時間で便利ですよね、と言われます。はっきり言って24時間ではないです。いや、いちおう24時間だけど、きったないホームでいつ来るとも知れない、ひょっとしてこのまま来ないかも知れない、車両を平気で1時間くらい待たされます。全然、便利じゃない。

思いっきり数時間後の飛行機のことを忘れて、なんとか地下鉄で最寄りのグランドセントラル駅に到着したのは、すでに明るくなった頃でした。地上に上がるとともに、大量の留守番電話のお知らせ。妻から「今どこ!?」とのメッセージ。なにをそんなに慌ててんだよ、高校生じゃあるまいし…と電話をかけ直そうとしたところで思い出しました。あら?今日から、ハワイ…?

数時間後にフライトが迫っている頃に、帰宅。すでに荷造りと着替えをした家族が待ち構えていました。すぐにタクシー乗るよ!と言われても、え、シャワーも浴びれないの?そんな感じでスタートしたお正月旅行。我ながら、先が思いやられます。

で、ギリギリ空港に間に合ったにも関わらず、あったりまえのように、飛行機は遅延。それがこの国の常識です。ホノルル空港までの直行便は、1日1便しか出ていないのだとか。大丈夫なのか?ちゃんと飛ぶの?偉そうに言う僕に、何も荷造りもしていない僕に、前日どころかフライト直前まで遊んでいた僕に、妻は無視という方法で抗議しているようです。

やーああっと、搭乗できた頃には予定より2時間遅れでした。で、一旦座席についても、なかなか離陸しません。そこから1時間くらい経ってでしょうか、「整備に問題箇所があったため、この機体は飛ばないから、全員、やっぱ外に出ろ」と言われます。アナウンスで。おおげさじゃなく、本当にこんな言い方です。

なんなんだよ、もう予定より3時間遅れてるぞ!と怒り出す人もいません。もう、みんな多分、慣れちゃってる。もちろんスタッフ一同、申し訳ございません、なんて顔してるのも皆無です。それでも「フードチケットを配りま~す!」と、スタッフが口頭で叫んでいます。遅れたお詫びの空港内レストランで使用出来る食券です。マイクも使わず。何時代だよ。日本の方がずーっとサービス業は進んでいます。

で、長蛇の列。航空会社のスタッフたちも和気アイアイでおしゃべりしながら、処理してるので、一向に列は短くなりません。遅れたくせに、チケットを受け取りに来た客に、ID見せろ!といちいちチェック。それは仕方ないにしても、鉛筆で手書きで、名前の入ったリストに横線引いてる。だから何時代だよ。名前が載ってるなら、IDを見せる必要性はないんじゃないか。そう提案しても、余分に物事をひとつ考えさせるだけ。パニックになる恐れがあるので、余計に時間がかかるかもしれない。

もういいよ、食券くらい。並ぶのやめよう。そう提案する僕に、さすが主婦。うちは4人分だから$50!バカにできない、と列に並ぶ嫁。でも、チンパンジーとオランウータンを連れて、10泊分のスーツケースを持ったままいつ終わりが来るかわからない長蛇の列に並ぶのは、結構な精神的体力的ストレスです。それでも20~30分経てば、自分たちの番に。やっとカウンターにたどり着けました。

次の瞬間─。「飛行機直ったから、みんな機内に戻れー!」のアナウンス。暴れてもいい?いつもなら僕が言いそうなセリフを汗だくになった横にいる妻が発しました。

カウンターのおばさん、よかったねと笑顔。ムカついたから、「食券よこせ」と言います。いや、だから、もう飛行機直ったの。食べに行く時間ないわよ。すぐ機内に戻って。「いいから、よこせ、この場で捨てるから」そう言う僕を、さっきまで無表情だった妻が無理やり機内に連れて行きます。結果、出発予定からちょうどピッタリ4時間後に、飛行機は飛び立ちましたー。

気の短いニューヨーカーが怒らない理由

でも、実は、本音を言うと、そこまで怒ってないんです。もともとゆっくりするための正月旅行というのもあるけれど、それよりなにより、もう慣れてしまった。むしろ、メルマガネタできた、くらいに楽しんでいる。

渡米当初は、、いや、ほんの5~6年前までは、かなりストレスフルでした。でも、いまでは逆に、母国の必要以上の卑屈なまでのおもてなし感の方が苦手になってしまいました。

日本の航空会社の出国の際、パスポートを搭乗口で見せるとき、とびっきりの笑顔で首を傾げながら「高橋さま、いってらっしゃいませ」は、あれ、間違いなく、オレに気があるんだろうな、と思わされました(僕の前にいたおばあちゃんにも、僕の後ろにいた中学生にも、まったく同じ表情、同じセリフだったけど)だって!アメリカの航空会社であんな笑顔見せられることないし!

なので、よく日本のバラエティ番組等で、お笑い芸人さんたちが、サービス業の人たちに「どないなっとんねええん!!ってキレたりましたったわ!」という話を聞くと、彼らはもし世界に出た場合、どうするのだろう、とふと余計なお世話なことを考えてしまいます。

なぜなら、世界的に見ると圧倒的に日本のサービスの方が稀だからです。世界に誇れるOMOTENASHIは、行き過ぎて、少し歪(いびつ)に見られるかもしれません。よく聞く、グローバルすたんだーど、って基準から見ると、日本の方が離れている。

でも、だからって、僕は日本式の方が好きです。お客としてなら、当然です・笑でも、それは同時に、自分がサービスを提供する側になっても、同様のサービスを求められることになります。

どうして気の短いニューヨーカー達が、こんな仕打ち(笑)を受けて、怒らないのか。渡米してからずっと不思議でした。でも、最近やっとわかりました。彼らは、自分が働いてる場合、つまりサービスを提供するシーンになっても、あまりカスタマーにぐちゃぐちゃ言われたくないからです。なので、自分がカスタマーになった際にも、そう細かいことは言えない

失礼さえなけりゃ、SO-SO(なぁなぁ)で行こうぜ、ブラザー!なのだと思います。なので、今回の遅延シーンも、苦笑いはしても、結果、誰も声を荒げませんでした。日本のお笑い芸人さんがよく言うサービス業に対しての武勇伝「どないなっとんねえーん!こっちが客やでえ!」もついぞ見ることはない。

そう考えると、結構、日本の方がハードボイルド。必要以上のおもてなしは、自分がサービスを提供する場合でも、同様のクオリティーが求められます。なので、日本の人の方が結果、ストレスフルなんじゃないかなとすら思えます。

だったら。4時間くらいの遅延くらいでカリカリするの、やめよ(笑)そう思っちゃう自分もいるわけです。いいか、悪いか、別にして。ただ。それとは別の意味で、少しだけニューヨーカー、というかアメリカ人が改善すべきことがあります。

このあまりにひどい接客態度が、仮りに「フレンドリーの証」だとしても。自分がサービスを提供する側になった時の苦労を予見して、ジェントルに(優しく)なる必要があるとしても。それでも、そのうえで、アメリカ人は知るべきことがある。

Exceptionalism=エクセプショナリズム、と読みます。特権主義とか、特別主義とか、例外主義とかに訳されます。アメリカ人がほぼ全員持っている、潜在的に持っている感覚です。つまり「結局、アメリカが世界のリーダーだろ。アメリカが一番上じゃん」という感覚。アメリカだけは別格なんだよ、という潜在意識です。

エクセプショナリズムとは

これは、長年住めば住むほど、身にしみて感じます。もう、どうしよもないくらい(笑)どんなに口で「世界は平等!差別反対!」と言ったところで、階段の上から言ってます。それでいて逆に日本には「欧米コンプレックス」という言葉がまだある。どんなに口で「肌の色なんて関係ない!同じ人間じゃない!」と言ったところで、シャンプーのCMはブロンドブルーアイが出演しています。

その感覚をどこでどうやって彼らが持ったのかはわかりません。戦争で勝ったからというのが最大の理由のようには思えない。それは多分(ここから先は僕の推測なのですが)かつて世界中から不遇な人たちが渡ってきた移民で出来上がった国だから、だと思います。最終的なゴールの地

母国の封建制度や、貴族制度から逃れて、自由の民主主義の国を自分たちで作ろう!っていうのが始まりだからだと思います。イタリアやアイルランドの古臭い風習や政治が嫌で、飛び出してきた先が、遅れているわけがない。あらゆる不都合から脱却して新しい世界を作った。それがアメリカ合衆国。なので最先端に決まってる

ましてや、地図の端っこの島国がここより進んでるわけがない。その感覚こそがエクセプショナリズムなんじゃないかなぁと思うのです。特に中西部、南部の人たちは、リアルに日本人は未だ着物とちょんまげで生活していると思っている人が結構な数でいるらしいです。

だって日本ですらガラパゴス化と言われて久しい。ひょっとしたら、日本の中でも、いまだ「モンゴル人はみんな民族衣装を着て、大草原でキャンプみたいな生活をしてる」「エジプト人の移動手段はラクダオンリー」と思っている人だって存在するかもしれない。さすがにそれはないか。

実際、ドバイ旅行から帰ってきた際、友人に「あっちってケータイあるの?」と聞かれたことがあります。日本みたいなちっちゃくて、超先進国ですらそんな輩がいるのです。アメリカのようなデッカくて、一部後進国なら、なおさら世界を知らない。知る必要がない

そう。知らないんです。彼ら。日本のサービスを。もちろん、知っている人も多くいる。でも、それと同じくらい、知らない人がいる。アメリカ人の多くがパスポートを持っていないのは有名な話です。全国民で生涯海外旅行をまったくせずに死んで行く人は80%を超えるそうです。10人中8人以上は母国以外を実際に見たことがない。結構すごい数字だと思います。

でも、カリフォルニア州ひとつで、本州以上にデカイ国土を持つ国。確かに外国なんて行ってる場合じゃないかもしれません。海外旅行が趣味だなんて、ちょっと変わった人と思われるかもしれない。隣の州に行くこと自体が大冒険なビッグカントリー。日本なんて中国の一部と思われてる人もものすごい数でいると聞きます。

こういう話をすると「でも、リベラルなエリア、つまりニューヨーカーやカリフォルニアンは別ですよね」と言われます。つまり都市部の人は世界を知っていて、無知なのは、中西部や南部の田舎の人たちだけ、だと。確かに青のエリアと呼ばれる民主党エリアは、赤のエリアの人たちよりも知識はあると思います。世界を多少なりとも知っている人たちが多いのは事実。

ただ、前述したエクセプショナリズム、に関しては、実はニューヨーカーの方が強いのではないかと思います。話をしていて実感します。以前、僕の英語のプライベートレッスンの先生だった30代後半のニューヨーク生まれの女性は、やたら「ニューヨークはすべてがある街なの!」と口癖のように言っていました。彼女はイギリス人やフランス人すら下に見ている発言をしていました。

さすがに面と向かって僕には言わなかったですが、イギリス人やフランス人すら見下しているので、日本人や中国人は、なんならペットくらいに思っていたかもしれません・笑(もちろんそうじゃないニューヨーカーもいっぱいいることを念を押しときます)やたら「肌の色や人種なんか関係ないじゃない!みんな人間は平等よ!」と涙ぐんだ目で言っていたので、間違いないと思います(笑)

僕の知り合いで、ニューヨーク生まれの男性と婚約して、初めて彼の家にご両親に挨拶に行った際、彼の母親にも、ものすごくやさしく歓迎された女性がいます。で、帰り道、彼に「よかったね。僕の母は教養があって、差別なんてしないんだ。君が日本人であっても関係ない。南部の人たちだとそうはいかなかったはずだよ。僕の母でよかった。日本人だからって差別しないから安心してね」と優しく微笑まれたとか。直後、婚約解消を彼女から言い渡しました。

エクセプショナリズムは、自己完結型、です。ネットの住人にも同じことが言えるかもしれない。知らないことを知らない。なので、間違ってるわけがない。自分たちが正しい。他を知らないから。リビアの砂漠の民に「日本人は魚を釣って、その場で生で食べるらしい!しかも大豆ベースの塩辛いソースと、WASABIという激辛な刺激物と一緒に!」と気の毒に思われているかもしれない。

なので、結局、僕の結論は、いつもどおり、変わりません。ネットの動画で自己完結する前に、世界を見てみよう。実際の目で。ただの観光旅行でもいい。観光名所だって構わない。パックツアーだっていい。

アメリカの飛行機会社の機内食。定番のパサパサのプレッツェル。なんだよ、この木の枝みたいなマッズイお菓子は。こんなの食ってるのアメリカ人?草加せんべいの方が350倍美味いじゃん!そう思えるだけで価値があります(笑)

ガム噛んで目すら合わさない搭乗口カウンターのニューヨーカースタッフを見て、そんなことを考えた行きの飛行機でした。

image by: Pressmaster, shutterstock.com

高橋克明この著者の記事一覧

全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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【著者】 高橋克明 【月額】 初月無料!月額586円(税込) 【発行周期】 毎週水曜日

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