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忘れられるどころか広がり続ける、NY発「3.11大震災への想い」

2011年3月11日に発生し、甚大な被害を出した東日本大震災から8年。日本から遠く離れたニューヨークでも毎年追悼イベントが開催されていると、『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の著者、りばてぃさんが伝えています。さらに、「防災・減災」のノウハウを世界で共有し、広めようという「アース・マニュアル・プロジェクト」設立者の永田氏らを招いての教育イベントも開催されるなど、NYに根付く「3.11への想い」を紹介します。

3.11「東日本大震災」から8年。防災と減災を考える

(1)各所で開催される追悼イベント

もうすぐ3月11日。甚大な被害を出した東日本大震災から8年。いまだ避難生活は続いており、報道によると、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故によって避難生活を送る避難者たちは5万1,778人もいるとのこと。

ご参考:震災避難者、5万1700人

東日本大震災だけでなく、日本では地震が頻発している。2016年4月14日の九州・熊本地震。2018年9月6日の北海道胆振東部地震。北海道はつい最近も大きな地震が発生している。今後の大地震の可能性など心配ごとはつきないが、だからこそ今できることをしようということで、過去の震災を振り返りながら寄付金集めをしたり、防災や減災に取り組む人たちも数多くいる。

そして、ここニューヨークでも毎年、追悼イベントが開催されている。日本から見ればほぼ地球の裏側に位置するニューヨークだが、多くの日本人が住んでいるので故郷のために何かできないかと立ち上がる有志の方々がそこかしこにいらっしゃるのだ。

また、日本文化に詳しく、日本好きというアメリカ人も多く住んでいるので、震災から時間が経った今でも、日本人以外の方々も数多くそうしたイベントに集まってくれている。

例えば以下は、3月に開催される主な追悼イベント。教会や日系人会館などを借りて開催し、追悼と防災、減災のための話をしたり、寄付金を募ったりしている。

ご参考:
TOGETHER FOR 3.11 8th Anniversary Memorial
東北6県を中心としたほくほく会「3.11追悼式」

この他、兵庫県人会は毎年1月の震災があった日に合わせた追悼式を兼ねた県人会を開催している。会費から会場費などの経費を差し引いたお金を毎年被災者を支援する団体に寄付しており、最近では上述のほくほく会や熊本県人会などにも寄付しているという。

ご参考:Club Go! 北東アメリカ兵庫県人会

さらに春には全国県人会対抗チャリティーゴルフ大会が開催。東日本大震災と熊本地震の復興支援を掲げたチャリティーゴルフイベントとなっている。こんな感じで日本から遠く離れたニューヨークでも故郷を思う方々によって様々なイベントが開催されているのである。

(2)防災・減災のために

一般人によるボランティアでの追悼、チャリティイベントの他にニューヨークでは専門家主導の教育イベントも開催されている。

2017年に始まった「Earth Manual Project: Disaster Preparedness & Constructed Environments」である。これはもともと防災・減災を世界に広めるために日本で設立された「アース・マニュアル・プロジェクト」を、国際交流基金(外務省管轄の政府団体)協力のもとニューヨークの有名美術大学パーソンズが主催したもので、「アース・マニュアル・プロジェクト」の設立者であり、防災関連の非営利団体プラス・アーツ理事長を務める永田宏和さんら専門家をニューヨークに招待し実現した。

ご参考:
イベントのプレスリリース
アース・マニュアル・プロジェクト
プラス・アーツ

学術系イベントなのでパーソンズの学生しか参加できない講義もあるが、昨年は一般人も無料で入れるギャラリーでの展覧会も開催するなど広がりを見せている。以下は、その一部。

ご参考:Earth Manual Project: Disaster Preparedness & the Constructed Environment

16分15秒あたりから「アース・マニュアル・プロジェクト」の創設者である永田宏和さんが登壇。同時通訳が入っているので、災害に関する話をする際の通訳の仕方も参考になる。 以下は同じく2017年の講演会の様子。

ご参考:講演会 国際交流基金は、「アース・マニュアル・プロジェクト」を長く支援しているため、過去の活動などを一覧にしてくれている。
ご参考:Disaster Preparedness x Creative Design

(3)世界に広める意味

「アース・マニュアル・プロジェクト」の公式サイトによると、これまでにない発想でつくられた世界各地の防災活動を集め、未来に活かすプロジェクトとのことで、災害大国日本だからこそできる防災を広めていくのが目的とのこと。

上述のYouTube動画で永田宏和さんが阪神・淡路大震災後に聞き取りした「あったら良かったもの」や、「学生と考えた防災グッズの話」などを聞いていて感じたのは、被災して必要とするものは国や地域、人種や文化の違いで変わってくるということだ。

だから、日本の防災や減災のノウハウをそのまま海外に持っていっても、適合しないかもしれない。だから、「これまでにない発想でつくられた世界各地の防災活動を集め、未来に活かすプロジェクトとのことで、災害大国日本だからこそできる防災を広めていくのが目的」なのだろう。

「アース・マニュアル・プロジェクト」の公式サイトには役立つ情報がいろいろ掲載されているのでオススメ。

image by: tuaindeed, shutterstock.com

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ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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【著者】 りばてぃ 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 毎週 水曜日 発行予定

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