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ダメだと不平を言うよりも、進んですべき使えぬ新入社員の教育法

「新入社員が電話をとらない、営業先で会話がまったくできない、報告書も書けない」…。そんな悩みを抱えた方から相談を受けたという、無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』著者の梅本泰則さん。最近こんな社員が増えていると明かす梅本さんが紹介する解決策とは?

コミュニケーションの苦手な新入社員

あるスポーツメーカーの幹部の方のお話を聞きました。「去年入社した新人社員の一人が、どうもうまく教育できなくて困っている」ということです。

お客様のところに営業に回らせても、まったく会話ができないと悩んでおられます。また、報告書を書かせても、まったく何を言いたいのかよく分からない。社内で電話が鳴っていても、少しも電話を取ろうとしない。次々とその社員への不満が出てきます。うーん、なるほど。これは、この社員が人とのコミュニケーションが苦手だということですね。あなたのお店でも、そんな社員はいないでしょうか。

この問題は、スマホ全盛時代の一つの現象なのかもしれません。若い人たちは、スマホを頼りに生活をしています。他人との会話もラインなどの通信アプリが中心です。スマホに電話機能があっても、滅多に使いません。また、友人同士で喫茶店や食事に行っても、皆で会話をすることなくうつむいてスマホの小さな画面をのぞいてせっせと指を動かしています。そうした習慣の中で育ってきたのが、今の若者です。他人と会話をする力が身についていない人がいるのは当然でしょう。

さらに、パソコンが使えないという若い人たちも増えています。スマホで用が足りてしまうので、パソコンは持っていません。ですから、スマホの文字入力は得意ですが、パソコンのキーボードは打てません。会社での仕事はパソコンで行うことも多いので、そうした新入社員には壁です。

こうした問題に悩んでいるのは、お話をした幹部の会社ばかりではないでしょう。では、このような社員には、どんな対策をとったらいいのでしょう。

コミュニケーション能力を高める

この幹部の方に、次のようなアドバイスをしました。

「まずは簡単な日報を書いてもらうことです」

日報ということですから、毎日書いてもらいます。それも、手で書いてもらうのが良いです。仮にパソコンで入力できたとしても、手書きの日報にします。パソコンの漢字検索機能が使えないので、正確な漢字を考える練習にもなるからです。

ただし、最初から高いレベルを要求してはいけません。書きなれていないので、簡単な内容から始めます。例えば、本日行ったこととか、本日気が付いたこと、といったことで十分です。それも、長く書く必要はありません。3行くらいでOKとします。

提出された日報には、必ず上司のアドバイスをつけて本人に返すことです。誤字脱字のチェックや、意味の通りにくい箇所の修正もしてあげましょう。これが、コミュニケーションの苦手な社員への対策の第一歩です。

日報を書くのに慣れてきたら、次はブログの投稿をしてもらいましょう。会社のパソコンで記事を書くことになりますので、キーボード入力が身についていきます。とはいえ、すぐに投稿させてはいけません。上司の方が記事をチェックする必要があります。記事の内容は、お客様との会話に使えそうなことを書くように意識してもらうといいです。最初のうちは、週に1回くらいのペースでも良いと思います。慣れてきたら、回数を増やしていきましょう。

このように、日報やブログを続けることを上司がしつこく指導することです。きっと、その社員の営業力やコミュニケーション能力が上がっていきます。

さらなる対策

新入社員が電話を取らない、という問題もありました。これはどうしたらいいでしょう。

電話をする習慣が少ない社員にとっては、電話を取るのは怖いものです。相手はどんな人かわかりません。どんな内容の話になるかもわかりません。そもそも、電話での応対の仕方が分かっていません。

この問題も、日報と同じように練習をすることです。そうすれば、解決をします。例えば、社内電話で上司がお客様の役となって新入社員と話をしてはどうでしょう。まずは、電話に出たときのあいさつの仕方があります。次に用件の聞き方の練習です。取次の方法も練習します。お客様役の上司は、さまざまな問い合わせをして、ケースに応じた対応の仕方を覚えてもらうことです。数十回も練習をすれば、基本は身につくと思います。あとは、実践です。

また、着信音が鳴ったら、最低3回目までには電話をとると決めます。最初はうまく行かないでしょうが、大丈夫です。回数を重ねることで慣れてきます。こうした電話でのやり取りが、営業にも生きてくるはずです。

そして、もう一つ新入社員に必要な教育があります。それは、取引先やお客様とのメールのやり取りです。ラインなどでのやりとりに慣れている若い人たちはビジネスメールの作法を知りません。ついつい、用件名を入れないで送信してしまいます。挨拶文を書かないことも、自分の名前を名乗らない場合もあるでしょう。これは、入社時にしっかりと教えなければなりません。それこそ、テンプレートを渡しておくことも必要です。メールの書き方で、会社のレベルが判断されることもあります。しっかりとメール力をつけてもらいましょう。

いかがでしょうか。日報、ブログ、電話、ビジネスメール。上司と新入社員とでは、育ってきた環境が違います。コミュニケーションが苦手な新入社員もいますので、その対策を用意しておくことです。

■今日のツボ■

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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