集中力を持続させるために必要不可欠な「休憩」。今回の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』では著者で現役弁護士の谷原誠さんが、ご自身が採用している「最高の集中力が持続する休憩時間のとり方」を紹介しています。
休憩をとる勇気
こんにちは。弁護士の谷原誠です。
今回は、集中時間と休憩時間について取り上げてみたいと思います。
休憩の取り方については、これまでも何度かメルマガで取り上げてきましたが、私の休憩方針は、「疲れる前に休憩する」というものです。
「ここまでやったら休む」という仕事の成果や、「100ページまで読んだら休む」という勉強の結果とは無関係に休みます。「あっ、少し集中力が低下してきた」と体感した時点で休むようにしています。
過去は、それが1時間程度だったのですが、経験を積むにつれて自分の集中力に関する感覚が鋭くなってきました。
今では、だいたい15分~20分すると、「あっ、少し集中力が落ちてきたな」と感じるので、少しだけ休むようにしています。そうすると、集中力の回復だけなので、休憩も1~2分で回復します。休憩は、できるだけ左脳を使わないようにします。
この休憩の取り方について、科学的な裏付けがないかな、とネット検索してみたら、東京大学の池谷裕二教授の論文があるようです。
論文によると、中学生に英単語の学習をさせ、休憩単位をテストしたところ、翌日から1週間後について、「60分間続けて勉強したグループ」よりも、「15分を3回(45分)勉強したグループ」の方が成績が良かったそうです。つまり、60分間集中力を持続させるのは難しい、ということですね。
もちろん、これは、一つの研究結果です。昔から、人間の集中力の持続時間については、15分、45分、60分、90分と色々な見解がありました。それぞれの根拠もあると思います。
どの見解を採用するかは、自分の目的に合わせて行うことになると思います。たとえば、授業だとすると、15分では効率が悪すぎるので、集中力が途切れて学習効果がなくなってしまう時間ということで、おそらく60分や最長90分が選択されるでしょう。
私の場合は、「最高の集中力が持続する状態」が欲しいので、15分で休憩、ということになります。
世の中には色々な研究成果がありますが、それらは特定の条件のもとにおいて、ある観点から研究されているものです。先の池谷教授の研究も様々な条件が付けられており、英語の単語の記憶の定着についてという観点からの実験です。このメルマガでも本来の研究目的と異なる研究成果の一面のみを紹介しています。
私たちはニュースや書籍、インターネットの情報などで、色々な研究成果を知ることがありますが、自分で取り入れる場合には、研究成果の結果だけを信じることなく、自分の目的に合わせて取り入れることが大切だと思います。
今回は、ここまでです。
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