ゴールデンウイークに温泉を楽しまれた方は、お湯の温度について気にしていましたか?お休みの日に心身をリラックスさせリフレッシュするには、37度~41度の「ぬる湯」がいいそうです。「ぬる湯」が大好きな、メルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』の著者で元旅行誌編集長の飯塚さんが、とっておきの東西「ぬる湯」2湯を紹介。加えて、オススメの全国14湯をリストアップしてくれました。
いよいよぬる湯&冷泉の季節だっ!
いよいよ僕の大好きな「ぬる湯&冷泉」の季節である。GWは5月だというのに真夏のように暑い日が続き、こんなときは冷たい温泉が恋しくなる。25度くらいのところはほとんど水風呂みたいなものだが、25度未満の湯は、交感神経優位になって、熱湯と同様に元気が出るというものでもある。
その一方、実は温泉は37度~41度の「ぬる湯」の方が体にいいのである。ぽかぽか陽気の中、ぬる湯の温泉にじっくり浸かってリフレッシュ…。今回は、先のメルマガ同様に、初心に帰って、ビギナー向けにガイドしてみたい。
温泉の効果は42度を境にまったく正反対になることをご存じだろうか?人間には自分で意識的にコントロールできない「自律神経」というものがあり、「交感神経」と「副交感神経」の二つの神経が、バランスをとって心身の働きを調整している。
交感神経が優位になると心身が興奮状態になり、脈が速くなって血圧も上がる。副交感神経優位になると心身はリラックス状態になって、血圧も下がり、筋肉も緩む。この二つの神経の切り替えスイッチが42度なのだ。
つまり42度未満の温泉にじっくりと浸かることで、リラックス状態になってゆったりとくつろぐことができ、高血圧やドロドロ血などの入浴リスクを減らすことができるというわけである。
とくに37度前後の湯は“不感温度”と呼ばれ、体温とほぼ同じ温度のため、あまり汗もかかず、じっくり長湯すれば体の芯からポカポカになる。晴れた日には汗ばむほどのこの季節、入浴リスクも少なく、心身ともにリラックスできるぬる湯の温泉で、健康入浴を楽しんでみたい。
以下、陽光を浴びながら入浴したいぬる湯&冷泉の名湯を東西からご紹介。
まず東日本のおすすめは山梨県にある僕の大好きな『山口温泉』。住宅街のまっただ中に湯煙上げる素朴な日帰り温泉施設だ。源泉37度のナトリウム−炭酸水素塩・塩化物泉の湯が内風呂と露天風呂に、ドバドバにかけ流されている。
入浴したとたんに全身が細かな泡だらけになるが、これは湯の鮮度が抜群である証し。不感温度なので1時間以上も入っていられる心地よさだ。湯船から出たくない気分とはこのことである。
西日本のぬる湯は、美作三湯と呼ばれる岡山県の湯原、湯郷、奥津に多い。
なかでも入っておきたいのは、西日本露天風呂番付の横綱である湯原温泉の『砂湯』である。湯原ダムを仰ぎ見る河畔に巨大な露天風呂があり、バスタオルなどを巻いて入浴する。無色透明の湯は底の玉砂利がくっきりと見える透明感で、足元から温泉がぷくぷくと湧いている。いわゆる“足元湧出”と呼ばれる全国でも貴重な温泉だ。湯船は3つあり、38度ほどのぬる湯から42度近い適温湯まで、温度の違いを楽しみながらはしご湯ができる。でも個人的には、砂湯よりもお湯は『真賀温泉館』の方が好きかな。
そのほかにぬる湯&冷泉で僕の好きなところをピックアップすると、
- 『旅館二階堂』(福島県微温湯温泉)
- 『見沼天然温泉小春日和』(埼玉県見沼天然温泉)
- 『源氏の湯』(山梨県十谷上湯温泉)
- 『浜屋旅館』(群馬県川古温泉)
- 『ランプの宿高峰温泉』(長野県高峰温泉)
- 『貝掛温泉』(新潟県貝掛温泉)
- 『自在館』(新潟県栃尾又温泉)
- 『療養湯』(岡山県湯郷温泉)
- 『郷緑館』(岡山県郷緑温泉)
- 『真賀温泉館』(岡山県真賀温泉)
- 『亀の湯&鶴乃湯』(島根県三瓶温泉)
- 『熊谷旅館』(島根県小屋原温泉)
- 『ラムネ温泉館』(大分県長湯温泉)
- 『七里田温泉下ん湯』(大分県七里田温泉)
などなど、枚挙に遑がない。
まだ令和になってどこの温泉にも浸かっていないので、少なくとも来週には草津に行く予定。その前に、今週中にどこかに行きたいなぁ。
image by: kolisu, (C)ひとりたび向上委員会 CC BY-SA 2.1 JP