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本気でやろう。観光資源がないならグルメを作ればいいじゃない

街で行列を見かければ「なんだろう」と気にし、ネットやテレビで行列ができている店が紹介されていればわざわざ並びに行く…。なぜ人はそこまで「行列」に惹かれるのでしょうか。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では著者で人気コンサルタントの佐藤きよあきさんが、そんな人間心理を解説するとともに、観光資源の少ない地方で行列を作り出す方法をレクチャーしています。

人はなぜ、“食べ物”の行列に並ぶのか?

人は、なぜ行列に並ぶのでしょうか。その先にある期待を実感・体感したいからです。それは、どんな“期待”なのでしょうか。ふた昔前なら、ゲームソフトやたまごっち。ひと昔前なら、商業施設やiPhone。では、いまの“期待”はどんなものでしょうか。

テレビやネットから聞こえてくるのは、アイドルのコンサートや握手会。世界遺産登録直後の観光地。そして、もっとも騒がれるのは、“グルメです。食のネタは視聴率が稼げるので、どのテレビ局でも度々登場します。ネットにおいても同じことです。アクセス数が安定して稼げるのです。それほど、人びとは食の情報に敏感なのです。

“行列”と聞くと、知らずにはおれぬ。行列の先に、どんな美味しいものがあるのかを知りたい。その味を体験したくなり、行列に並んでしまうのです。

驚くのは、遠くからでも、わざわざ足を運ぶ人が多いことです。“ついでの訪問ではなくその店を目指してやって来るのです。たったひとつの料理を食べるためだけに、です。

なぜ、そこまでするのでしょうか。日本ブームでやって来る外国人客は別として、日本人は観光に飽きているのかもしれません。日本国内は、どこも同じような風景に見えますから。従来の観光は、“見てまわる”ことが多かったのですが、テレビやネットで映像を見ているため、その場所に行っても感動が薄いのではないでしょうか。

それに比べ、グルメは見ているだけでは実感できません。食べないことには、感想を言うこともできません。加えて、いまの人びとは物欲がほとんどないため、食べることがもっとも興味深く、関心を持ち続けていられるのです。食を追求することが一番楽しい時間なのかもしれません。なので、遠くまで出掛けて行って、行列に並ぶのです。

そして、現代人にもっとも大切なことは、自身の体験をSNSにアップすることです。そのためには、現地に行って行列に並び、料理の写真を撮って、感想を書かなければならないのです。こうした行為が、趣味のようになっているのです。つまり、多くの日本国民がもっとも興味を抱きかつ行動的になれるものが、“グルメ”なのです。

全国各地で観光客誘致に苦慮していますが、観光資源があまりないのなら、“ご当地グルメを掘り起こすか新しいグルメを生み出せば良いのです。取り組んでいる地域もありますが、カチカチ頭の地元民だけでは、簡単なことではありません。新しい頭脳に協力を求めてみるのも良いでしょう。

突拍子もない発想をする人材。たとえば、小学生に考えてもらっても良いでしょう。高校生や大学生を活用している例もありますが、その年齢ぐらいになると、常識に囚われることがあるので、あまり面白い発想は出てきません。

注意すべきは、アイデア倒れにならないよう、味の追求も徹底しなければならないことです。

注目されやすいグルメは常識を少し超えたあたりに存在します。弾け過ぎず、大人しくなり過ぎず。重要なのは、本気でやること。中途半端な取り組みが実に多いのです。

image by: Shutterstock.com

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なぜ、人はモノを買いたくなるのか。欲しいという感情は、どこから生まれるのか。消費行動における人の心理を知れば、売れるモノが見えてくる。売り方がわかる。小手先のテクニックなど、いらない。人を研究すれば、やるべきことはすべてわかる。

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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