12万でどう生活しろと。最低賃金の上がらない日本の暗い未来

 

実際、英ミドルセックス大の研究者らが最低賃金の上昇が始まった1999年から2008年までを分析したところ、賃金引き上げが企業の生産性に寄与していることがわかりました。同期間で実質の最低賃金が3割上がったのに対し、労働生産性は15%向上。トップと働き手の両輪が会社の力を高めることが、統計的に確かめられているのです。

「なんでもかんでも世界と比べるな!」と口を尖らせる人がいますが、最低賃金を強制的かつ継続的に引き上げることで、経営者が刺激され、業務の効率化が進み、労働の付加価値を高めようとする動きは世界各地で広まっています。

そして、もうひとつ最低賃金について言わせていただければ、日本にしかない地域間格差も解消すべきです。最低賃金が最も高い東京都が985円に対し、最も低い鹿児島県は761円。その差は224円もあり、地域間格差はこの10年間で倍増しました。

地方で働きたいけど安い仕事しかない」と嘆く学生がたくさんいます。一方、「地方から若者が消えていく」と地方の人たちは嘆いています。

今や、日本全国どこにいってコンビニがあり、スーパーがある。レストランや寿司屋のチェーン店も、多くが全国展開です。

政府が示すとおり、全国一律で最低賃金を1,000円にすることが、東京一極集中を軽減し地方もそこで暮らす人も豊かな生活をする第一歩になる。そう思えてなりません。

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※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2019年7月24日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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