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最低賃金を極限まで上げると高齢少子化が一挙解決できるワケ

普段はおもに恋愛や人生で成功する方法を指南するメルマガ『幸せなセレブになる恋愛成功変身術』の著者・マキトさんが、先日行われた参院選をうけて、「日本が少子高齢化対策で成功する方法」について大胆な持論を展開されています。

「出生率さえ高めれば高齢化を解決できる」というウソ

僕はいつも政治家やマスコミが「出生率さえ高めれば高齢化を解決できる」そう単純に考えていることに違和感を覚えています。結論を先に述べると、高齢化を止めるために最優先すべきなのは少子化対策よりも「最低賃金を全国一律に統一し、段階的に引き上げ続けていく」ことです。皆さんは、

1.出生率が上昇しても高齢化は止まらない
2.子育て支援の予算を増やしても高齢化は止まらない
3.住居費が安くても若者は住みたがらない
4.地域おこしに大学誘致は不要

これらの事実がすでに全国の過疎地で確認されていることをご存知でしたか?

出生率が上昇しても高齢化は止まらない

日本で最も出生率の高い市町村は、鹿児島県徳之島の伊仙町です。合計特殊出生率が2.81に達します(全国平均は1.42、東京都は1.15)。しかしながら高齢化率は35%に達しており、全国平均26%を大幅に上回っています(・_・;?

なぜかというと、せっかく子どもたちが成長しても、彼らを養えるだけの就職先が島内に存在しないので、進学で島を出るとそのまま帰ってこられないのです。この問題は、日本全国に共通します。今後日本では、過疎地での就職難に耐えかねた若者の都市部への移転が。ますます加速すると推計されています。

そして、全国レベルで高齢化が進むと、次は若者たちは増え続ける国民負担から逃れるため、必死で英語を学んで海外に移住してしまうでしょう。要するに子どもを何倍に増やそうが、彼らにちゃんと就職先を用意できなければ、どんどん地元から日本から逃げ出してしまうのです。

現在の少子化対策は「成長した子どもたちは全員国内に留まるはず」という楽観的な前提で論じられていますが、そんなに甘いものではありません。今のままだと、政府の推計よりずっと早く若者が減り、高齢化が加速するはずです。伊仙町の失敗はその警告です。

子育て支援の予算を増やしても高齢化は止まらない

これも残念ながら事実です。長野県下條村は財政再建で予算を捻出し、子育て支援を充実させたことで有名です。その成果もあり、近年の合計特殊出生率は2.0を上回っています。これといった産業のない小さな山村としては、驚異的な成果です。それでもなお、村の老年人口比は3割を超えており、全国平均より高齢化が進んでいます。

子育て支援は、独身者には恩恵がありません。しかもその費用をねん出するため。小さな公共事業は住民自身が行っています。つまり、独身者にとってはかえって負担が大きく、下條に住み続けるメリットが存在しないのです。こうして独身者は村外に転出してしまいます。村内に出会いが無くなることで、ますます独身者が住みたがらないという負のスパイラルに陥っています。

また、子育てが一段落したところで一家で都市部に転出してしまうケースも多く見られます。村民の多くは、飯田市などに勤務しています。高校も飯田やその周辺にあるので、わざわざ下條から通うより、一家で飯田に出てしまうほうが合理的です。村内に就職先が無い限り、村で育った子どもたちも結局村を離れてしまうのです。福祉政策だけで高齢化を解決するのは限界があります

住居費が安くても若者は住みたがらない

日本で最も高齢化が深刻な自治体は、群馬県南牧村です。高齢者が住民の6割を超えます(゚д゚lll)

南牧村は、東京から見ると軽井沢の手前に位置しています。都内から車で2時間ほどであり、決して僻地ではありません。南牧村では庭付き一戸建ての古民家が、なんと1万円で借りられます!お金のない若者が喜んで借りるかと思いきや、現状は先に述べたとおりです。

南牧村には平地がほとんどありません。そのため、産業を呼び込むことが難しく、やっぱり若者の就職先がありません。肝心の収入が得られない限り、どんなに住居費が安かろうと若者が定住することは無いのです。

地域おこしに大学は不要

これは意外に思われるかもしれません。大学ができれば大勢の学生が数年は住むので、地域に雇用と消費が生まれます。そのため大学誘致を最初に考える関係者も多いでしょう。しかし、大学どころか高校すらない山奥の無医村が、Uターン政策を成功させた事例があります。それはレタスの産地で有名な、長野県川上村です。信濃川(千曲川)の源流であることが村名の由来です。

川上村の高齢化率は25%で、全国平均をやや下回ります。山奥の農村としては異例の若さです。なぜかというと、川上ではほとんどのレタス農家で息子が後を継いでいるからです。農業従事者の3割が50歳未満です(全国平均は1割未満)。一戸あたりの平均年商は2500万になりますが、経費もかかるので所得はそれほどでもありません。それでも息子たちが跡取りを嫌がらないのは、半年にも渡る農閑期が関係していると思われます。レタスは半年ほどしか栽培できないので、秋から冬にかけて川上のレタス農家は毎年ロングバケーションを楽しみます。長期の海外旅行も問題ありません。

確かに農繁期は毎日「午前1時起き」という忙しさですが、それさえ乗り切れば半年も遊んで暮らせます。さらに村に高校が無いため、子どもたちは中学を卒業すると村外に下宿しながら通学します。子育てからも早めに解放されるわけです。川上は無医村でありながら健康寿命日本一の自治体でもあります。半年肉体労働して半年遊ぶというリズムが長寿に寄与しているのは間違いないでしょう。高齢者が元気なので、現役世代の負担は軽く、ますます楽ができます。そんな親の姿を見てきた子どもたちは、自分もこんな人生を送りたいと、都会からUターンしてくるわけです。

つまり「好条件の仕事・生活さえ用意できれば、大学が無くても若者はちゃんと戻って集まってきます。川上村はそれを証明した絶好のモデルなのです。いくら大学を誘致しても、好条件の雇用が無ければ学生は卒業後地域に残ってくれません。肝心なのはあくまで「産業創出」なのです。

もちろん、川上にも課題は多くあります。農家の跡取りはたいてい息子なので、娘は地元に帰ってきません。そのため若い女性が極端に少なくいわゆる「嫁不足」に悩まされています。中国人実習生を過酷な条件で働かせていたとして処分を受けた組合もありました(現在この組合は解散)。またレタス以外の産業がほぼ存在しないため、Iターン希望の若者も皆無です。農地は限られているので今さら新参者に参入の余地はありません。いずれは野菜工場で安いレタスを大量生産できる時代がやってくるはずです。そうなった時、川上が新たな産業を立ち上げられなければ、南牧村と同じ道を辿ることになるでしょう。

過疎化最大の要因は都市部との「所得格差」

地方の過疎化・高齢化がどんどん悪化している最大の要因は所得格差」にあります。地域によっては平均所得が東京の半分くらいしかありません。それでは若者が地元に残らないのは当たり前です。若者の一極集中を防ぐのに最も効果的な対策は、最低賃金を全国一律に統一することです。

そもそも国際的に最低賃金は全国一律が当たり前です。地域ごとに定めているのはごく一部の国だけです。東京都の最低賃金(時給)は985円です。これは、鹿児島の761円に比べて2割以上も高くなっています(ちなみに平均900円以上は東京・神奈川・大阪のみ)。しかし、全国の平均賃金が東京と同等になれば、若者たちもわざわざ上京しようとは思わなくなります。国が統一しなくても、各自治体が東京と同レベルの最低賃金を条例で定めればいいのです。地方で最低時給985円ならかなりの好条件ですから、若者が近隣からも殺到してきます。しかも物価は安いので、都会よりも生活レベルは上がります。東京から若者を呼び戻すには「東京以上の待遇」を用意すればいいのです。実にシンプルな話です。

しかし、これだけでは地域格差が解消されるだけで、全国の高齢化は解決できません。そこで必要になるのは最低賃金を引き上げ続けることです。かつての経済学では、生産性の向上によって賃金の引き上げが可能になると考えられてきました。しかし今日では、それは因果関係が逆であり賃金を上げると生産性(GDP)が向上する」ことが判明しています。日本では特に、サービス業の生産性の低さが課題です(先進国最低レベル)。サービス業は賃金が低いため、せっかく人を育てても定着せずにどんどん辞めてしまい、常に新規採用と新人教育を続けなければなりません。これが膨大な生産性のロスとなっています、現場を知っている人ならよく分かるはずです。

しかし、賃金が上がればスタッフの定着率も上がるため、採用教育コストを大幅に削減できるわけです。まして、今後も社会保障負担は上がり続けるので、若者の海外脱出を防ぐには賃金をひたすら上げ続ける以外に方法はありません。稼げる国になれば、海外の若者も日本に移住したがるようになります。そこまでしないと高齢化は解決できないのです。

ただ、確かに一気に15%以上の引き上げを行うと失業率が上がると分かっているため、段階的に引き上げていくことが必要です。(中略)最低賃金引き上げが今の日本にとって最優先の経済政策であることは間違いないでしょう。

世界人口爆発の原因は、高齢化だ

皆さんは人口爆発を防ぐ方法というと「途上国の出生率を下げること」だとお考えかもしれません。しかしそれは大きな間違いです。確かに途上国の出生率は高いのですが、死亡率も高いため、子ども人口はそれほど増えません。事実、世界の15歳未満人口はおよそ20億人で、すでに頭打ちになっています。今後も増える見通しはありません。

しかし、国連の推計によると、現在75億の世界人口は今後も増え続け、2100年に110億に達すると見られています。ここから分かるのは、人口爆発の原因は子どもの増加ではなく、「人類の寿命が延びるから」だったことです。

2100年には、高齢者人口は現在の3倍になっていると推計されています。現役世代2人で1人の高齢者を支えている計算になります。すなわち、21世紀とは、地球規模で高齢化が進み、現役世代がどんどん足りなくなる時代なのです。グローバル企業が無人運転やドローン配送の開発を進めているのは、ドライバーが絶対に足りなくなると分かっているからです。「AIやロボットに人間の仕事が奪われる」として無人化に反対する意見もありますが、それどころの話ではなく今後あらゆる分野で人間が不足していきます。無人化は、すでにやるやらないではなく「やるしかない」ところまで追い込まれているのです。

子ども人口が相対的に減っているので、若者不足はすでに始まっています。現在世界的に初任給は引き上げが続いています。トップクラスのプログラミング人材は、新卒で数千万の年俸を提示されます。日本もこの流れと無縁ではいられません。NECでも、初任給1000万を提示して話題になっていますが、賃金を大きく引き上げなければ、日本のトップ人材は全員海外で就職してしまいます

これは一握りのエリート人材に限った話では済みません。オーストラリアは最低賃金が高いことで有名です。円換算で時給1500円ほどになります。祝日の場合。3800円にもなります!
もちろん、厳密にこのルールが守られているとは限りませんが、それでも他国とは比較にならない高賃金であり、移民や出稼ぎ労働者が殺到しています。平均年収は日本の1.5倍にもなります。日本の最低賃金は東京ですら1000円に達していません先進国で最低レベルです。今のまま賃金が上がらず国民負担ばかりが増大し続ければ、日本の若者が雪崩を打ってオーストラリアに逃げ出すのも時間の問題です。
いったんこの「Xデー」を迎えてしまえば、政府の推計をはるかに上回るペースで高齢化が加速するため、もはや完全に手遅れになります。

若者の海外流出を防ぐには、賃上げしかない

世界では減り続ける労働力の熾烈な奪い合いが繰り広げられています。韓国が最低賃金を一気に2割近く引き上げて話題になりましたが(今は日本より高額)、そこまでしないと若者が海外に出て行ってしまうからです。
本来、世界で最も賃上げに力を入れねばならない国は、他ならぬ日本です。現役世代が減り続ける中で社会保障を維持するためには、1人当たり賃金を上げ続けるしかないためです。

「出稼ぎ外国人を増やせば賃上げは必要ない」という意見もあるでしょうが、すでに述べたように、そもそも国内の賃金が低ければ誰も出稼ぎに来てくれなくなります。「賃金が低すぎる」ことこそ、高齢化の真の原因だったのです。少子化はあくまで二次要因に過ぎません。高齢化対策のためには、子育て支援よりまず賃上げが最優先です。

そもそもいくら出生率が高まっても、国内の賃金が低いままだったら、成長した子どもたちは皆オーストラリアにとんずらしてしまいます。
もちろん少子化を放置しておいたら日本人が絶滅してしまうので、それはそれで対策が必要ですが、高齢化とは別の問題として認識する必要があります。では具体的にどこまで賃上げすればいいかというと、答えは明快です。

世界一になるまで無制限に上げ続ける

です。高齢化率が世界一高い以上日本は、世界で最も良い条件で現役世代を集めなければならない社会です。移民政策に反対の人も多いかもしれませんが、日本の在留外国人は、すでに総人口の2%に達しています。これは「さいたま市総人口の2倍」です。これだけの労働者がみんな日本から去ってしまえば、もはや社会が成り立ちません。今後も政府は外国人の受け入れを増やしていく予定です。日本はすでに立派な移民大国」なのです。

オーストラリアの高齢化率は15%ほどで、日本の半分程度にとどまっています。これは、英語圏最高の高賃金に惹かれて、世界中から若者が移民してくるためです。若者が増えれば、出生率は自然に上がります。高齢化が進まないので、現役世代の負担は軽く、ますます賃金として還元することが可能になります。日本もこの成功ケースを真似ればいいのです。

世界中から若者が殺到する国を目指せ

中途半端な賃上げでは英語圏のオーストラリアに勝てません。迷わず「賃金世界一を目指すことです。もちろん、英語の公用語化も進めていく必要がありますが、それはあくまで補足に過ぎず、まずは賃上げが先決です。

賃金世界一はやるやらないではなく「やるしかない」のです。他に高齢化を解決する方法はありません。問題は残された時間がそれほど多くないことです。こうしている間にも高齢化は進んでいます。せめて10年以内、遅くとも15年以内には、世界最高の賃金を実現し、若者が世界から殺到する状況を生み出す必要があります。

参院選で一応の勝利を収めた自公政権は最低時給1000円を目指すと公約に掲げていますがこれは「通過点」に過ぎません。時給1000円でフルタイム労働しても年収200万円程度です。ここから税金や年金が引かれるので、生活保護を受けたほうがよほど楽な暮らしができます。最低時給1500円年収300万円程度は決して法外な水準ではなく人道上もできるだけ早期に実現しなければなりません。これは現役世代と高齢者「両方が得をする」真の国民的政策です。みんなで力を合わせて必ず実現させましょう!

image by: Shutterstock.com

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【著者】 マキト恋愛道場 【発行周期】 不定期(週1回以上)

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