日本では手紙の宛名の書き方を知らない子どもが増えているそうです。そんなNHKのニュースに触れたNY在住のりばてぃさんが、『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』で、アメリカの若者の間で増加傾向にあるという手紙事情を紹介してくれます。もともと様々な機会に手紙を贈りあう習慣があるアメリカですが、手軽なSNSの普及の影響で、贈るならより特別感のあるものをというニーズが高まっているようです。ビジネスチャンスが見つかるかも?
アメリカでは若者が手紙を出す傾向に!?
直近のNHKの報道で、「手紙が書けない子ども増加 SNS普及が背景に」というものがあった。
ご参考: ● 手紙が書けない子ども増加 SNS普及が背景に
詳細を読むまでは、SNSで短文投稿が多いため長い文章が書けない子どもたちが増えているという問題なのかと思ったらまったく違った。手紙の宛名(住所や名前)を正しく書けない子どもたちが増えているという話だった。
宛名を書く前に検索したら良いのではないのか?などと言った声が案の定このニュースに対する反響として出ているが、百歩譲って宛名の書き方を知っていたとしたら便利なのは、検索する時間がかからないことだろうか?
そうだとしても、大した問題ではないし、これが中学校の全国学力テストに含まれているのはちょっとよくわからない。それよりも気になったのは、ニュース動画で紹介されている不正解例として、宛先住所の横にEメールアドレスが書いてあったものがあるが、これは逆に気が利いていて良いと思うがどうだろうか。もし宛先の住所がわかりにくく迷った際に電話番号やEメールアドレスがあるのは便利だと思う。
郵便局が使う住所読み取り機械の認識に支障が出るなど問題あれば、封筒の裏に明記するでも良い。Eメールアドレスを書くこと自体は、万が一を考えた対策と考えると、不正解にすることで自由な発想を否定してしまうように思う。
このニュースについては、いろいろもやっとする想いが残るが、SNSの普及で手紙を書かない人が増えているという点がちょっと気になったので、アメリカの場合を調べてみたところ、なんと、若い世代の利用増により手紙(英語ではGreeting Card)の利用が増えているという。
具体的には、米国小売業協会によるバレンタインデーの手紙に関する収益調査で、2018年は8億9,400万ドル(約970億円)だったのが2019年は9億3,300万ドル(約1,015億円)に増加したとのこと。
ご参考: ● Fewer consumers celebrating Valentine’s Day but those who do are spending more
この調査を引用し報じているNPRによると、いわゆるSNSをもっとも利用する若い世代が特に手紙を利用しており、特徴としては特別なデザインとか、その手紙を贈ることで印象つけられる、パーソナルであるなど特別な体験ができるものの売れ行きが良いという。
また、オリジナル写真を使った特別な手紙のニーズも増えており、例えば、ShutterflyやVistaprintといった写真などを印刷する会社でのオーダーも増えているという。
ご参考: ● Shutterfly ● Vistaprint
なお、アプリを使って手軽に手紙を作成して送れるサービスもあり、例えば、Feltはスマホを使って指で手書きのメッセージも入れることができる。
実際に受け取る手紙には送り主の手書きのメッセージが印刷される。似たようなサービスにPostableというものもある。
より特別なデザインの特別な手紙ということで手紙自体の価格は高くなっているということだが、特別な手紙じゃないと贈る意味がないので売れなくなってきているとも言えるかもしれない。
ご参考: ● Greeting Cards Are Still A Thing In The Digital Age. Thanks, Millennials
日本よりもアメリカではバレンタインに限らずクリスマスなどのホリデーや誕生日、昇進、卒業祝い、病気の人への応援の手紙など様々な機会で手紙を送り合う習慣があったが、SNSが普及したからこそ、より特別なものにしようという動きがあるようだ。
ちなみに、特別な手紙のスタートアップ企業のLovepopは累計投資額2,100万ドル超と注目の企業の1つ。ニューヨークの小売店でLovepopを取り扱うお店もあったが、ハドソン・ヤードのショップにニューヨーク初となる直営店をオープンし賑わっている。
ご参考: ● Lovepop ● Lovepop brings magical moments to Hudson Yards’ Floor of Discovery
他にもブログで過去にご紹介したお寿司カードなんかも。
ご参考: ● I love you more than sushi お寿司よりも愛してる!??
また紙専門店も。
ご参考: ● NYで「紙屋さん」と言えばココ、「ペーパー・プレゼンテーション」 Paper Presentation
アメリカではまだまだ手紙を書くニーズがあり、機会あるごとに手紙を贈っているが、けっこう喜ばれるし、逆に受け取った手紙はしばらく部屋に飾ったりする。
日米でいろいろ違いはあるが、高級和紙で作った特別な手紙とか作ってアメリカで売り出したらそれなりに人気が出るのかも?
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