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エアコンによる筋肉、血管、関節、肌の冷えと身体の不調の関係性

まだまだ続く暑い夏。エアコンの使用は欠かせませんが、冷えた空気に直接肌や粘膜がさらされるのはよくないようです。冷えが内臓にまで及ぶと、腹痛や下痢などの症状がでることもあるなど、エアコンによる冷えと身体の不調の関連を、メルマガ『鍼灸師・のぶ先生の「カラダ暦♪」』の著者、のぶ先生が解説。室内熱中症を防ぐために、エアコンを上手に使いつつ、身体を動かすことの大切さも説いています。

エアコンの目的

【エアコンはカラダを凍らせる】

自然に吹く風や扇風機の風は、カラダの表面の熱を気化させて、体温を下げてくれます。また、空気を撹拌してくれることで、肌や呼吸器にこもる熱を追い出しもくれます。

ところが、エアコンの冷気は、こうした自然の風とは異なり、冷たい氷の粒のような冷気が冷風に乗ってカラダにぶつかってくるわけです。カラダから熱を取り払ってくれるのが風の作用。カラダを凍らせるのがエアコンの冷気の作用、というわけです。

【カラダのあちこちが凍ると】

・筋肉を冷やすとひきつれる エアコンの冷気に直接あたりっぱなしにしていると、筋肉が冷やされます。カラダを動かす筋肉が冷えて固くなると、動きづらくなります。筋肉は内臓にもあります。内臓の筋肉が冷えることで、腹痛の原因になったり、胃腸が冷えて下痢をしたり、膀胱炎になったりするわけです。

・血管が冷えると腫れる 冷気で冷えて血行が悪くなると、カラダのあちこちで腫れやかゆみの症状がおこります。とくに粘膜が露出している目や鼻、のどなどの血行が悪くなると、粘液の分泌が悪くなって、分泌物が増えたり、腫れや赤み症状がめだつようになります。

・関節を冷やせば動けない 足腰や肩などのダイナミックに動く関節を、長期間エアコンの冷気で冷やし続けると、関節を養う血流が滞ったり、関節の運動をうながす筋肉が充分に関節を動かせなくなると、可動域は狭くなります。また、直接関節が冷えて固くなると、いつもの動きも負担になります。いつも通りのつもりで関節に負担をかけて動かし続けると、関節内で炎症がおこり動かなくなることもあります。

・肌を冷やすと風邪をひく とくに後頭部から背中にかけてエアコンの冷気で冷やすと、カラダは冷えに対して抵抗しようとして発熱することがあります。発熱まで至らなくても、カラダに冷えが侵入しないように風邪症状と同じように、咳をし始めたり、免疫反応としてのどを腫らせたりします。

【エアコンの目的は吸い込む息を冷やすこと】

エアコンの冷気を直接吸い込むと、ほこりや「氷の粒」のような冷気で、呼吸器粘膜に負担をかけます。エアコンで身のまわりの空気を冷やし、その冷えた空気を吸い込むことで、カラダはここちよく熱気を冷ますことができます。

直接カラダにエアコンの冷気を当てないようにカラダを冷ますためには、エアコンをつけたら扇風機で室内の空気を撹拌して、布団にくるまって涼しい部屋で寝ることです。

起きているときも同様に、できるだけエアコンの効いている部屋では肌を露出させないこと。薄着でもよいので、直接冷気に肌をさらさないことが望ましいです。

そして、たびたび温かい飲み物を口にして、鼻やのどの粘膜や消化器を温めて体内の血流をうながすこと。気がついたときには筋肉や関節を解きほぐして血行をうながすように、ストレッチのような冷えた筋や血行をゆっくり動かす運動を行うことです。

室内で熱中症になる人は、効果的に体温の調整ができていないから。室内の空気をほどよく冷まして、涼しい部屋で呼吸器だけ冷却して、カラダが冷えないように注意して、時々運動しながら血行をうながすことで、室内での熱中症対策がかないます。

動かないでジッとしているだけではカラダは冷えのぼせてしまいます。動くことで汗をかいて体温調整する機能にもスイッチが入ります。エアコンだけに頼る体温調整では、カラダは冷えて疲れるばかり。まずは体温調整できる生活の工夫をしながら、エアコンも上手に合わせて使えるといいですね。

image by: Shutterstock.com

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臨床歴20年の鍼灸師。東京都杉並区在住。「やさしい鍼」という流儀で治療を行っている。小学生の娘2人をもつ、子育て真っ最中のパパでもある。メルマガには季節にあった体に負担のかからない暮らし方、食事のとり方が書かれているので、そのとおりに過ごせば病知らずです。

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【著者】 鍼灸師・のぶ先生 【月額】 660円/月(税込) 【発行周期】 毎週金曜日

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