【債券市場】1月第3週以降、波乱含みの展開となる可能性も

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このまま債券市場はフローズンとなってしまう?

『牛さん熊さんの本日の債券』(2015年1月9日号)

熊「本日の債券先物は、前日比2銭安の148円10銭で寄り付いた」
牛「海外ではリスクオフの巻き返しが強まり、米債なども下げてはいたが」
熊「債券先物は売られはしたけど、わずかに2銭安か」
牛「寄り付いてからじりじりと下落して、10時41分に147円97銭をつけた」
熊「今日は予定通りに日銀の買入も入ったが、このタイムラグのある売りはなんだ」
牛「強いて言えば、超長期債が売られていたからか」

熊「ところが、その超長期債はさらに売り込まれたにも関わらず」
牛「債券先物は147円97銭を安値に148円24銭と7日の過去最高値に並んだ」
熊「この間、今度は5年債が買われ、0.010%と過去最低利回りを更新」
牛「いよいよゼロ%というかマイナス金利も見えてきた」
熊「これもあっての債券先物の買い戻しなのかもしれないが」
牛「結局、債券先物の引けは8銭高の148円20銭と引け値では高値更新」
熊「東京株式市場は買いが先行し、日経平均は3日続伸となった」

牛「しかし、今日の米雇用統計や三連休控えて、次第に上値が重くなった」
熊「今日の日経平均は結局、30円高で引けている」
牛「日銀は国債買入をオファー」
熊「対象は残存1年超3年以下、3年超5年以下、10年超25年以下、25年超」
牛「超長期ゾーンの倍率が高めで、実勢からもやや甘めの結果」
熊「来週14日の30年債入札も意識されたと思われるが」
牛「某生命が国債購入をやめたと表明したことが報じられたのも要因か」
熊「VARショックのきっかけも某大手生保が1%以下の超長期債を購入しない発言であったような」
牛「現物は2年債がマイナス0.030%に低下し、5年債は0.010%」
熊「10年債は0.280%と変わらず」
牛「そして20年債は4毛甘の0.955%、30年債は5毛甘の1.155%」
熊「今日の6か月物TDBの入札はしっかり。最高落札利回りもマイナスに」
牛「さすがに異常なまでの金利低下となり、投資家さんの動きも気になるが」

熊「欧州の国債含めて来週以降、かなり波乱含みの展開となる可能性もあるか」
猫「どうかしらねえ、このまま債券市場はフローズンとなってしまうのでは」
熊「4月あたりには物価も、ありのままの、姿見せるかもしれないしなあ」
猫「ここまで金利が低下しても、少しも寒くないわ、みたいだし」
牛「そうはいっても、債券市場が凍り付いたら市場関係者もいなくなってしまうんやないか」

 

『牛さん熊さんの本日の債券』(2015年1月9日号)

著者/牛熊
1958年、神奈川県生まれ。慶応義塾大学法学部卒。証券会社の債券部で14年間、国債を中心とする債券ディーリング業務に従事する傍ら、1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。専門は日本の債券市場の分析。特に日本国債の動向や日銀の金融政策について詳しい。現在、金融アナリストとしてQUICKなどにコラムを配信している日本アナリスト協会検定会員。
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