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雑貨店の無料ラッピング袋を入手するために最適なグッズは何か?

日常生活において不思議に思ったり、ちょっと気になったあれこれについて考察するメルマガ『8人ばなし』。著者の山崎勝義さんは今回、非売品をどうしても欲しくなってしまう気持ちと向き合ってきた体験を語ります。まずは、雑貨店のオリジナルラッピング袋(非売品)を自然に入手するために辿り着いた理想のレジでの会話と、それを実現するのにぴったりなグッズを見い出した話を披露しています。

非売品のこと

こんなことはないだろうか。お店で売り物以外の物が欲しくなる

例えば、そこそこおしゃれな雑貨店などのラッピング袋などがそうである。いい感じの棚にいい感じにディスプレイされている袋…こういう時に限って想像力は能く働く。あれを入れて、あそこに置いて、その前に周りをちょっと片付けないとな…自分のプランが完璧に思えて仕方がない。

そのためには何かを買わなくてはならない。要らなくても買わなければならない。そしてレジにて
「ご自宅用ですか?」
「いえ」
「ではプレゼント用ですか?」
「はい」
「こちらが無料のラッピング袋となりますがよろしいでしょうか?」
「はい、それで大丈夫です」
といった会話が滞りなくなされなければならない。そうして晴れてその袋は自分の所有物となるのである。

ただ、そもそもが要らない物なのだから買うものには苦慮する。無論、安いに越したことはないが、どうだろう、100円200円の物で図々しくラッピングをねだるのはさすがに心が痛むのではないだろうか。個人的に言えば、まず2、3000円くらいは使わないとレジで店員さんの顔は直視できない

また前述の会話を何の不審も抱かせずに成立させるには如何にもプレゼントらしい物であることも大切である。自分は男性なのだから女性ものを買いさえすれば100%こちらの目論見通りに話は進む。だがこの場合、それを誰にあげるにしろ相手の女性に「要らない」と言われてしまえばそれまでである。さすがに自分で使う訳にもいかない。

となれば買うべきは、自分にとって今すぐに必要という訳でもないが別にたくさんあっても困るという物でもなく、かつ一見するとプレゼント感あふれる物がベストである。

最適の物がある。ハンカチとタオルハンカチ(ハンカチタオル)である。これならいくらあっても困らない。実は何気にタオルハンカチというのが味噌なのである。ラッピング袋にも当然欲しいサイズというのがある。小さいのならハンカチでいい。中くらいのが欲しい時はタオルハンカチとフェイスタオルをお揃いで、大きいのが欲しい時はタオルハンカチとフェイスタオルとバスタオルの三点をお揃いで買うのである。

ここで下手にケチなことを考えてはいけない。フェイスタオルもタオルハンカチとセットになってこそ、またバスタオルもフェイスタオルとタオルハンカチのお揃いサポートがあってこそプレゼント感が増すのである。これがフェイスタオルだけ、バスタオルだけであればどう見てもご自宅用感の方が勝つ。これではレジで何も問われぬまま通常袋にサッと入れられてしまうかもしれない。杞憂かもしれないが、いやきっと杞憂だろうが、何としても「ご自宅用ですか?」という最初の言葉を極々自然に言い出したくなるようにしなければならないのである。

我ながら何ともめんどくさい限りだが、共感していただける読者が多いことを祈るばかりである。

ただ自分にとって、この種の非売品欲求が如何に強いかということを物語るエピソードを最後に二つほど紹介したい。

昔、何かの用事でバイク屋にふと立ち寄った時にたまたまある店内看板に目が行った。それには「ただ今ご成約の方にもれなく高級ツールボックスプレゼント!」とあった。それが如何にもかっこいい。有名バイクメーカーと高級ツールメーカーのオリジナル・コラボ商品でどうにもこうにも欲しくてたまらなくなった。いよいよバイクを買うより他なしと覚悟を決めた時、自分の一番お気に入りのカラーのツールボックスだけが国内品切れと言う。それで一気に欲しい熱が冷め、事なきを得た

それから数年後、車のディーラーでまた同じような経験をした。その時はある車の狭いラゲージスペースにピッタリ納まるキャリングケースセットであった。大小いくつかのケース類が本当に寸分違わずピッタリ納まるのである。これもいよいよかという時、右ハンドル仕様がないということが分かり、残念ながら、というより幸いにも買わずに済んだ。

車やバイクは恐ろしい。誰でも買えるからだ。後は毎月恐ろしいペースで貯金が減って行くだけのことである。それを思うと、ハンカチやタオルハンカチの類はかわいいもんである。やはり自分にはこのくらいの「無駄金使い」と「無駄気ぃ遣い」でちょうどいいようである。

image by: Shutterstock.com

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ここにあるエッセイが『8人ばなし』である以上、時にその内容は、右にも寄れば、左にも寄る、またその表現は、上に昇ることもあれば、下に折れることもある。そんな覚束ない足下での危うい歩みの中に、何かしらの面白味を見つけて頂けたらと思う。

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【著者】 山崎勝義 【月額】 ¥220/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 火曜日 発行予定

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