「友達ができない」「本当の友達がいない」ということを悩む子どもは多いようです。そんな悩みを打ち明けられたとき、親はどんなアドバイスをしたらいいのでしょうか?メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者で家庭教育のプロの柳川由紀さんが、まず本人に問いかけ確認すべきことがいくつかあるとアドバイス。困りごとや「友達の理想像」を明確化することが友達作りにも役に立つと教えてくれます。
友達ができない
Question
一人娘が、「本当の友達がいない」と悩んでいます。「今いなくても、将来できるから大丈夫よ」と軽く言ったのですが、娘は「ママはできたかもしれないけど、私はママじゃないもん」と深刻です。
私は、確かに娘と違い友達が多い方なので、娘の気持ちがよくわからず、アドバイスに困ります。(小学4年女児のお母様より)
柳川さんからの回答
小学生の悩みベスト3のうちの1つが、「友達がいない」というものです。多感な年齢のお子様への助言は難しいですね。「友達がいない」と悩むお子さまへのアドバイスについてお伝えします。
1.何に困るのかを明確にする
「本当の友達がいない」とは、どういうことなのかを、まずお子さまにきちんと聞くことから始めましょう。「本当の」とはどういうことか?「友達がいない」ことで、何に困っているのか?
つまらないのか、寂しいのか、通り一遍の会話はするけれど、心を許せる人がいないのか?そもそも、友だちを欲しいのはなぜか?
お子さまが気持ちを整理し、何に不安を感じているのかを明確化できれば、お子さま自身に気づきが生まれます。まずは、親としてお子さまの発言に耳を一生懸命傾け、聴いてあげることです。
2.一歩踏み出す勇気を持たせる
お子さまが何に不安なのかを自分で気づいたとき、次に、この状況がどうなればいいのか何をしたいのかを確認することです。
一つ一つ確認していくと、子ども自身が、どうすればいいのかに気づきます。気づかなかったとしても、気持ちが整理されることで悩みの軽減につながります。
今の状態を変えたいと思うのであれば、何か行動を起こすのが一番の近道です。その時に、子どもに寄り添いながら、何ができそうかを一緒に考えましょう。
中高生になるとお互いの好みや人柄など相性なども出てきますが、小学生の場合は、意外と単純な理由で友達になれるケースが多いものです。積極的に人と関わりを持つようにすることで、あっさりと友達になれるかもしれません。
じゃあ、積極的に人と関わりを持つにはどうしようか?何ができると思う?などと子どもに考えさせながらサポートすることが大切です。
3.自分が理想の友達になる
人によって「本当の友達」の定義が違いますね。ですから、お子さまが考える「本当の友達像」に、お子さま自身がなってみることも一つの手です。お子さまに共感した子どもが「本当の友達」になるかもしれません。
また、友だちが多い人は、年齢を問わず共通項があります。いくつか挙げましたので参考にしてみて下さい。
・相手をありのまま受け入れる人
つまり、相手を評価せず欠点だとしてもそれを特性として受け入れたり捉えたりし、それも含めて丸ごと受け入れる人です。
・自ら行動している人
誘われる前に誘う、連絡をくれる前に連絡するなど、受け身ではなく、自分から考え、自分の意思で行動している人です。
・目の前の人を大切にする人
一緒にいても、相手がスマホを触っていたり、うわの空で話を聴いていたりすると、自分を軽視されていると感じ、残念に思います。今、目の前にいる人にフォーカスし、その人との時間を大事にできる人です。
・感謝できる人
相手に感謝する気持ちを持てる人は、相手を笑顔にできる人です。笑顔は人を惹きつけます。
家庭教育アドバイス…「本当の友達」
「本当の友達」の定義は様々ですがお子さまにとっての「本当の友達像」を明確にしましょう。
人と付き合う上で、相手に良く思われたい、という気持ちが働き、なかなか自分を出せずに、相手に合わせてしまうこともあると思います。「本当の友達」を作るには「自分をさらけ出すこと」や、「絶大な信頼関係」が必要かもしれません。自分の弱さを見せたり、人に見せたことのなかった面を出したりすることで、相手も心を開きやすくなります。
また、「自分がとても大変な状況の時に助けてもらった」「辛い時期を一緒に乗り越えた」など、苦しかったり、辛かったりした経験を共有することで、連帯感が大きくなります。
人間関係は、大人でも難しいものです。本当の友達は一朝一夕にできるものではありません。時間がかかるということもお子さまに伝えておきましょう。
image by: Shutterstock.com