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仕事を頼んだ部下に「できません」と断られた上司が取るべき行動

「何もしなければ、今できないことはできないまま」と頭では判っていたとしても、周囲からやかましく言われるだけでは簡単にエンジンはかからないものです。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』では著者の石丸智信さんが、あらゆる場面で効果的な「できない・わからない」を「できる・わかる」に進化させる考え方を紹介しています。

「私にはできません」からの脱却

職場で、上司である自分が、部下に対して任せたい案件があった時に、部下から「私にはできません」などと言われて、断られてしまったという経験はありませんか。

または、その逆で、部下である自分が、「それは分かりませんし、経験がありませんから、できません」などと言って、任せてもらえる案件を断ったという経験はありませんか。

私自身も、そういった経験があります。本号では、「私にはできませんからの脱却について考察していきたいと思います。

「自分には分からないし、できないよ」などといったように思っていると、これからずっとできないんじゃないか、分からないじゃないか、などと思い込んでしまうかもしれませんね。

しかし、経験などからも、そんなことはないですね。今の段階ではできない、分からないという状態にあるだけですね。

そして、できない、分からないというのは、ひとつの見方、視点にすぎないように思います。

任された案件などに対して、何から何までできない、分からないということではないでしょうし、今、できている状態、分かっている状態であっても、これからもずっとその状態が続くとは限らないでしょう。

誰であっても、「できない、分からないという状態から、できる、分かるという状態に成長すること、進化することができますし、その可能性を持っているのではないでしょうか。

しかし、その可能性があるとは言っても、上司であったり、親御さんであったり、周りの人たちが、無理やり引っ張ってしまうと、大事な可能性の芽を摘んでしまうこともあるのではないかと思います。花に適度に水や養分などを与えるように、成長しよう、進化しようとする可能性の芽が伸びてくるような環境を与えることができるかが大事になってきます。

大人であっても、子どもであっても、周りから無理やり成長すること、進化することを促されたとしても、その当人は、なかなか変わることができませんね。その当人自身、自分自身が、成長したい、進化したいなどと決意した時こそ、挑戦する、行動することができるのではないでしょうか。

「自分にはできない」などと思っている状態の時には、その状態、状況から脱するために、新たな視点・見方、考え方が必要ではないかと思います。まずは、「自分にはできないなどと思い込んでいる状態から自分にもできるかもという視点、考え方で、改善策や解決策を見つけようとすることが大事ではないでしょうか。

例えば、5日間で、逆上がりができるようになる、という課題が与えられた時に、「5日間で、逆上がりなんてできっこないよ!」などといった思い込みから、「友達の〇〇君に教えてもらったら、できるかも」「〇〇さんに教えてもらったら、コツがわかるかも」などいった「できるかも、分かるかもという視点・見方で、改善策、解決策を自らが見つけていきます。

このように「自分にもできるかも、分かるかも」という視点・見方で解決策などを見つけても、まだ実際には、その解決策、改善策に挑戦したり、行動したりしているわけではありません。ですので、周りの人が見て分かる形での具体的な結果、成果を出しているわけではありません。

しかし、「こうすればできるかも、分かるかも」という視点・見方をすることによって、「自分にはできないという思い込みからは一旦離れることができます。また、改善策、解決策となるような答えを導くことができたという達成感といったものを得ることはできると思います。

それが、次のステップである実際に挑戦する、行動する、実行することに向けての一歩になるのではないでしょうか。

自分自身を伸ばすことができる人、そして、他者の成長を促すことができる人は、自分や他者の達成感や充実感といった気持ちを大事にしているように思います。自分や他者が、達成感や充実感を感じることができるということは、その本人が自ら答えを見つけるからこそ、そういった気持ちを味わうことができるのではないでしょうか。

反対に、周りから答えを与えられる、または、他者に対して、とても良い解決策となる答えを一方的に与えたとしても、そこには、達成感などといった気持ちを得ることは難しいのかもしれません。子どもたちの成長を促すという観点からも、この考え方は大切になるのではないでしょうか。

とは言っても、自分自身が見つけた答えと周りから与えられた答え、もしくは、自分が与える答えと、他者自身が見つけ出す答えの内容が同じであれば、「どちらでもいいじゃないか、そのほうが早く答えを出すことができるのだから」と考えてしまうかもしれませんね。

このような考え方は、早く明確な成果を出すという視点で見ると、適切な選択肢のひとつであるとも言えるでしょう。

しかし、自分や他者が成長し続ける、進化し続けるという観点から見ると、自分自身が、周りからすぐに答えを与えてもらう、また、他者に対して、すぐに答えを与えてしまうということが、適切な選択肢なのかということを、考えることも大切ではないでしょうか。

◆参考文献:『「できる人」で終わる人、「伸ばす人」に変わる人』吉田典生 著/日本実業出版社

image by: Shutterstock.com

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【著者】 いしまるとものぶ 【発行周期】 週刊

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