年末年始の帰省や旅行で車を使用した方はガソリンスタンドで給油をしたと思いますが、ガソリンの値段いくらだったか覚えていますか?安いと感じましたか?高いと感じましたか?12月のレギュラー看板価格は平均で142.5円。実はこの秋からジワジワと上がっているんです。でも、そんなガソリンの価格が今後もっと跳ね上がるかもしれません。そう、あの影響のせいです。
アメリカとイランの緊張で原油価格が高騰中
トランプ米大統領の命令により、アメリカ軍が1月3日未明、イラクの首都バグダッドの国際空港で、イラン革命防衛隊のガセム・ソレイマニ司令官をドローン攻撃で殺害。アメリカとイランの緊張が一気に高まっています。第三次世界大戦の引き金になるのでは? と不安視する声が挙がっているほどです。両国の間で激しい応酬が行われていますが、今のところ大きな動きはありません。しかし、既に様々なところにこの影響が出始めているのです。
我々の生活に直撃しそうなもの、それは原油です。中東地域で何か起きるたびに、それと連動するかのごとく原油価格は跳ね上がります。
1990年8月に起きた湾岸危機。この時、世界的な油田地帯であるペルシャ湾岸の一部が戦場となったことから、原油価格が急騰。それと同時に、株価が急落するなどの“湾岸ショック”が起きており、中東情勢の緊迫化に対する経済界の不安感は根強いといえます。
では、今回はどうなのでしょうか?イランの周辺には原油輸送の重要拠点であるホルムズ海峡が存在。もし、ここを航行するタンカーなどに被害を受ければ、サウジアラビア、クウェート、イラク、UAEなど周辺国からの原油供給も大きな影響を受ける可能性があります。日本の原油は中東地域からの供給が8割を超えています。石油輸出国機構(OPEC)などの産油国が供給を引き締めるため、価格はさらに上昇するでしょう。
実際すでに原油価格は上がっています。
昨年9月の出来事を覚えているでしょうか? サウジアラビアの主要石油施設がミサイルを搭載したドローンの攻撃を受け、イエメンの反政府武装組織フーシが犯行を主張した事件。「ドローンで攻撃できちゃうんだ」と驚いたものですが、この攻撃を受けたことで世界の原油供給の約5%が失われました。その結果、原油価格が急騰し、1バレル=63.38ドルを記録しました。
実はこの高騰した価格から、下がることなくジワジワと上昇し始めていたその矢先に、今回の事件が起こりました。その結果、昨年5月20日に記録した高値を一気に更新してしまったほど、現在も高騰を続けているのです。
果たしてこの先、原油価格はどうなってしまうのでしょうか?そして、我々の生活にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
今すぐに影響はないものの…
アメリカ軍がイラン革命防衛隊のガセム・ソレイマニ司令官を殺害し、アメリカとイランの緊張が一気に高まる中、原油価格が高騰しています。今後私たちにはどのような状況が待ち受けているのでしょうか?
石油元売り大手のJXTGエネルギー、出光興産などによると、現時点では中東からの原油調達には障害は出ていないとしており、また各社ともに、中東地域を含めた出張自粛などの取り組みは行っておらず、情報収集を進めていると産経新聞は伝えています。
また、出光興産の木藤俊一社長は6日の年頭訓示で「中東情勢の緊迫化にしっかり対応する必要がある」と強調。JXTGエネルギーは「原油価格が上昇しており、この緊張状況が続けば、高値圏で推移する可能性が高い」とみており、原油相場の動向も注視しているという。
他にも影響を受けそうなものがいくつかあります。
例えば、石油化学製品。レジ袋やごみ袋などに使うポリエチレンは原油価格が高騰すれば、製造コストも上昇すると見られ、家計の負担となってしまうでしょう。
火力発電の燃料や都市ガスの原料となる液化天然ガス(LNG)の国内使用分の約2割を中東から購入しているため、もし戦闘にでもなった際には影響を大きく受けます。
かつてのような、オイルショックでトイレットペーパーを買い占める…というようなことはさすがにないにせよ、「ガソリン価格が高いから車で出掛けない」、「燃油サーチャージが高いから旅行に行かない」などの消費行動を控えたり、物流コストの上昇、電気代やガス代の高騰に伴う節約など、経済が一時的に低迷してしまうことは否めません。
原油価格上昇が与える影響
6日の東京原油市場の先物価格でも、去年5月以来の高い水準で推移。取り引き開始直後から買い注文が殺到しました。先月は1キロリットル当たり3万8000円台から4万2000円台で取り引きされていましたが、午前中に一時4万4000円を超えるなど、およそ7か月ぶりの高い水準となり、終値は4万3690円でした。
すでに様々なところに影響が出始めた、アメリカとイランの緊張状態による原油価格上昇。ネット上でも心配する声が多数挙がっています。
地政学的リスクの高まりに伴う原油価格の上昇が、南アフリカ、トルコ、インドなど原油を輸入する新興国を一段と圧迫している。これらの国はすでに経済の低迷に見舞われている。 https://t.co/hoT5qh0smD
— ロイター.co.jp (@Reuters_co_jp) January 7, 2020
確かに日本には半年分の備蓄はありますが… 原油価格の高騰は日本の製造業を殺すでしょう
しかも火力が主力な現状では、電気代の高騰は逆進税のように庶民の暮らしを圧迫しますよ…#ミヤネ屋 https://t.co/idssD8TJBK— ご神体003 (@goshintai003) January 7, 2020
原油途絶えたら運輸と電気壊滅するから普通に詰みなんだよなぁ。
— ウサギスターチャン (@Usagistar__chan) January 7, 2020
イランへの空爆
戦争にならなければいいけどもし戦争になれば
輸入している原油高騰は免れない
長引けば全ての価格が上昇するでしょう北朝鮮もどさくさに紛れて
弾道ミサイルを発射するのは
あるだろう遠くの場所でも情勢は気がかりだ
— re.to. (@retoro99) January 7, 2020
中東情勢改善はしてないと思うが、
市場は下げすぎの反発で上昇。原油価格も少し調整している感じかな。
— ベリーベリー@PDAガイヤルド (@qma_beriberi) January 7, 2020
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