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他者と比較して優劣をつけてきた母が、息子に言われた「衝撃の一言」

「若いころからいつも他人と自分を比べてしまいます」そんな方からの相談をよくもちかけられるのは公認心理師の永藤かおるさん。永藤さんはメルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』の中で、「比べることが大事だと思っていない」と話しています。

「いつも他人と比べてしまう」あなたへ

Question

50歳女性、A子です。

夫と、二人の子ども(22歳の息子、19歳の娘)がいます。

若い時から、いつもいつも他人と自分を比べてしまう癖があります。

学生の時は、自分はこのクラスで何番目に頭がいいか、かわいいのか。

社会人になってからも、同期の中で何番目か。

同僚の中でモテるのか、そうじゃないのか。

正直に言えば、結婚の決め手も、同期よりも早く結婚したかったから、その時に付き合っていた今の夫との結婚を急いだということもあります。

他の人と比べて、いき遅れたくなかったし、当時はそういう価値観の人がたくさんいました。

結婚してからも、周りの人はどんな服装をしているか、どんな持ち物をもっているか。

自分の夫は出世が早いのかどうかなどなど、いろいろなことがずっと気になっていましたし、子どもが生まれてからも、他の子と比較して成長が早いのかどうか、学校の成績がいいのかどうかばかり気になっていました。

数年前に、息子が就職活動をしていた時、私の知らない会社ばかりを受けようとしていたので、「なんでそんな誰も知らない会社に行くの? 親戚の〇〇ちゃんは大企業だし、△△ちゃんは有名な銀行よ。あなたならあの人たちより有名な会社にいけるでしょ」と言ったら、ものすごく冷たい表情で「そういう考え、いいかげん恥ずかしいと思った方がいいよ。俺がどこの会社に行くかをなんで誰かと比べなきゃいけないの? あと世界狭すぎ」と言われ、恥ずかしながらその時初めて自分が「他人と比べている」ことに気づいたのです。

娘や夫にも「ママはそういう判断基準しかない人だから」と、半ばあきれられています。

でも、他人がいることで基準は作られていくものだと信じていたし、自分がOKかどうかを測るものだと思っていました。

他人と比べることで、今まで私は安心したり、足りなかったらそれを補ったりしてきました。

私の考えはそんなに呆れられたり、恥ずかしいと思われたりするものなのでしょうか。

多分永藤さんはあんまり比べていない人だと思うのですが、なぜ比べないで大丈夫なのですか?

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永藤さんからの回答

うーん、なぜ比べないかというと、比べることが大事だとまったく思っていないからなんですよね。

多分A子さんの基準で考えると、50代後半独身子なし、誰もが知っている大企業勤務を早々に放り出し、その後は社員数ひとケタ~ふたケタの会社を転々とし、ブランド品も宝飾品も持たない私はとんでもない負け組だし、優劣でいえば劣の極み。

「A子さん基準」を私自身が持ったら、おそらく正気ではいられないでしょう。

でも、実際のところ私はかなりハッピーかつお気楽に人生を謳歌しております、おかげさまで。

なぜなら、自分の人生を、自分の軸で、自分の判断だけで選んできた自覚があるからです。

そして「自分の幸せ」を「他者との比較や優劣」とは無縁のところに置き、「誰が何といおうと」やりたい仕事、行きたい場所、欲しいもの、好きな人などを、自分だけに尋ねて、そこに毎回自分のリソースを捧げてきたからです。

嘲笑されていたかもしれないし、バカにされていたかもしれない。

かわいそうな人と思われていたかもしれないし、眉を顰められていたかもしれない。

でも、そんなことは知ったこっちゃないし、事実はひとつだけ。

「今の私は何の迷いもないし、何も困っていないし、幸せだし、大丈夫だ」ということです。

「自分の考えが誰かに呆れられたり恥ずかしいと思われているかも」と思うと、今のA子さん基準ではおそらく悶々とするでしょうね。

でも、誰が何をどう考えるかなんて、私たちはコントロールできないじゃないですか。

それはA子さんだけじゃなくて、ご家族も同じだし、周りにいる人たち全員に対しても同じです。

いただいた質問のお答えになっているかどうかわかりませんが、A子さんは今、幸せですか?

「私は幸せ」と即答できるなら、別に自分が呆れられているか、恥ずかしいかどうかなんて気にする必要はないです、というのが私の答えです。

そうではないとしたら?

「比べない」をやってみると、違いが分かるかもしれないですよ。

どうやるのか?

まずは自分の「誰が何といおうと」を意識的に追及するところから始めましょうか。

やったことないと思うので、難しいかもしれませんが、周りの方に迷惑が掛からない範囲で、自分だけでできる「誰が何といおうと」を探してみましょう。

「家族が何といおうと、今日の晩御飯は麻婆豆腐だ!」

「誰が何といおうと、この派手な猫柄のエコバッグを使う!」

そんな小さなことを少しずつ実践していくと、「誰かと比べること」がどうでもよくなってくるかもしれません。

それが自分の中で芽生えたら、周りの人に対しても、「別に誰かと比べなくても、この人はこの人!」と思えるようになるかも。

幸いご家族は、あなたを反面教師にしていて、他者比較に振り回されていないようですしね。

あ、思えるようにならないかもしれませんよ。

でも、そんな自分も、自分ですからね。

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image by: Shutterstock.com

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有限会社ヒューマン・ギルド 取締役研修部長 公認心理師(登録番号: 29160号) 。日本アドラー・カウンセラー協会認定シニア・アドラー・カウンセラー。日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメント・ファシリテーター 平成元年 三菱電機株式会社 入社。その後、ビジネス誌編集、語学専門学校専任教師など、20年以上にわたるビジネス経験を経て、自身が働く中で壁に当たった際に出会ったアドラー心理学を修得。 現在、日本におけるアドラー心理学の一大拠点であるヒューマン・ギルドにて、アドラー心理学研修講師(企業・自治体、教育機関、個人等)、カウンセリング、書籍執筆などを担当。

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【著者】 永藤かおる 【月額】 ¥440/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 第2金曜日・第4金曜日

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