新型コロナウイルスの拡散防止のためアメリカはどう対応したのか

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中国への渡航情報を見直し、危険度を4段階で最も高い「渡航してはならない」に引き上げたアメリカ。武漢在留の自国民をチャーター便で移送したのは日本と同様ですが、到着後の検査や隔離などの対応は、日本とは違い危機感が表れたものでした。『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の著者、りばてぃさんが、危機管理の観点からも今後の参考にすべき点があると、詳しく伝えてくれました。

武漢在留のアメリカ人、帰国後の対応

新型コロナウィルス問題を受けて、日本でも在留日本人が続々と政府チャーター便で帰国していると報じられているが、アメリカでも今週水曜日に200人ほどの武漢在留のアメリカ人がチャーター便で帰国した。

帰国後の対応に関しては様々な意見が飛び交っているところだが、アメリカではどんな感じなのか?というのを緊急対応の事例としてとりあげておこうと思う。

まず、武漢から戻ったチャーター便は米国時間28日(火)の夜遅くにアラスカ州にあるアンカレッジ国際空港に到着。飛行機が降り立った瞬間、機内では拍手が上がったと乗客だった人がインタビューに答えている。

飛行機の燃料補充をしている間に、国際線到着ターミナルである北ターミナルを隔離して、ここで入国審査と検査を実施。その後、夜中1時の出発までの間、暖かい食事が提供され電話などの充電もできたとのこと。

そして、夜中1時にアンカレッジ空港を再出発し、カリフォルニア州にあるマーチ空軍基地に29日(水)朝に到着。米軍に誘導され検査室へ。帰国した方々は29日から72時間、マーチ空軍基地に隔離され1日2回の検査をし様子をみるとのこと。

その後、問題がなければ自宅に帰ることが可能だが、最低でも14日間はその地域の公務員によって体調などの監視が続けられる。また希望者はそのまま14日間空軍基地に滞在もできる。ただし、まだ現在72時間経過していないので、72時間後に全員が解放されるのか帰宅できるのかは経過観察となっている。

なお、最初に到着したアンカレッジ空港の国際線北ターミナルは5月まで利用がないため、米国疾病管理予防センター(通称CDC)がしっかり消毒するとのこと。

ご参考:
Americans evacuated from China amid the coronavirus outbreak will be monitored for days
210 US evacuees fleeing China’s coronavirus outbreak land at California air reserve base

以上がアメリカ政府による武漢在留アメリカ人の帰国後の対応だ。武漢には1000人ほどのアメリカ人が在留し、その内の200人ほどなので、今後も随時、移送が続く。

空軍基地に現在滞在中の人たちはどんな環境で過ごしているのか気になるところだが、各種メディアのインタビューに応える帰国者の1人のアメリカンフットボール選手のジェロッド・エヴァンズ(Jerrod Evans)の様子を映像で見る限りでは、アメリカの一般的な家にある部屋で過ごしているようだ。

空軍基地ということで、栄養管理がされた食事も出ているだろうし、行動規制はあるもののリラックスできる環境で過ごせているのかもしれない。報道によると、屋外に出るなど動くこともできているようだ。

新型コロナウィルス、健康な人にとっては被害が大きくないそうで、むしろインフルエンザの心配をしたほうがいいくらいと言われているほどだけども、新しいウィルスということで念には念を入れたアメリカ政府の対応は「米軍基地に隔離」だった。出入りする人は政府関係者や医療関係者、そして訓練された軍人だけという環境なのでいろいろ安心ということなのだろう。

image by: EQRoy / shutterstock

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ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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