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残り配布に233億。漏れ率100%アベノマスクで不安は解消されるか

政府が妊婦や介護施設向けに配布する予定だった布マスクに、髪の毛や虫の混入や汚れや黄ばみなどの「不良品」が多く見つかったことが問題になっている。妊婦向けに配布する予定だった布マスクのうち、約400の市町村から3万枚が返送されたという。この布マスクを受注したとされる福島市の企業についての詳細を問われた加藤厚生労働相は、3月16日に「緊急随意契約」で「5.2億円」の契約をしたと明かした。残りの布マスクの全世帯配布は補正予算で233億円をかける予定で、総額約466億円の経費がかかるとされている。

緊急随意契約とは

緊急随意契約とは、公告で不特定多数から募り、もっとも有利な条件を提示した特定の業者と契約を結ぶこと。加藤厚生労働相曰く、今回は経済産業省主体で「品質」「価格」「迅速性」などを考慮して選定されたと朝日新聞が報じている。

漏れ率100%のアベノマスク

アベノマスクの生産を請けた男性はAERAdot.の取材で「1カ所でも汚れがあれば全体に広がる」とし、洗濯してもこの仕様では「縮んだり、型くずれする」と話す。WHOも布マスクは推奨しないと明かしていたことにもついて触れ、「これで感染防止ができるとは思えないので使いません」と述べていた。また、AERAdot.によると、聖路加国際大大学院の大西一成准教授は、マスクの外側と内側の粒子の数を計測し「漏れ率」を計測。5回中5回100%の漏れ率になり、外に浮遊している粒子がすべてマスクの内側に入るという結果となったことを明かした。大西教授は「一生懸命マスクの周りを押さえて測ってみても、漏れ率は97%だった」と述べている。

菅氏「国民の不安解消の政策目的」

菅義偉官房長官は24日、マスクの配布が予定より遅れることを認めた。補正予算233億円を使った配布は取りやめ、希望者のみの配布と見直すべきとの声もあがったが、菅氏は否定。布マスク配布は「国民の不安解消の政策目的」とし、「必要な対応であり、代替できる手段はない」と強調した。時事通信によると、安倍首相も「手元に置くことで安心いただける」と述べたという。

国民がマスク不足で不安になっていたのは1カ月前ほどの話。いまは事業存続や雇用、家計への打撃などへの不安の方が大きい。ネットや周囲の声を聞いていても、世帯に2枚のアベノマスクは「政府に任せていて大丈夫なのか」「こんなことに税金を使うな」と不安や怒りを煽っているように思える。なぜここまで全世帯へのアベノマスク配布を見直さないのか。

蓮舫氏「麻生大臣はなぜ着けない?」

デイリースポーツによると、蓮舫氏は29日の参院予算委員会で「今じゃないでしょ、お金の使い方違うでしょ」「アベノマスク実は失敗したと思ってませんか?」とアベノマスクを批判。そのなかで、着用しない理由を問われた麻生財務相は「私のところには届いていない」と回答した。しかし衆議院も参議院も会館にすでに届いていることを明かし、「確認もしていない」と批判。「まだ4%の配布。命を守る事業に回していただきたい」と見直しを求めた。

問われる忠誠心

自民党議員の間では、着用の有無で忠誠心が問われているとの真偽不明の憶測も広がっているという。しかし参院予算委員会で首相の周囲に座る閣僚でさえ着用するのは数名で、国会議員の着用率は低い。「使い捨てマスクが出回り始めている」「小さくて使い勝手が悪い」「家族に使用を禁止されている」などの声もあがっている。

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source:AERAdot.朝日新聞時事通信デイリー

image by:首相官邸

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