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費用はタダ。ニューヨーク在住日本人の「抗体検査」体験レポート

新型コロナウイルスへの感染歴を調べる「抗体検査」が、東京、大阪、宮城の1万人を対象に始まりました。米ニューヨーク州では、希望する市民は即日、無料で受けられるようです。『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』著者のりばてぃさんが、夫婦揃って近くのクリニックで受けた検査について詳しくレポートしてくれました。最長3日と言われた結果はオンラインで翌日には確認できたそうです。日本でこういった体制が整う日は、いつ来るのでしょうか。

抗体検査を受けてきた

新型コロナの抗体検査を受けてきた。いろいろ興味深い体験だったので今日はその話題をお届けしよう。

日本でも人口当たりの感染者が多い東京と大阪、逆に少ない宮城県を対象に限定数ではあるが無料の抗体検査が6月1日からはじまった。ただしこれは希望者ではなく、ある一定の条件(年齢や性別)で選ばれた人のみ。これとは別に民間医療機関での検査は基本的に有料で希望する人は受けられるようになっている。
国の抗体検査始まる3都府県の1万人対象感染歴調査
新型コロナ抗体検査 東京で始まる今月中に3都府県で1万人規模

しかし、アメリカでは政府要請により、新型コロナに現在罹っているかを調べるPCR検査及び抗体検査は無料で誰でも受けることができる。保険を持っている人は保険会社が負担し、保険が無くても一切支払う必要はない。
The Definitive Guide to Antibody Tests: What They Do, Where to Get Them, and How Much They Cost

州や地域ごとに手続きの違いはあるかもしれないので、実際に受けたいという場合は事前に確認することをお勧めするが、ニューヨーク州そしてお隣のニュージャージー州に関しては基本的に無料となっている。実際、クオモNY州知事やデブラシオNY市長は記者会見でテストを受けるようにと呼びかけていたりする。

他には、輸血用の血液が不足しているので、血液を寄付してもらうお礼に無料で抗体検査するよ、というところも。VitalantというNPO非営利団体で全米各所に支店を持つ。
Wondering if you had COVID-19? Donating blood to this nonprofit gets you a free antibody test.
いろんな検査機関で抗体検査が受けられる状況となっている。

そんなわけで、新型コロナだったんじゃないかとずーーーーーーっと気になっていた症状があったので、ニューヨーク市が再オープンする前にはっきりさせるため検査にいってきた。

今回行ってきた検査会場は、CityMDというクリニック。日米の医療機関は仕組みが大きく違うので詳細説明はここでは長くなるため省くが、CityMDは急な体調不良でもかけこみで受診できる庶民的なクリニック。チェーン展開している。しかも最近、店舗数を増やしているようで、あちこちにオープンしているのだけど、うちから徒歩で行ける範囲内にもオープンしたのだ。

新しいし、ずっと気になってることだったので、夫と2人でお散歩がてらにCityMDへ。予約不要。というかむしろ予約は取らない。身分証明書だけ持っていけばいい。

ちなみに、抗体検査はニューヨークではけっこういろんな人が受け始めているので、万が一、たくさんの人が行列で待っているようなら検査は取りやめにしようと考えていた。PCR検査も受けられる場所なので感染者もくる。近くにいて感染しないとも限らないからだ。でも予想に反してCityMDには受付の人以外は誰もいなかった。そしてオープンしたてということでとっても綺麗なクリニックだった。

受付で抗体検査を希望すると伝えると、まずはCityMD自体が初受診ということで会員登録をするように言われ案内される。セルフチェックインできる専用の機械からID(身分証明書)をスキャンして、個人情報など入力して、免責事項を確認して署名し、検査結果を知れる専用サイト設定のためにEメールアドレスなども登録して完了となる。あと、会員登録とは別に紙の同意書にもサインする。その後、個別に名前を呼ばれて検査を受けるという流れ。とっても簡単。

でもいかにもアメリカあるあるなのは、前日にオープンしたばかりなのに2台あったセルフチェックイン機械のうち1台は故障中だっことかな。こういうのよくある。

ちなみに、夫が先に会員登録してる間、暇だったので受付の人といろいろ話していたのだけど、CityMDはだいたいどこも午後から混みはじめるので、ご興味ある方は午前の早い時間帯がおすすめだそうだ。

会員登録が終わってほどなくして呼ばれ個室に入る。個室ではまず看護師さんによる問診。当然、まず最初に新型コロナのような症状があったかを聞かれる(無症状という人が大半とも言われているので症状がなくても検査は可能)。

そして、新型コロナに限らずクリニックで聞かれるごく基本的な質問が続く。薬へのアレルギーや進行中の疾患の有無、喫煙の有無などなど。問診の後に耳で体温を測り、血圧、脈拍、酸素、呼吸数なども計測した。看護師さんは非常にフレンドリー。無事に問診は終了。

一旦、看護師さんが部屋の外に出ていって、間もなくしてPPEをつけたお医者さんと一緒に戻ってきた。防御服とマスクとPPEをしっかりつけたお医者さんだ。受付の人と看護師さんはマスクと手袋のみだったので、ものものしさに若干緊張。

そんな重装備とは違って、「質問はありますかー?」と気さくに質問され、事前確認をいくつか行った。まず、検査結果が仮に陽性(つまり抗体がある)だったとしても、再感染しないという保証はない。検査結果が100%正しいとも限らない。…など、把握している人も多いと思うが、新型コロナの抗体検査の捉え方を確認してくれる。ちゃんと患者が納得した上で検査をするという流れなのだろう。

検査方法は小さいガラス瓶1本分の血液を採取。痛みはほぼなくすぐ終了。検査結果が出るのは3日ほどで、しかも受診日が金曜だったのだけど、週末もラボは可動しているから遅くても月曜にはわかるわよ、とのことだった。

CityMDの公式サイトに行くと患者用のポータルサイトへのログインページがあるので、そこにログインすると検査結果が見れる仕組みだ。このCityMDに限らずアメリカでは、すでにたいがいの病院やクリニックで受診内容と検査結果はオンラインで見れるようになっている。

部屋を出て、受付で手引書のようなものを受け取り、さよならの挨拶をして終了となった。久しぶりの体験に夫と2人で、不謹慎だけどなんだか楽しかったねーなんて言いながら帰宅。

皆さんもそうだったかと思うが自粛中は新たな出会いや体験がまったくないので、クリニックで抗体検査するってだけでも一大イベントなのである。

で、肝心の検査結果だが3日も経たずに翌日夜には判明した。結果は、陰性だった。
SARS CoV 2 AB IGG NEGATIVE
(新型コロナウィルス IgG ネガティブ)
とはっきり明記されていた。

前提として、新型コロナの抗体検査は偽陽性もあり、逆に判定が間違っていることもあるのだけど、夫も同じく陰性だったのと、酷い風邪は夫からうつったものなので2人とも陰性ということは高確率で陰性なのかなと思う。まぁ、検査の正確性については今後も関連情報が報じられると思うので、また様子みて受けてもいいのかなとは思っている。

ひとまず現時点で判明したのは、

  1. 新型コロナと疑っていた症状はインフルエンザに近いただの酷い風邪だった
  2. 自粛期間中は感染予防対策がバッチリだった
  3. 感染していないので誰かにうつしてもいなかった

この3点だろうか。引き続き感染予防を心がけながら生活を続けていこうと思う。

なお、もし抗体があった場合は次のステップとして、血液の寄付があり治療薬などの研究に役立ててもらうというのがあるので、疑わしい症状があったという人は受けてみても良いと思う。

image by: shutterstock.com

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ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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