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「日本の三権分立がヤバイ?じゃあこうしなよ」著名投資家が大胆提案

今年1月、黒川弘務東京高検検事長の定年延長が現行法の解釈変更で行われたことが「三権分立の侵害ではないか」と大きな批判を受けました。さまざまな意見が出る中、安倍総理は「三権分立は揺らいでいない」との見解を示し強行したものの、結局は黒川氏の賭け麻雀が明るみに出たことで定年をまっとうすることなく辞任へ。しかし、現在の日本で三権分立は崩れてきている懸念は消えることがなく、いまだ議論が続いている現状です。今回のメルマガ『房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』では、アメリカ、イギリス、香港など主要金融センターで著名な投資家でもある房広治さんが、日本の三権分立を成り立たせるための方法を他国のモデルケースを交えながら解説、提案しています。

三権分立の理想形を考えてみた

よく、中国やシンガポールのような一党独裁の国と、アメリカやイギリスなど民主主義の国とどちらが長期的に経済が伸びるのかという質問を受ける。

私の答えは、以下の通り。

COVID-19への対応を見ていると、アメリカ大統領とイギリス首相は、落第。アメリカとイギリスは、かつての政府のリーダーを全ての候補者から選ぶという理想からかけ離れたものになっており、民主主義の理想形とはだれも思わなくなってしまった。

そこで、民主主義を考える場合、まずは、三権分立がどのようにすれば、機能するかを考え、その理想形を追求するプロセスを考えるのが、選択肢として良いのではないかと考えた。

まずは司法。例えば、黒川さんが、不起訴になった件。あまりにも早い決定で、三権分立が効いていると解説する人は皆無である。第四の勢力と言われるマスコミも騒がない。なんとなく、安倍首相の評判が悪くなっているという雰囲気だけで、問題の所在を明らかにしない。これでは、真面目に働こうという意思がそがれ、健全な経済発展は望まれない。

では、どうすれば、もっと公正さを感じられるようになるか?

例えば、それぞれの検事長はアメリカのように、選挙で選ぶのはどうだろうか?検事というのは、どの国でも、絶大な権力を持つ。日本では、裁判官よりも検事の方が、力を持っていると感じている人々も多いのではないだろうか。カルロス・ゴーン氏もそのように分析している。

何故、アメリカは、検事のトップは、選挙なのだろうか? アメリカも昔は、日本と同じように、政府が任命権を持っていたようだ。しかし、癒着・なれ合いが起こった。そこで、地方検事や連邦検事と言われるトップの人間は、全て、選挙となった。選挙だから完璧だというわけではないが、選挙で選ぶのであるから、選ばれる方も、選挙人が何を検事に何を望んでいるかをちゃんと理解して、選挙人の利益やフィーリングを考えて、仕事にあたっている。即ち、アメリカは、検事は、民主主義での社会正義を行うために、民衆の意見がどうなのかを理解している人がなるべきだという民主主義の基本的な概念を取り入れていると言える。

次に、行政と立法。政府と議会が一体化してしまっているイギリスや日本は、まずは、議会で多数をとった政党で、政府のトップになる人間にスクリーニングがかけられてしまう。これは、Tweedismと呼ばれ、昔のように、全国直接選挙が不可能であった時には、このように二階層にするしかしょうがなかった。ところがITが進んだ今、インターネットやYouTubeなどを通じて、自分の意見をどんどん誰にでも訴える武器があり、携帯電話での直接投票にお金がかからないのであれば、政府のトップ(大統領または首相)は直接選挙で選べるだけの環境は揃った。となると行政の長、日本の場合首相は、全国投票にすればどうだろうか?もちろん、議員も投票。裁判官も最高裁判事も、全て、選挙をするのはどうだろうか?もちろん、投票は、携帯電話で、インフラをただで使い、選挙をタダでする時代にする。

また、リコールもしやすくすればどうだろうか?投票権のある人々の30%以上の人々が、選挙のやり直しをしたいと言えば、毎年、選挙ができるようにすれば、上場企業の社長が株主によって、変えられるということも可能になる(ちなみに上場企業は、株主総会で、社長候補を投票で決める企業もそのうちでてくるのではないかと思う)。

私の提案は、三権分立を成り立たせるためには、最低でも司法のトップ(最高裁判事と検察のトップ)と行政のトップは、直接選挙をすれば、新しい民主主義の実験ができるのではないかと思う。

こうなれば、選挙の費用は、タダで、便乗するビジネスが出てきて、経済効果も出てくるのではないかと思う。選挙を一大イベントにして、世界のモデルケースになるような民主主義に挑戦してはいかがだろうか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 房広治 【月額】 ¥880/月(税込) 【発行周期】 不定期 発行予定

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