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安倍も麻生も欠席。自民党は「原稿棒読み」すら放棄して10月総選挙へ

「形だけ」と揶揄されるもそれなりに注目を集める自民党総裁選の裏で、その長さのみしか誇るところのない安倍政権のトップの二人が、最後まで「国民無視」の姿勢を決め込んでいるようです。今回のメルマガ『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、9月3日に開催された現政権最後の予算委員会に安倍・麻生両氏が欠席した事実を紹介。新型コロナ対策が労働者にも企業にも全く届いていない中でのあまりの無責任ぶりを糾弾するとともに、それを引き継ぐのが菅内閣の実態であると批判的に記しています。

安倍内閣から菅内閣へ引き継がれる無責任政治

9月2日の衆院予算委員会に続き、翌3日、参院でも予算委員会が開催されました。この9月3日の参院予算委員会は、7年8カ月も続いた歴代最長の第2次安倍政権における「最後の予算委員会」となりました。しかし、自分の長期政権の最後の国会だったというのに、安倍晋三首相は出席しませんでした。その上、予算委員会であるのにも関わらず、担当大臣の麻生太郎財務大臣も出席しませんでした。

この人たちの頭の中にあるのは、目の前で困窮している国民のことではなく、党利党略と政権維持、つまりは「権力の保持」だけなのです。御用マスコミを使ってヤラセの世論調査で菅義偉官房長官の支持率を捏造しつつ、結果の決まっている総裁選を密約通りに行なって次の首相に祀り上げ、「国民の信を問う」というカビの生えた大義名分を掲げて9月末に解散し、10月25日の総選挙へ突入する。あまりにも国民を無視した傍若無人で我田引水なシナリオです。

企業都合で労働者のクビを切りやすい社会にした安倍首相

安倍首相は8月28日の辞任会見の中で、この7年8カ月の政権の成果の1つとして、「三本の矢によって400万人を超える雇用を作り出した」と自画自賛しました。しかし、これは先週(「“菅総理”リーク情報と13年前のウソ。自分の歴史まで修正する安倍の虚言癖」)も解説したように、正規雇用を減らして非正規雇用を大量に増やしただけ。ようするに安倍首相は、企業の都合で労働者のクビを切りやすい社会に変えたわけです。そして、この安倍首相の作り出した「不安定な雇用形態」が、新型コロナ禍の今、大ピンチを迎えているのです。

image by: icosha / Shutterstock.com

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、解雇や雇い止めになった労働者は、8月末の時点で5万人を超えました。しかし、これは氷山の一角で、申告のない企業や見込みまで入れると、この何倍もの人数に上ると推測されています。そして、このままの状況が続くと、今年の年末までに100万人を超える労働者が職を失うと指摘されています。こうした解雇や雇い止めの大半は、安倍首相がこの7年8カ月で急増させた非正規雇用者なのです。

どの対策も「上から目線」で有効に機能せず

これらの労働者に対して、政府も一応は、雇用調整助成金制度や休業支援金制度、緊急の小口資金などの対策を用意しました。しかし、どの対策も、労働者の立場や雇用者の立場に立ったものではなく、現場の声を無視した「上から目線」の対策なので、有効には機能していません。

中小企業向けの休業支援金にしても、60万件分の予算を用意しているのに、現在までの申請は18万件に留まっています。これは「困っている中小企業が少ないから」ではありません。困っている中小企業は100万件を超えているのに、申請が複雑な上に「休業」に対する認識に政府と雇用者とで隔たりがあるため、多くの中小企業が申請できずにいるのです。

雇用調整助成金制度も同様で、本当は必要なのに、制度に問題があって企業側の負担が大き過ぎるため、多くの企業が申請を諦めているというのが実情です。せっかく予算を付けて運用されている制度が、システムの不備によって有効に機能していないというのは、完全に「政治の怠慢」です。そして、その問題点を議論して是正するのが国会なのです。

出席大臣も「原稿棒読み」の無責任内閣

それなのに、9月3日の参院予算委員会には、最高責任者であるはずの安倍首相も、担当大臣であるはずの麻生財務大臣も、どちらも出席しなかったのです。この日、出席した大臣は、加藤勝信厚労大臣と西村康稔新型コロナ担当大臣の2人だけでした。

image by: 参議院HP

そして、立憲民主党の石橋通宏議員が、解雇や雇い止めになって生活に困窮している数多くの労働者のために、これらの制度の問題点の是正を提言したのにも関わらず、この2人の大臣は用意された原稿を棒読みするだけ、完全に他人事でした。

上から下まで閣僚全員が自分のことしか考えていない無責任内閣、それが安倍内閣であり、それを引き継ぐ菅内閣の実態なのです。

(『きっこのメルマガ』2020年9月9日号より一部抜粋)

image by: 首相官邸

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