MAG2 NEWS MENU

まるで押し売り。なぜあなたの営業トークは客に嫌がられるのか?

売れる営業マンと売れない営業マンでは何が違うのでしょうか。売れてもあとからクレームが来る営業マンとクレームがまったく来ない営業マンでは何が違うのでしょう。メルマガ『毎月1000人集客するプロ講演家が教えるコミュニティづくりの秘訣』の著者で、ベストセラー作家・起業家の岡崎かつひろさんが、交渉相手に嫌がられてしまう営業マンに見られる「5つの不足」を具体的にレクチャー。一つひとつ確認し充足していくことで必ず道は拓けると伝えています。

初対面の相手とも旧知の中!相手との仲を一瞬で深める質問力

人の話を聞く時は、こんな聞き方をすると引き出しやすいです。「現在」「過去」「未来」です。それはなぜかというと、今やっていること、感じていることというのは、一番話しやすいですよね。「今、OLさんをやっているんですね。OLさんも今の時期、コロナがあって仕事が大変なんじゃないですか?」「もともとOLさんをやろうと思っていたんですか?」「以前はどんなものになりたいと思っていたんですか?」と聞きます。

そうすると相手は「昔はこんなことをやりたいと思っていたんですよね」「仕事で成果をだして、長期休暇には毎年、海外旅行をしたいと思っていたんです」というような話が出てくると思います。「そうなんですね。では、このままがんばっていたら、将来はその夢を達成できそうですか」と聞きます。そうするとたいていは「いや、このままいってもなかなか実現できるかどうかわからないです」と続くわけです。

「なるほど。だったら、今何かできることってありますか?」「たとえばなんですけど、今遊びに毎月4、5万円くらい使っていますよね、そのうちの2、3万を将来のために準備してみるというのは、どうですか?」と聞きます。これをしていくと「イエス」は、けっこう簡単に取れます。

その結果、彼女は僕が勧めた「不動産投資の話をくわしく聞きませんか?」ということに対して「イエス」といってくれるかもしれません。ただ、この手法で進めていくとなにが起きるかというと、あとからクレームが来る確率が非常に高くなります。

「作為的なイエス」はクレームにつながる

なぜ「イエス」を言わせる手法を取ると、あとからクレームが多くなるかと言うと、相手からすると「イエスを言わされた」というコントロール感が残るからです。もちろん残らない人もいます。ただ大概の人はこれをやられている時点でどこかで気づきますよね。「イエスばかり言っているとノーが言えなくなるだろうな」と思うんです。でも途中でハマってしまうとノーと言えなくなってきます。それで「じゃぁ話を聞きます」「その商品を買います」となります。

安いものであればまだ良いかもしれませんが、不動産など高額なものに関しては後から大きな問題になることがあるでしょうね。僕は、会社員時代、今みたいな作為的なイエスが多かったんです。だから交渉事においてイエスを相手から引き出す確率は非常に高かったんですが、そのかわり後から「やっぱりやめます」と言うことが非常に多かったんです。

当時の僕の関心事は、どうやったら相手に僕の主張をイエスと言わせるかということでした。相手の話をちゃんと聞けるようになってからは、僕の関心ごとは、相手がベストの選択をするためにはどうしたらいいかということに変わりました。自分が変わり始めると、自分の主張を通すことよりは相手が喜んでくれるという観点で話をするので、嫌がられることが減りましたね。ただかわりに「イエス」が取れる割合が減るのでクロージングが難しくなります。そうすると自分の目標達成がしにくくなります。

「求めている人に求めているものを」ビジネスの基本に立ち返れ!

交渉ごとにおいてイエスが取れる割合が減るのであれば、逆に母数を増やすことが大切です。うまくいかない人というのは、小さなマーケットをこねくり回すんです。逆にうまくいくセールスの人は、狭いパイでなんとかするのではなくて、一生懸命新しいお客さんを広げてどんどんファンを獲得していきますよね。当時、僕も行動範囲を広げて出会う人の数を増やし、ビジネス的な提案ができる方を増やしていく方向にシフトしました。

これはいつも言いますが、ビジネスの基本は求めている人に求めていることを提供することじゃないですか。コーヒーを飲みたい人にコーヒーを提供したら喜ばれますよね。

たとえば友達がコーヒーショップを出しました。「この近くでコーヒーショップを出したから来て」と、友達が声をかけてきたとします。その時、たまたま自分は先を急いでいて、時間がないという時だったらどうなるか。普通は断りますよね。その時に相手が「わかった。じゃあまたきてね」だったらいいでしょう。しかし、友達が「そんなこと言わないで、友達なんだから来てくださいよ」と始まったら嫌じゃないですか。嫌ですよね。要は何が言いたいかと言うと、たとえ友達であっても押し売りはしないと言うことです。

営業マンが知るべき「5つの不足」とは?

話がちょっとずれてしまいますが、人がなぜ押し売りをしてしまうかと言うと、ちゃんと原因があります。求めているものに人に求めているものを提供したら喜ばれます。これはほとんどの人が知っていることです。商売でうまくいっていない人のほとんどは、これができていないわけです。どういうことかというと、求めてない人に求めてないものを提供したり、物を求めている人なんだけれど、求めてないものを提供してしまう。

原因はいくつか考えられます。例えば「何とかセミナーに来てくださいよ」みたいに誘ってくる人もいると思うんです。押し売りする人は、相手との関係性が壊れる可能性があるにもかかわらず、押し売りをしてしまうのか。そもそも誘っている側からしたら、「せっかくいい情報を教えてあげたのに、なぜこれをやらないのか理解に苦しむ」というような考えをした人もいます。これは「知識の不足」が原因です。

【知識の不足】「焼酎」と「焼酎シロップ」その違いに気づけるか

「知識の不足」とはどういうことかと言うと、「自分がいいと思ったものは、まわりの人もいいと思うだろう」という勝手な思い込みです。例えばそれは自分の状況では必要だったかもしれないけど、他の人の状況では必要がないかもしれない。

先日こんなことがありました。僕はよくチューハイを飲むんですよ。チューハイと言うのは焼酎のソーダ割です。ただ、居酒屋さんによっては、焼酎シロップで割っていることがあるんですね。そうすると、焼酎シロップを使った焼酎というのは、砂糖が入っていて甘いんですよ。

僕の希望としては、砂糖が入っていないものが良いのでここのチューハイは焼酎が甘くないかと聞くんです。そうすると甘くないですと答えるわけです。僕は甘くないものを飲みたいんです。店員さんはそれを聞いて「甘くないものです」と言う。僕はその答えを聞き、「甘くないのであればそのチューハイをください」と言うわけです。でも、実際に出された焼酎は、10回のうち1回の割合で、甘い時があるんですよ。要は、そのお店では焼酎ではなく焼酎シロップを使っていたのです。

さきほどの「知識の不足」と言う観点でいえば、店員さんは、お店で提供しているチューハイがあまり甘くないかを知らないで出してしまっている。もう一つの考え方としては、その店員さんは「そのチューハイの甘さは自分にとっては甘くない」と思っている。そうするとお客様との知識の差があってミスマッチが発生しますよね。これが、お客さんが嫌がる原因の1つです。

【能力の不足】コミュ力+プレゼン力は足りているか

能力の不足も考えられます。それは何かと言うと、もしかしたら店員さんは焼酎に砂糖が入っていたことを知っていたかもしれない。しかし、お客様が、まったく砂糖が入っていないものを望んでいるということをキャッチできていない。これはコミュニケーション能力が足りないんです。プレゼンテーション能力もたりません。

もしその人がちょっと甘くても気にしない人であれば、その焼酎でも正解です。「多少の甘みはありますが、私は特に気になりません」と言う場合です。さらに、正しい知識があれば、「もし全く砂糖が入ってないものがよろしければ麦のソーダ割りをお持ちすることができますが、いかがでしょうか」と聞くこともできます。こういう聞き方だったら完璧です。この受け答えができないというのは、能力の不足でしょうね。

【収入の不足】十分な生活基盤が築けているか

3つ目。営業マンにありがちなのが、収入の不足。これはどういうことかというと、例えば保険のセールスまで大体副業は禁止だったりするわけですよ。そうすると保険のセールスはだいたいフルコミッションで、売った分だけお金が手に入るわけです。そのため大量に売れる人はいいわけですよね。

売れない人にとっては、これは非常に危険です。そうすると、最初の数ヶ月は「友達や親せきには無理な押し売りをしないようにしよう」と決めていた人も、だんだんと収入がなくなってくると、「これはお願いしてでも買ってもらわないと生活できないぞ」ということになってくるわけです。そうすると押し売りが始まるわけです。

【数の不足】十分な営業先を確保できているか

4つ目は数の不足。これは何かと言うと、例えば提供先が1社しかなかったら当然ですけどお願いするわけです「御社が買ってくれないと、うちの会社はどうしようもないんですよ」となります。お客さんからしたら「知らないよ!」となるわけですよ。でも、アプローチする会社が10社ある、100社ある、1万社あるとなったら、たとえば極端な話、1社に断られても9999社にアプローチできるわけです。

そしたら断られたところで「そうですか。他にもお求めになられるところがあるので、大丈夫です。もしご興味があったらまたお時間いただけたら幸いです」と言えるわけです。こういうふうに保険のセールスというのは数があれば強いんです。

【経験の不足】高すぎるノルマに疲弊

5つ目はノルマです。たとえば「月20件契約を取れないと解雇される」「1講演会に1人で10人以上の参加者を呼ばないと、そこのリーダーから怒られる」ということがあるとします。そうなると、社員またはイベントの運営スタッフは、怒られたくないから何とか人を集めようと躍起になります。そのため誰かまわず声をかけて、人数集めに走るわけですが、結果としてそれは人に無理強いをすることになり、自分のそばから人が離れていくことになりかねません。

逆に、「知識」「能力」「収入」「数」「経験」という5つの柱をしっかりとクリアしていけば、「求めている人に求めているものを提供する」ことができます。もちろん、すべてがすぐにできるようになるわけではありません。しかし、1つずつ目標を立てて、今自分に足りないものはなんなのかということを見極めて足りないところを補っていけば、必ず道は拓けます。

そのうえで、より大事にしたいのが「相手の話をしっかりと聞き、要望を引き出す力」。いわばコミュニケーション能力です。どんなに仕事ができても、コミュニケーション能力がない人は、どこかで躓いてしまうものです。(メルマガ『毎月1000人集客するプロ講演家が教えるコミュニティづくりの秘訣』より一部抜粋)

image by: Shutterstock.com

岡崎かつひろこの著者の記事一覧

多くの人が仕事や人生において困ること。この力がないことで、どれだけ多くの人が悩んでいることでしょう。仕事が進まない、起業したがうまくいかない、恋人ができない、実はこれら全ては共通する問題により起きています。 それは、『人が集められない』 ということ。毎月1000人が集まる講演会を成功させるベストセラー作家であり起業家の岡崎かつひろが教える、コミュニティ作りと集客の秘訣。人が集まる自分になるための一歩を踏み出しましょう。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 岡崎かつひろの『好きを仕事にするための本当の考え方』 』

【著者】 岡崎かつひろ 【月額】 ¥990/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎月 第1月曜日・第3月曜日(年末年始を除く) 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け