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菅首相、支持率低下を「安倍盾」で回避か?前首相を年内国会招致へ

安倍晋三前首相が主催した「桜を見る会」前日に安倍氏の後援会が開いた前夜祭の費用の一部補填を巡って、安倍氏が東京地検特捜部の事情聴取に17日までに応じたとテレビ朝日が18日に報じていたが、「これは誤報だった」として同日、ニュース番組「報道ステーション」内で謝罪した。産経新聞、共同通信などが報じた。

安倍氏は18日午前、捜査終結後に国会での招致に応じる意向を示していたが、まだ東京地検特捜部の聴取要請には応じていないようだ。

11月後半に入ってから、「桜」疑惑をめぐる一連の動きが急に慌ただしくなってきた。これには、ある人物の姿が見え隠れする。もちろん、現首相である菅義偉氏の影だ。

菅政権の支持率低下と「桜」捜査のタイミング

菅内閣は現在、新型コロナ感染急拡大をめぐって、突然の「Go Toトラベル」一時停止や、ステーキ会食批判などで槍玉にあげられており、支持率はナイアガラの滝ように急降下を続けている。この気配が見え始めた11月末頃から、安倍氏の「桜」疑惑が今さらマスコミに取り上げられるようになったことを考えても、菅政権の裏側で何か取引が行われていると考えられても不思議はないだろう。

何せ、今回の「桜」再注目の立役者は、「与党の広報紙」「お抱えTV局」と揶揄されてきた読売新聞とNHKだからだ。

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Go Toキャンペーンの効果を狙って総選挙に打って出ようとしていたと思われる自民党だが、「Go Toトラブル」とでも言うべき失策続きの現状と感染者の急増、そして「8名様のステーキ忘年会」というダメ押しも重なって、そのシナリオは脆くも崩れ去った。奈落の底へ真っ逆さまの支持率を少しでも回復させるためには、国民の目を別の方向へ逸させなければならない。その一手が、「安倍氏、国会招致」だ。

否定していた「安倍前首相の国会招致」が動き出した裏事情

これまで頑なに安倍氏の国会招致を否定してきた自民党は、今になって「来年の通常国会で予算審議が始まる前にけじめをつける」と言い出し、年内の国会招致に応じる方向で検討をはじめた。自民党ないし菅政権は、Go To批判&ステーキ批判をかわす目的で、「桜」批判という「安倍シールド(盾)」を前面に出してきたとみられる。

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ここで気になるのは、「桜」捜査の中身だ。安倍氏がすんなり国会への招致に応じているところを見ると、すでに東京地検との間で「手打ち」があり「シャンシャン捜査」になる可能性は高い。マスコミ向けには「安倍シールド」を押し出して、ガースーならぬ「ガス抜き」を図る算段なのではないだろうか。

「桜」当時、官房長官だった菅首相に批判の声も

しかし、今回の安倍シールド作戦は「諸刃の刃」という見方もある。なぜなら、「桜」疑惑の渦中で官房長官をつとめていたのが、他ならぬ菅首相自身だからだ。記者からの鋭い質問にも「当たらない」「○○だと聞いている」と詭弁を弄してきたイメージは、今も多くの国民の脳裏に焼き付いている。安倍氏を盾にする動きに対して、安倍氏を慕っていた自民党議員の間から不満の声が出ないとも限らない。「菅首相では選挙に勝てない」と、土壇場で裏切る勢力が内輪から出てくる可能性は充分にあるのだ。

桜吹雪の舞う中、「これにて一件落着」と幕引きを図ろうとした菅首相には、自民内部から「自滅の刃」が向けられ始めているのかもしれない。

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梅は咲いたか、桜はまだかいな

17日には東京都で感染者数が822人も出るなど、依然として収まる気配のない新型コロナウイルスの感染拡大。菅政権によるコロナの失策が批判されるたびに「安倍シールド」が使われるとしたら、「桜」の次は「森友学園」「加計学園」のモリカケ問題かもしれない。これがもし槍玉にあげられたら、「妻や私が関与していたなら、首相も議員も辞める」と豪語した安倍氏の政治生命は本当に終わることになるだろう。

もしかすると、いま最もコロナの収束を祈っているのは、「新型コロナを抑えた」などとドヤ顔で会見をしていた安倍前首相自身なのかもしれない。

※記事の一部を修正致しました(2020年12月19日)

※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

image by:安倍晋三公式Facebook

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