MAG2 NEWS MENU

【書評】不幸な老後を迎えないためには何をすれば良いか?

人は誰しも年をとり、いずれ老人になっていくもの。もし自分が老人と呼ばれる年齢になったとき、不幸な人間にならないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』では編集長の柴田忠男さんが、 どうしたら生きがいのある老後を過ごせるかを突き詰めた一冊をご紹介しています。

偏屈BOOK案内:藤原智美『この先をどう生きるか 暴走老人から幸福老人へ』

この先をどう生きるか 暴走老人から幸福老人へ

藤原智美 著/文藝春秋

現在の著者(小説家)は「還暦をすぎて、老後一歩てまえの、さしずめ『老前』とよべるような歳になりました。かつては遠い存在であった老人に、まさに自分がなろうとしている」状態だ。その歳のせいか、一度封印したはずの「孤独で不幸な暴走老人」というイメージが頭から離れなくなったという。

「やがて老人となった私は、いとも簡単に暴走したり、たえがたい孤立に追い込まれたり、生きがいのないつまらない生活をおくるようになるかもしれない。そんな不安をどこかで感じていました」。でも、いつまでもそんな不安や戸惑いに怯えているわけにはいかない。著者はいろいろな人に会って話を聞き、それをもとに「どうしたら生きがいのある老後を過ごせるか」をまとめた。

序章は現代の神話化した「人生百年」の実像と平均寿命のカラクリについて。一章はネットやスマホとの距離をたもつということについて。二章はコミュニケーションのとり方、生き方の正しい方法について、三章は世の中に流布する「孤独感」を整理して、その中で老人がおちいりやすい孤立と孤独について。

四章は老人をとりまく社会のまなざし、同調圧力に影響されない自立した生き方について。五章はセカンドライフのための意識の大転換に必要な「リボーン・ノート」について。六章は価値ある「暮らし」を再構築することについて。これはまえがきにある説明だが、なんか憂鬱になりそうなメニューではないか。

これから老年期まで、持続できる「生きがい」や「充実感」のある人生を、いったいどうしたら送れるのか。それがこの本で著者が考えてきたことだ。出した答えは、シンプルに言うと、「上下の話法」から「対等の話法」への切り替え。「目的の価値化」から「行為の価値化」への思考の転換。虚栄心を捨てて謙虚な自尊心に立ち返ること。孤独のなかでは「書くこと」で自分とのつながりをはかり、持続的な自己対話をはかること。

う~~、南海ホークス(わたしが常用する難解な事態に陥ったときのツブヤキ)。これらはセカンドライフを送る上での基本的な姿勢である、といわれてもなあ。この本をちゃんと読んでこないと、サッパリわからんでしょう。私はナナメ読みしてきたので、ほぼわからん。わかったのは、孤独のなかでは「書くこと」で自分とのつながりをはかり、持続的な自己対話をはかること、という基本的な姿勢を保てということだった。

しかし、「これとは別にもう一つ強固でゆるぎない、人がよって立てるもの」が必要だという。それは「人生の土台」といってもいいようなもの。結局行きついたのは、セカンドライフの表舞台である「暮らし」だった。日々の生活である。日常こそがメインの世界なのだ。なんかあてが外れた気もするが、それが「人生の初期化」という提案であるらしい。南海ホークス……。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

日刊デジタルクリエイターズこの著者の記事一覧

デジタルメディアで活躍する現役クリエイターたちのコラムで構成されている本格派。総発行部数約16000! 真のクリエイターを目指している方からデジタルに関わる方まで、すべてに向けて発行中!

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】 』

【著者】 日刊デジタルクリエイターズ 【発行周期】 ほぼ日刊

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け