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行列のできるゴーストライター直伝。読み返したくなる文章の書き方

タレントやカリスマ経営者などの書籍執筆を請け負う、いわゆる「ゴーストライター」というお仕事。当然ながらその世界にも圧倒的人気を誇るカリスマが存在するわけですが、注文が絶えない秘訣はどこにあるのでしょうか。今回の無料メルマガ『毎朝1分! 天才のヒント』では著者の倉橋竜哉さんが、行列ができるほどの人気ゴーストライターさんから直接聞いた、読み返したくなる文章をか書くための「隠し味」を紹介しています。

体験を作ること

うまい棒(サラミ味)が好きだった倉橋竜哉です^^;

「懐かしさを隠し味にしています」と言っていたのは、ビジネス書の作家さんでして、今から十数年前…まだこの天才のヒントを創刊する前のこと、いろんな分野の第一線で活躍されていた方をインタビューしていたことがありまして、そのときにビジネス書のライターの方に取材をさせていただいたことがありました。

いわゆる「ゴーストライター」をされていて、有名経営者の本を数々手がけられていました。ここで具体名が出せないのがもどかしいですな。…大人の事情ってやつです(笑)。

あまり表に名前が出ないはずなのですが、「私の本も書いてください」と紹介などで直接依頼が来ることも多いとのこと。行列のできるゴーストライターであります。

人気の理由は、文章が読みやすいことはもちろんですが、「何度でも読み返したくなる文章」を執筆されるという評判がありました。依頼主からすれば、せっかく書いてもらうのであれば、何度も読んで欲しいですからね。

せっかくのインタビューですので、根掘り葉掘り聞いてみよう!ということで、直球で「どうすれば読み返したくなる文章が書けますか?」という質問をしてみました。いわば「秘伝のタレの作り方を教えて下さい」というような質問であります(汗)。

そんな厚かましい質問に答えてもらえるかどうか、気分を害されたらどうしよう?なんて心配したのですが、あっさり答えてくれまして、いわく「懐かしさを隠し味にしています」とのこと。どういうことかというと、その文章を読んだ時に、読者が過去に見た情景が思い浮かぶようにしているのだそうです。

「懐かしさ」と言っても、三丁目の夕日みたいな昭和のノスタルジックな情景という意味ではなく、たとえ数日前、あるいは昨日のことであっても、以前にどこかで見たことがある景色を、本を読みながら思い出せたらOKとのこと。

そう言われて、改めてその人が書いた本を読むと、文章を読むというよりも、自分のアタマの中のアルバムをめくって見ているような、そんな感覚がありました。例えば、「久しぶりに実家に帰った時に感じる、家のにおい」なんて書いてあると、それぞれの実家や田舎の情景が、においと共にアタマに浮かぶのではないでしょうか?

ビジネス書というのは、そこに書いてある目新しい手法や理論、データを読んでもらうものですが、懐かしさを隠し味にすることで、単に知識を増やすだけでなく「体験」をしてもらえる。知識は、一度知ったらおしまいだけど、体験は、何度でもしてもらえるんです…とおっしゃっていました(なるほど!)。

他にも、いろんな「文章メソッド」を教わったのですが、20年近く経った今でも、何度も思い返すのが「懐かしさを隠し味にしています」という言葉であります。読書や授業など「学ぶ」という作業をするとき、文字情報がアタマに入るだけだと「知識」だけですが、そこに自分のイメージが浮かんでいると「体験」になるのだな…と。

今でも、自分の書いたものを読み返した時、これは「知識」を提供しているのか?それとも「体験」を提供しているのか?ということを基準に手直しをしていることがよくあります。

これをお読みのあなたは、読書や授業を通じてどんな「体験」をしたことがありますか?どんな「体験」を提供したことがありますか?

★まず私からあなたにこの言葉をお届けします

「どんな体験をしましたか?」

image by: Shutterstock.com

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【著者】 倉橋 竜哉(日本マイブレス協会) 【発行周期】 毎朝コツコツお届けします

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