「結果責任」の意味を都合よく履き違えるこの国の政治家の無責任

 

改めて振り返ってみても、このひと月余りの政治のあり様はひどい。「我々は今や無知ではない」と押しに押したと思ったら、ある日突然「我々にとっては未知のウイルス」と引く。振り回される方は堪ったものではない。発出間近であろう緊急事態宣言も1都3県の知事に散々につつかれて、結局出さざるを得なくなったといった感じである。

また、それについて語るに「早急に根拠法である特措法の改正を18日からの通常国会で…」である。18日まで2週間、ウイルスが正月休みでも取ってくれるとでも言うのか。国会議員は、夏に続いてこの冬もまたボーナス付きの超高額有給休暇である。一応言っておくが、この国には臨時国会というものがある。非常時に開かないでどうする。

「政治は結果責任」。今ではすっかり揮発性の言葉になってしまった。政治家がそうしてしまったのだ。この言葉を口にするなら、まず自分自身に「『今』こそが結果なのだ」と言い聞かせることから始めてもらいたい。それなくして、この言葉に実が伴うことはないからだ。

言葉に実が伴えば、そこに説得力が生じる。言説に迫力が出る。政治家への信頼はこうして生まれるのである。そんなふうに考えれば考えるほど、どうにも暗い気持ちになってしまう。これは自分だけであろうか。

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ここにあるエッセイが『8人ばなし』である以上、時にその内容は、右にも寄れば、左にも寄る、またその表現は、上に昇ることもあれば、下に折れることもある。そんな覚束ない足下での危うい歩みの中に、何かしらの面白味を見つけて頂けたらと思う。

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